中小企業診断士2次試験 H30事例Ⅱ考察
第 1 問(配点25 点)
B 社の現状について、 3C(Customer:顧客、Competitor:競合、Company:自社)分析の観点から 150 字以内で述べよ。
考察
顧客、競合については外部環境のため機会と脅威で整理、自社については内部環境のため強みと弱みで整理すべき
顧客:機会はインバウンド客の増加、脅威は昔なじみの客の減少
競合:機会は中心部にはB社以外に宿泊施設がないこと、脅威は駅前のチェーン系ビジネスホテル
自社:強みは和の風情がある庭園と文化的な香りを備えた館内、弱みは観光需要を享受できず収益性が低く、経営の先行きが不透明なこと
回答
顧客は、全体の8割が減少傾向にある昔なじみのビジネス客、2割のインバウンド客は増加傾向。競合は、駅前のチェーン系ビジネスホテルで、X市街中心部にはB社以外に宿泊施設はない。自社は、和の風情がある庭園と文化的な香りを備えた施設を持つが、X市の観光需要を享受できておらず収益性が低く経営の先行きが不透明。
AI回答
B社の顧客はビジネス客が中心だが、高齢化で減少し、和の風情を求めるインバウンド客が増加。競合は駅前のビジネスホテル2軒のみで、市街地中心部に宿泊施設はB社のみ。自社の強みは老舗旅館の歴史や芸術品だが、プロモーション不足で観光需要を享受できていない。Wi-Fi導入や外国語対応を進めたが、集客が課題。
改善点
顧客と競合の分析はほぼこれで過不足ないと思われる。
自社の強みは、和の風情というキーワードは入れたい。それを求めるインバウンド客が増加しているため。
第2 問(配点25 点)
B 社は今後、新規宿泊客を増加させたいと考えている。そこで、B 社のホームページや旅行サイトに B 社の建物の外観や館内設備に関する情報を掲載したが、反応がいまひとつであった。B 社はどのような自社情報を新たに掲載することによって、閲覧者の好意的な反応を獲得できるか。今後のメインターゲット層を明確にして、100字以内で述べよ。
考察
メインターゲットと、彼らがほしいB社の情報を繋げて書くには、ターゲット選定の時点で、何を求めるターゲットかを書く必要がある。今回は、和の風情を求めるインバウンド客。単にインバウンド客だと彼らが何を求めるかわからないので、掲載すべき自社情報との関連がなくなる。
回答
ターゲットは和の風情を求めるX市のインバウンド客。①館内に配置された海外でも有名な芸術家の作品、②和の風情がある庭園、③日本の朝を感じられる朝食とこだわりの器等を、日英表記で掲載し和の風情を訴求する。
AI回答
メインターゲットは、和の風情を求めるインバウンド客や国内観光客。館内に展示された芸術品の紹介、歴史的背景、文化的価値を発信し、日本の伝統的な宿泊体験ができることを強調する。また、日本の朝を感じられるこだわりの朝食も掲載する
改善点
メインターゲットに国内観光客を含めたことで、少し回答がぶれているような気がする。
ターゲットをインバウンド客に絞れば、「和の風情」でまとめることができるが、国内観光客を含めるとまとまりがなくなる。この結果、日本の朝を感じられる朝食がとってつけたような回答になっている。
第3 問(配点25 点)
B 社は、宿泊客のインターネット上での好意的なクチコミをより多く誘発するために、おもてなしの一環として、従業員と宿泊客との交流を促進したいと考えている。
B 社は、従業員を通じてどのような交流を行うべきか、100 字以内で述べよ。
考察
B社は創業当初からほとんど経営スタイルを変えていない、常連客に支えられていたから。しかしここにきて急遽社長交代、先行き不透明。一方で他業種はX市の観光需要を取り込んで高収益を上げている。B社に足りないのは外部資源であるX市の観光資源の活用。ここをおもてなしとして訴求することが、好意的口コミの誘発につながるのでは。
回答
英語が堪能な従業員を中心に、インバウンド客を対象としてX市の名刹、古刹巡りや商業地域での食べ歩きスイーツ、和菓子、伝統の祭の山車を引く体験などを案内することにより、好意的な口コミ、SNS投稿を誘発する。
AI回答
従業員がB社の歴史や芸術品の解説を行い、日本文化の魅力を伝える。さらに、英語堪能な従業員を生かし、外国人宿泊客への文化体験イベントを実施することで、心に残る体験を提供し、口コミの誘発を図る。
改善点
外国人宿泊客への文化体験イベントが何か、を書かないとアドバイスしたことにはならないと思われる。
B社単体の強みを訴求することに終始しているが、中小企業は一般的に自社資源に乏しいと考えられるため、外部資源を活用する方策を考えたい。
第 4 問(配点25 点)
B 社は、X 市の夜の活気を取り込んで、B 社への宿泊需要を生み出したいと考えている。B 社はどのような施策を行うべきか、100 字以内で述べよ。
考察
夜の活気を取り込むことと、B社の強み、機会の拡大と弱みのカバーをどう掛け合わせるか
B社の機会:X市街中心部には宿泊施設がない
弱み:最寄駅から距離があり、事前予約がない客が宿泊することがほとんどない
回答
施策は①飲食店、和装店、銭湯、劇場など他業種と連携した夜のX市観光プランを追加し予約客を増やす、②地域ボランティアと連携し、当日宿泊を希望する観光客にB社を紹介してもらい、事前予約のない客を取り込む。
AI回答
地域の夜間ライトアップや祭の魅力を発信し、宿泊客向けに夜の散策ツアーを企画する。また、館内で日本文化体験(書道、茶道など)を提供し、夜間の滞在価値を向上させることで宿泊需要を喚起する。
改善点
前段部分は良さそうだが、後段部分に無理がある。夜間に書道や茶道教室をやる?