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【アート】なぜ絵を観ると「楽しい」のか|AIが絵を描く時代に人が描く絵の「価値」とは何か

小学生の頃から絵画、特に西洋美術を観るのが好きでした。

なぜ好きなんだろう?
という質問には「楽しいから」という回答がすぐに浮かびます。

では、なぜ楽しいんだろう?
と聞かれたら、あなたならどう答えますか?
この質問の答えを、私はなかなか見つけられませんでした。

でも、気がついてみればいたってシンプルだったんです。

なぜ絵を観ると楽しいのか?
その答えは、絵を観ることで想像力がかき立てられるから。

この絵はなにを描いているんだろう?
このとき画家はどんな気持ちだったのかな?
いつの時代に描かれたんだろう?
描いた時の画家の年齢は?経歴は?
歴史的にはどんな時代だった?
絵画様式はなに?

などの疑問から始まり、

モネがルノワールと一緒に出かけて描いた絵なんだ!2人はどんな会話をしたんだろう。
この絵はサロンで批判を浴びたらしい!服を着てるのに、なんで?
この絵はドガが最初に買ってあげたらしい!優しくないドガが、なんで?笑

とかとか。
そして、

この点々は音符を意味しているのかな?
この青は自由を象徴しているかも。
フォーカルポイントが小さいのに目立つ理由はなんだろう?
これは◯◯作品のオマージュだな。

など、挙げればきりがないくらいどんどん想像と好奇心の世界が広がっていくのです。
これが楽しくないわけがない!ですよね。

読書好きの方は、特にしっくりくるのではないでしょうか。
大好きな小説が映画化されて、楽しみに観てみたけど、本の方が何倍もおもしろかったということってあるあるですよね?
それはきっと、本の方が想像の世界が広がるからだと思うのです。

人は、想像の世界を自由に羽ばたいているときに楽しさを感じるのだということをつくづく実感します。

さて、今はもうAIが絵を描いてくれる時代です。
SNSのアイコンや、noteの記事見出しなど、わざわざ自分で描いたりイラストを買ったりしなくても、AIにお願いすればちょちょいのちょいでできあがります。

そんな時代にわざわざ人が時間と労力をかけて絵を描くことの価値とはなんだろう?と今一度考えてみました。

こちらの解も、キーワードは想像の余地があるかどうかということになります。

人が描いたものであれば、さっき挙げたような疑問や好奇心がいくつも湧いてきます。
しかしAIの絵であればどうでしょう。
描いているのはAIなので、そこに強い気持ちは込められていません。
つまり、想像の余地がないのです。

人の想像力をかき立てる力があるのは、人の想いの詰まった絵だけです。
そういう意味において、AIが絵を描く時代にあっても、人が絵を描く価値というのは多いにあると思います。

いつの時代も、人の心を動かすことができるのは、同じ心を持った人間だけなのでしょう。

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