星降る丘の約束⑭~第三章~

4. 祖父の隠されたメッセージ

ベンチの下をふと覗いた菜月が、古びた木箱を見つけた。
「ママ、これ!」

木箱の中には、もう一冊のノートと星座を描いた紙が入っていた。
ノートには祖父の手書きでこう記されていた。

「ここで星を数える時間は、家族と過ごす大切な記憶になる。どんなに忙しくても、忘れずに戻ってきてほしい。」

美咲はその言葉を読み、胸が締めつけられる思いをした。菜月もまた、祖父の願いを改めて実感したようで、小さく呟いた。
「おじいちゃん、本当に私たちのことを思ってたんだね…。」

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