冬の静寂⑤
その週末。美咲は思い切って地域の母子支援センターに相談に行くことを決意した。疲れと孤独から解放されるかもしれない。息子と一緒に、新しい道を模索し始めようと。
初めて、彼女は自分を許すことを考えた。完璧である必要はない。生きていくことそのものが、愛の証なのだと。
雪が小降りになっていく。窓から差し込む冬の光が、美咲の顔を優しく照らした。
息子は彼女の隣で、おもちゃで遊んでいる。今日は昨日よりも、少し穏やかだった。
彼女は深呼吸をした。冬は厳しいけれど、春は必ず来る。
人生も、育児も、同じだと美咲は思った。