星降る丘の約束⑦~第二章~
2. 祖父の秘密の遺品
病室に戻ると、菜月は祖父のベッドサイドの小さな木箱を指差した。
「おじいちゃんがこれを私に渡してくれたの。」
木箱の中には、1冊の古びたノートが入っていた。カバーには、「星の記録」とだけ手書きで書かれている。
美咲がノートを開くと、そこには手書きの星空のスケッチや観察日記がぎっしりと書かれていた。どのページにも、星の名前や位置、観察した日の出来事が記されている。そして最後のページには未完成の記録があり、こう書かれていた。
美咲は目を見開き、菜月も言葉を失う。
「これ、私たちと一緒に星を見たいってこと…だよね?」菜月が控えめに尋ねると、美咲は言葉を探しながら頷いた。