まいぶーむ

今、自分の中で空前のカプチーノブームが起こっている。

カフェではケーキを頼むときはホットコーヒー、飲み物だけの時はカフェラテと決まっていた私は、カプチーノの素晴らしさに気づくことがなかった。20年弱も、なんてことだろう。
しかし、今気づくことができてよかった。80歳まで生きるとして、あと60年はカプチーノを楽しむことができる。一日一杯として365×60、21900杯。これだけのカプチーノにであることができれば、私の人生は満ち足りたものと言えるだろう。

そんな私とカプチーノの出会いは数日前、アルバイト先のカフェでカフェラテと間違えてボタンを押してしまい、余分に作ってしまったカプチーノをまかないとして飲んでみた。普段なら余ってしまったドリンクはアルバイト仲間にプレゼントして好感度アップに使うか、容赦なくサヨナラするが、その日はなぜだか、ミルクのきめ細かい泡が、いつもより艶めき、輝いて見えたのだ。(たぶん究極にお腹が空いていただけだと思う)

一口飲んだ瞬間に、瞳に光が入ったのを感じた。よくお客様にカプチーノとカフェラテは何が違いますかと聞かれることがある。これまでの私は先輩から教わった言葉を機械のように垂れ流していたが、今の私は熱を持った、生きた言葉でカプチーノとカフェオレの違いを語ることができる。

クリーミーで濃厚!!!! というのが、カプチーノの第一印象だ。カフェラテはカプチーノと比べて泡が少ない分、エスプレッソの輪郭が残っているように感じる。

今までカフェラテをよくオーダーしていた理由に、ラテアートでハートを描いてもらえるという理由があった。ハートの描かれたカフェラテからしか得られない栄養分というものがあるのだ。
カプチーノは表面がモコモコの泡で覆われていることが多く、カフェラテに比べるとハートを描いてもらえることは少ない。
しかし最近は何も描かれていない真っ白な表面のカプチーノを一口飲む瞬間を、降り積もったばかりの雪の表面をゆっくりと踏みしめるような感覚と重ね合わせている。優越感に似た感情。

ただ、コーヒーが飲みたい欲と、カプチーノが飲みたい欲は一緒ではないため、カフェイン摂取量が二倍になっているというちょっとした悩みもある。お財布も悲鳴をあげているし、困ったものです。



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