【アート】絵画の好みは時とともに変わっていく
絵画に興味を持ち始めた小学生の頃、私は盛期ルネサンスが好きでした。
中学生の頃のお気に入りは、アンリ・ルソー。
高校生になると、上の2つに加えて印象派が綺麗だと思うようになりました。
印象派の中では、特にルノワールが好きでした。『ムーラン・ドゥ・ラ・ギャレット』を、いつか生で見てみたいとずっと憧れていました。
その夢は社会人になってから叶いました。
パリのオルセー美術館で本物を見たときは、その美しさに「わぁぁ……!」と言葉にならないほど感動しました。
その後3,4年は、1番好きな画家を聞かれれば、迷わずルノワールと即答していました。
ところが少しずつ、私の中でルノワール離れがはじまっていきます。
なんとなくですが、思い当たる理由が2つあります。
ひとつは、ルノワールの描く女性の顔がどれも似通っていて飽きたのかも?ということと。
もうひとつは、“腐った死体”と揶揄されたルノワールの描く肌の色があまり好きではないのかも?ということです。
そして今では、ルノワールという人物があまり好きではなくなってしまいました。
美術の知識が増えていくとともに、画家たちの性格も知ることになっていきますが、残念ながらルノワールは、あまり私の好きなタイプではありませんでした。
ちなみに彼の絵そのものに関しては、特に嫌いというわけではありません。綺麗なものは綺麗だと思うし、イマイチなものはイマイチだなと感じるだけで、特に心が揺さぶられることもありません。
ルノワール離れしてしまったのとは反対に、元は興味がなかったのに、今では大好きになったという画家もたくさんいます。
以前はただ通り過ぎて気づけなかったその絵の魅力を再発見できるのは、なんだか嬉しくなるものです。
昔とは違い、今では好きな画家がたくさんできたので、誰が1番と決めるのはとても難しいです。
使い古された表現ですが、本当にみんな違ってみんないいと思っています。
でも、私も山田五郎さんみたいに、好きな画家を聞かれた時用に誰か1人決めておこうかな。
ちなみに五郎さんは、好きな画家はヤン・ファン・エイクと答えることにしているそうです。
理由は、ファン・エイクを知らない人が多くて、それ以上なにも聞いてこられないから、めんどくさくなくていいとのことでした。おもろ。笑
好みって移り変わっていきますよね。
それは自分史においての成長物語のようなものなのかもしれないな、と思っています。