星降る丘の約束⑫~第三章~
2. 思いがけない妨害
地図が示す道の先にあったのは、今ではほとんど使われていない山道だった。車を降りて徒歩で進むしかない状況に、菜月が顔をしかめる。
「ここから歩くの?ママ、本当にこれで合ってるの?」
「合ってるわよ。ほら、文句言わない。」
二人は山道を歩き始めたが、途中で菜月が足を止める。
「なんかここ、動物の巣穴みたいな…怖い。」
周囲を見回すと、木々の間から鹿のような動物がこちらをじっと見ていた。菜月は少し怯えた表情を見せるが、美咲は手を引いて歩き出す。
「大丈夫よ。おじいちゃんもこの道を何度も通ってたんだから。」
山道を進むにつれ、菜月の不安も薄れ、むしろ冒険のような楽しさを感じ始める。