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金利上昇、インフレ。持ち家か、賃貸か。
昨年、日本では17年ぶりに利上げが実施され、「金利がある世界」へ突入しました。また、世界的なインフレ圧力が根強く、日本では急速な円安の影響も重なり、さまざまなモノの価格が上昇しています。
このような状況下で、多くの人が最も躊躇するのがマイホームやマンションの購入ではないでしょうか。
私自身、2023年に新築の建売一軒家を購入しました。私が購入を決断したタイミングと現在とでは、わずか2年ほどしか違いませんが、経済情勢は大きく変化しています。しかし、検討したポイントについては、経済情勢に関わらず参考になる部分があると思います。そこで、これから数回にわたって、私の経験をもとに持ち家購入に関する考えやポイントをお伝えしたいと思います。
1. 持ち家購入を検討した背景
私が持ち家購入を考え始めたのは、2022年の夏頃でした。当時、私は妻と二人暮らしで、会社の家賃補助を受けながら築30年の3LDKアパートに住んでいました。しかしこのアパート、築30 年の鉄筋コンクリート造りとあって、色々問題がありました。
1. 湿気と断熱性
1階に住んでいたことも影響しているのでしょうが、とにかく湿気がひどく、夏になると湿度が60~70%に達しました。さらに、断熱性も低かったため、夏は暑く冬は寒い。エアコンも効きづらく、なかなかに住みづらい環境でした。
2. ガタガタの建て付け
築年数が経っていることもあり、窓やドアの建て付けがかなり緩んでいました。その結果、小さい羽虫が家の中に入り込み、常に家の中を飛び回っていました。
3. 家賃補助の打ち切り
会社の家賃補助が入居後数年で打ち切られ、家賃が倍近くになることが確定していました。「この環境に倍の家賃を払うのかよ…」という気持ちが、持ち家購入という決断を後押ししました。
2. 持ち家 VS 賃貸
アパートの問題を解決するためには、別の賃貸物件に引っ越す選択肢もありましたが、私は最終的に持ち家の購入を選びました。その理由を以下の3点にまとめます。
(1) 家賃と住宅ローンの比較
「家賃と同程度の住宅ローンを払うなら、最終的に資産として家や土地が残る持ち家の方が良い」とよく言われます。一方で、「建物は古くなり価値が下がるし、修繕費もかかるので賃貸の方が合理的」という意見もあります。
私の考えは、「場所を選べば、少なくとも土地の価値は維持できる」というものでした。2022年当時はコロナ禍後のインフレが進行しており、モノの値段が急上昇していました。つまり、お金の価値が下がっている局面で、それは現在も続いています。そこで、資産を現金より「モノ」で持つ方が良いと判断しました。
また、確かに建物は年々古びていってしまい永遠には住めませんが、土地に関しては都市部であれば価値を維持しやすく、場合によってはインフレで上昇する可能性もあるのではと考えました。
(2) 引っ越しのしづらさというリスク
持ち家は簡単に引っ越せないため、ご近所づきあいなどで問題があればリスクになります。しかし、私は「住む土地を慎重に選べばリスクを最小化できる」と考えました。都市部の新興住宅地であれば、似たようなライフステージの家族が多く、トラブルが起きにくい環境を期待できるからです。
(3) 家族が安心して暮らせる拠点
経済的なメリット・デメリットという議論からは離れてしまいますが、最終的には、家族が落ち着ける場所を作りたいという思いが決め手になりました。特に、子どもにとって「実家」と呼べる場所を用意したいという気持ちは、私と妻の間で一致していました。
3. 一軒家 VS マンション
持ち家の購入と一口に言っても、一軒家とマンションのどちらを選ぶかも諸説あるところです。私はもともと一軒家で育ったため、マンションを選択肢として考えることはほとんどありませんでした。一軒家 VS マンション論争については、私はあまり言えることがないのですが、私の姉は、「人生のライフステージ、子供の成長ステージによって住む場所を変えたい」という考えでマンションを選択していました。先述の通りインフレしていく世界において、ある程度駅近の物件であればリセールが期待できるという考えがあるのだと思います。
まとめ
この記事では、持ち家を購入する際に考えた背景と選択のポイントを紹介しました。購入を検討している方の参考になれば幸いです。