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学生時代の運動部に対して思うこと|もっと選択の自由を

運動部だけが偉くて体育会系バンザイな文化の中で、自分の適性を見つけられずに苦しんだ中高生時代の私へ送る言葉として、今回は書きます。

今はどうか知らないけれど、私が中高生の頃は部活と言えば運動部でした。
文化部もいくつかありましたが、そこに所属するくらいなら帰宅部の方がまだマシだという風潮がありました。

小さい頃から体を動かすことが大好きだった私は、中学で疑うこともなく運動部(バドミントン)を選択しました。
1年生は来る日も来る日も壁に向かって手でシャトルを投げ続けるという練習内容。
コートのネットを張ったり、先輩の打った散らばったシャトルを片づけたりするのも1年生の役目。
土日も休まず毎日練習。

「あれ?なにかおかしい。私はこんなことがしたいんじゃない」

心はそう叫んでいたけれど、こういうことを考えるのは負け組だけだという無言の圧力のようなものがありました。
まわりは何ひとつ疑問を持つことなく練習に励んでいるし、土日が休みじゃないことを嘆いている子なんてひとりもいない。
だから私もがんばらなくちゃ。
がんばらなくちゃ。
がんばら…。

限界を迎えた私は2年生になりたての頃、バドミントン部を辞めました。

部活をしていない人間=悪のような風潮があったため、なんとか次に入る部活を探さなきゃと、今度は陸上部を選択。
選んだ理由は、毎日練習しなくてもいいという噂があったからでした。
元々陸上部にいた子にうっかり入部理由を話し、見事に顧問にチクられてしまいました。
いきり立った顧問は私を呼び出し、大声でまくし立てました。
「知ってんねんからな、自分(私のこと)が陸上部を選んだ理由。毎日練習せんでええからやって言うてたそうやんか。これからは毎日練習あるからな」
今思えば、その顧問もまだ24歳くらいの若造(女)だったので、生徒に舐められたように感じたのが気に食わず、勢いまかせにキレ散らかしていたんだろうなと思います。

なにはともあれ、そんなこんなで陸上部に入ったものの、半年くらいでまた辞めた私はとうとう開き直って帰宅部を決め込むことにしました。
まわりの子からすれば、部活を続けられないなんて意思の弱いやつだと思われていたかもしれません。知らんけど。

高校では料理部に入りました。
中学までよりは自分自身への理解も少し深まっていた頃なので、運動部が性に合わないことはわかっていたからです。
まだ文化部はダサいという風潮は色濃く残っていましたが、当時の私のキャラクターが完全なる陽キャで、それなりに目立つ生徒だったので、部活のことで陰口を言われたりハブられたりすることはなかったのが救いでした。

大人になってから、あるドイツに関する本と出会いました。
その本の中で印象に残った部活に関する記述が2つありました。

  • ドイツの部活は学校内にとどまらず、学校外の集まりに参加してもいい

  • 本気で大会を目指す生徒向けと、趣味で楽しむ生徒向け、その中間あたりの生徒向けなどニーズによって入部先を選択できる

この本を読んだとき、ずっと胸に引っかかっていたものがポロリと落ちたような気持ちになりました。
人それぞれニーズが違って当たり前なのに、日本ではなぜか「趣味で運動部を楽しむなぞ愚の骨頂」という文化があるんですよね。
ドイツのような考えをする場所があることを知り、やっと私の部活に対するモヤモヤが消えていきました。

今回は運動部に関する話ですが、似たようなことはこの他にも日本中にたくさんあります。
私はそういう同調圧力とは昔から相容れず、欧米にいる方がよほど自分らしくふるまえるのですが、その話を始めると長くなるので今回はやめておきます。

最後に、あの頃の自分にエールを送ります。

運動部だけがすべてじゃないよ。
あなたが適性を活かして輝ける場所は、他にもっとたくさんあるよ。
あなたは人並外れた継続力の持ち主だよ。
ひとりでもやり通す強い意志もちゃんと持っているよ。
まわりの言うことなんて気にするな!


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