今年も素晴らしい作品にたくさん出会いました。その中でも印象的だったアルバムを選んでみました。私のコメントというよりかは、他の方やサイトの参考文献リストです。では、スタート👇
in alphabetical order
Adrianne Lenker - Bright Future 4AD エイドリアン・レンカーの音楽を聴いていると、図書館の本から古いラブレターを見つけたような気分になることがある。痛々しいほど直接的でありながら、同時にまったくミステリアスで、論理と物語の隙間に満ちている。 温かくひっそりとした部屋で少人数で作られた『Bright Future』は、Big Thiefと同じ庶民的な不思議さとオープンハートな激しさを表現しているが、やや静かなアプローチで、小川や黄昏、死んだ犬(「Real House」)、破滅的な関係(「Vampire Empire」)といったヴィジョンを、網戸越しに湿気が流れ込んでくるのを感じるほど鮮明に思い起こさせる。 彼女は、自分の声がゆれたりひび割れたりするほど傷つきやすく、しばしば破滅的な感情的主張を伝えるのに必要なだけそこにとどまることができるほど自信に満ちている。 “Just when I thought I couldn’t feel more/I feel a little more(これ以上感じられないと思ったとき/もう少し感じられる)”と彼女は「Free Treasure」で歌っている。 彼女を信じて。
Apple Music Amaro Freitas - Y'Y Psychic Hotline André 3000『New Blue Sun』、Shabaka『Perceive Its Beauty, Acknowledge Its Grace』、Kamasi Washington『Fearless Movement』、Amanda Whiting『The Liminality of Her』など、今年のジャズシーン(なんでもジャズと言うのはいかがなものかと思うが)も面白い。
アマーロ・フレイタス(p)の新譜きました!『Sankofa』(2021)で彼に興味を持ち始め、FRUEZINHOも行けなかったのが悔やまれる。今回はシャバカ・ハッチングス、ブランディー・ヤンガー、ジェフ・パーカーなども参加している。アンビエント要素も加わり、私としては嬉しかった。アナログ盤でのカッティングエンジニアはケヴィン・グレイが担当。
FRUEも行きたかったなぁ
◯柳樂光隆さんによるインタビュー記事
Anastasia Coope - Darning Woman Jagjaguwar 20年代のコンテンポラリー・フォークに風穴を空ける様な、物質世界を超えた絶壁から発せられる音楽。ニューヨークを拠点とするイベント・シリーズ〈Bonzo〉の創始者としても知られるブルックリン拠点の21歳のミュージシャン、Anastasia Coopeによるソロ・デビュー・アルバム『Darning Women』が名門〈Jagjaguwar〉よりアナログ・リリース。Trish KeenanやSu Tissue、Brigitte Fontaineといった80年代の前衛的なアート・ロックや中世の合唱団、教会の聖歌隊、コンテンポラリー・フォーク、50年代のハーモニーグループといった様々な過去の文化的試金石からのインスピレ0ーションを感じる、子守唄や童謡にも似た、ミニマルな民族音楽の様なAnastasia Coopeの音楽は、Coopeの表現力豊かで階層化されたボーカルに導かれて、スタッカートで奇妙なものへと歪んでいく、独特な魅力を醸しています。
Meditations BRIGITTE FONTAINEと中世のコーラスに教会の聖歌隊そしてCURRENT 93の'Earth Covers Earth'にCOSEY FANNI TUTTI...いやしかしここに新たなるオリジナルが鳴る。突如単独で現れたブルックリンの女性ANASTASIA COOPE。歴史は彼女を見逃さない2024年1stアルバム。
Big Love Records Anthony Moore - Mare’s Tail 1972年、ドイツはハンブルクで結成されたアヴァン・ポップバンド、Slapp Happyの創設メンバーであるアンソニー・ムーアが出したアルバム。
David Larcherが1968年に制作した同名実験映画のサントラである。オリジナルのマスターテープは消失していたため、映画フィルムの16mmオーディオトラックから復元されたとのこと。Bandcampで購入すべし。下北沢にある「Pianola Records」でLPが入手できる。
Ariel Kalma - The Closest Thing to Silence International Anthem 「春の雨 cafe & records」で紹介されていて知った。
その像がもたらす幻想性はジョン・ハッセルが提示した世界観(いわゆる“第四世界”)が根っこにあるのだろう。
春の雨 これでジョン・ハッセルを再度掘り始めた。
Arooj Aftab - Night Reign Verve ★第64回グラミー賞にて最優秀新人賞にノミネート、最優秀グローバル・ミュージック・パフォーマンス賞を受賞したことで一躍話題となったニューヨークのブルックリン在住のシンガー・ソングライター、アルージ・アフタブが満を持して、ついにVerveからのソロ・デビュー・アルバムをリリース。 ■2021年にインディでリリースしたアルバム『Vulture Prince』はピッチフォークから「アルージの力強い歌声は骨に染み入るほど深い悲しみに満ちている」と評され、大きな注目を集めた。このアルバムは文化的な変化への一助となり、南アジアの伝統音楽はより大きな現代音楽というフィールドに移行した。『Vulture Prince』はエルヴィス・コステロやオバマ元大統領からも多大なる評価をされ、グラミー賞も受賞、アルージはグラミー賞を受賞した初のパキスタン人アーティストとなった。 ■翌年Verveからリリースされた『Vulture Prince Deluxe Edition』では、Anoushka Shankarをフィーチャーした「Udhero Na」で第65回グラミー賞にて最優秀グローバル・ミュージック・パフォーマンス賞に2年連続のノミネート。さらに2023年にはヴィジェイ・アイヤー、シャザード・イズマイリーとのトリオ・アルバム『Love In Exile』をリリース。このアルバムでは第66回グラミー賞最優秀オルタナティブ・ジャズ・アルバム賞と最優秀グローバル・ミュージック・パフォーマンス賞の2部門でノミネート。 ■そしてついに注目のVerveからのソロ・デビュー盤が本作『Night Reign』。彼女のインスピレーションの源である夜への頌歌であり、彼女が故郷のニューヨーク・ブルックリンで育んできたクリエイティヴ・コミュニティを鮮やかに映し出している最新の”ブルックリン・サウンド”! ■参加ミュージシャンもVijay Iyer, Cautious Clay, Moor Mother, James Francies, Joel Ross, Chocolate Geniousなど超豪華! ■自身によるオリジナル8曲+スタンダード1曲の全9曲を収録。日常の可能性、静けさ、人生を変えるロマンスの吟遊詩人のような悲しい中にも力強いアル―ジ独自の歌声は本作の最大の魅力。 現代を代表する”声”の一人として最注目のアーティスト!
Disk Union Arushi Jain - Delight Leaving Records 前作『Under the Lilac Sky』はたしかUNCANNYによるインタビュー記事 で知った。PLANCHAのウェブサイト ものぞいてほしい。
Astrid Sonne - Great Doubt / EDITS Escho 昨年のML Buch『Suntub』も記憶に新しいが、今作はそれに近い音像。Pitchforkでは、Tirzah(R&B性)、Maria Carey(「Give my all」はマライアの「My All」をパラフレーズ、言い換えたもの)、Sade(スモーキーなアルト声)が例として挙げられていた。「Overture」ではBen Vinceがサックスを吹いていて、ECM風アーサー・ラッセルと評されていた。リミックス版の方は人選が素晴らしかった。
Beans - ZWAARD Tygr Rawwk Rcrds アングラヒップホップ集団、Anti-Pop ConsortiumのメンバーだったBeansの新作。なんとVladislav Delayがプロデュースしている。必聴!!
Bill Ryder-Jones - Iechyd Da Domino Recordings Co. 元The Coral のギタリストであるBill Ryder-Jonesの7thアルバム『Iechyd Da』。聴けば聴くほど沁みる。
◯Monchicon!さんのレビュー記事
Bingo Fury - Bats Feet for a Widow The state51 Conspiracy Ltd. 彼のことはEP『Mercy’s Cut』(2022)で知り、ついにLPがきた!Casanova.S さんによるレビュー もよかった。あと、Charles Haywardと話している動画 もなんかよかった。
Black Decelerant - Reflections Vol. 2 RVNG Intl. RVNG Intl. によるReflections シリーズの第二弾。Steve Gunn と David Mooreの第一弾がエバーグリーンな名盤だったため、第二弾を渇望した方も多いのでは。第一弾がオーガニック・サウンドであったため、本作を一聴した際、こう来たか!と唸った。まず、作者はサウスカロライナのContour (Khari Lucas)とオレゴンのOmari Jazzによるプロジェクト、Black Decelerant。双方、メロウで前衛なヒップホップ・グルーヴを得意とする。本作がデビュー作。このフック・アップも流石、RVNG 。 本作は、作者それぞれの過去作と比較すると、よりアンビエント的な価値観に重きを置いている印象を受ける。スピリチュアル・ジャズの要素も含有されながら。自由に伸びゆくトランペットの線描。新しい響きに満ちたアンビエンスな装飾。タイトルはBlack Decelerant、作者を覆うあらゆる定義や偏見のかたまりを、いとも簡単に溶解するような希望に満ちたエネルギーが伝わってくる。 マスタリングはStephan Mathieu。
春の雨 cafe & records Blue Bendy - So Medieval The state51 Conspiracy Ltd. サウス・ロンドンの6人組バンドの1stアルバム。こちらも同じく〈The state51 Conspiracy Ltd.〉からのリリース。なんのバンドだっけとお思いの方は、EP『Motorbike』のジャケを見れば、あぁこれかと思い出すかも。YouTubeでのライヴ映像 もおすすめ!
Bonny Light Horseman - Keep Me on Your Mind/See You Free Jagjaguwar Anais Mitchell、Eric D. Johnson、Josh KaufmanによるBonny Light Horsemanの3rdアルバム『Keep Me on Your Mind/See You Free』。〈Jagjaguwar〉からのデビュー作となる。アイルランドのバリーデホブにある100年以上の歴史を持つパブ、Levis Corner Houseで録音された。
Brittany Howard - What Now Island Records Alabama Shakesのメンバーでもあるブリタニー・ハワードの2ndアルバム。タワレコ渋谷で爆音でかかっていたのを聴いた時は最高だっただな。
「このアルバムは、実は問いかけのアルバムなんだ。 内観的な部分が多く、その中で、私にはこれまで問いかけるスペースも能力もなかったような質問に答えている」と、ブリタニー・ハワードはアラバマ・シェイクスのシンガー・ギタリストのセカンド・ソロ・アルバム『What Now』についてApple Musicに語っている。 「私はいつも忙しくて、走り回っていて、ツアー中で、あれこれ準備していた。 今回は、自分の小さなデモルームで曲を作るときに、“誰もこれを聴くことはないだろう”と自分に言い聞かせたの」 もちろん、人々はそれらの曲を聴くことになるだろうが、その考え方はハワードが勇敢な新しい視点から曲を書くのに役立った。 2019年の『Jaime』でやったように、彼女は個人的な歴史と導く哲学に無防備に飛び込んでいくが、今回は楽器の選択がこれまで以上に大胆で意外なものになっている。 「Power to Undo」は、アルバムの中心テーマを示すフォーク・ロック・チューンだ。 “You have the power to undo everything that I want/But I won't let you(あなたは私が望むすべてを元に戻す力を持っている/でも私はそうはさせない)”と彼女は歌う。 それが明らかになると、曲はスクラッチしたギターと荒々しいドラムを中心にしたアシッド・ファンクのフリークアウトへと降りていく。 「Power to Undo」は、実は自由についての曲なの」と彼女は言う。 多くの人が、“私はそれをすべきではないことを知っている。 この方向に進み続けなきゃいけないってわかってる”。 この曲は、ただあなたを追い詰めているもの、そしてあなたは、“いや、あなたは私を捕まえるつもりはない、私は方向を変えるつもりはない”という感じなの」 他にも「Prove It to You」では、ハワードがゴージャスなシンセサイザーとダンスフロアのようなドラムのグルーヴで、アフターアワー向けの曲を作っている。 ハワードが一躍有名になったルーツ・ロックからは最も遠い作品だが、『What Now』の創造的なリスクは、アーティストが過去の成功を再現することよりも、ミューズに従うことに興味があることを示唆している。 「私は常に拡大し、進化し、新しいことに挑戦している」とハワードは言う。 「クリエイティブな人間でいることの醍醐味はそこにある」
Apple Music Bruno Berle - No Reino Dos Afetos 2 Far Out Recordings ブルーノ・ベルリの2ndアルバム。11/7には東京公演に行ってきた。写真はInstagram にあげました!
Bullion - Affection Ghostly International ロンドンを拠点にするソングライター/プロデューサーのBullionことNathan Jenkinsの新作。Panda Bear、Carly Rae Jepsen、Charlotte Adigéryなどが参加している。これもなかなかに私的スルメアルバム。
Bullionは、エレクトロニック・ミュージックの不朽のカルト的存在、Nathan Jenkins。アーティスト、ジャンル、そしてUKサブカルチャーをつなぐプロデューサーであり、ソングライターでもある。Carly Rae Jepsen、Ben Howard、Nilüfer Yanya、Avalon Emersonのブレイク・アルバム『& The Charm』から、WestermanやJovialeのレコードまで、彼の手掛けた作品は多岐にわたる。
PLANCHA Cassandra Jenkins - My Light, My Destroyer Dead Oceans 何回聴いたかわからない。前作『An Overview on Phenomenal Nature』(2021)からもう3年の月日が経ったのか。Apple Musicではロスレスで聴けないので、Bandcampで購入し、ダウンロードした。
Céu - Novela Urban Jungle Records 昨年、MPBで一番好きだったのはZé Ibarra『Marquês, 256』。今年はコレになりそうだ。そういえば、Milton NascimentoとEsperanza Spaldingの共作は良かったけど…って感じじゃなかったですか?
Chanel Beads - Your Day Will Come Jagjagwuar Big Love Recordsで知った彼。NYを拠点とするShane Laversによるプロジェクト。Maya McGroryがヴォーカル、Zachary Paulがヴァイオリンで参加している。聴きやすいエクスペリメンタル。
Chat Pile - Cool World The Flenser Chat Pileのニュー・メタルと90年代アンダーグラウンド・ロックのドロドロしたミックスは目新しいものではないが、他の時代にこれほど心地よく存在していたとは想像しがたい。その理由のひとつは、別の時代なら越えられなかったであろう文化的な境界線を、彼らが進んで越えているからだ: 例えば、Pere Ubu(「Camcorder」)のような面白くてポストパンク的なシュールさを持つバンドと、Korn(「Funny Man」)のようなシングル・エンタメ的な悲惨さを持つバンドに同時に忠誠を誓うこと。メタルがあるレベルにおいてギター・カントリーであるとすれば、Chat Pileはリズムセクションに確固たる地位を築いている。リズムセクションは、窓の外に広がるアメリカ中部の電線や採掘された丘のようにゴロゴロと音を立て、逃れられない。これほど人間嫌いの連中は、昔は社会的負債(少なくとも両親や教会のユース・グループにとっては危険な存在)とみなされていたかもしれないが、今では自分の部屋にこもって、自分たちが破滅していることを知っている世界についてのミームで大食いすることに満足しているようだ。 「Tape」がここでのピークなのは、最もハードだからではなく、このようなバンドにとってファンクがどんな意味を持つにせよ、最もファンキーだからだ。疎外感を忘れて、彼らは笑っている。
Apple Music Cindy Lee - Diamond Jubilee 今年のベスト出てしまったかもしれない。アルバムはコチラ からダウンロードできる。Womenの『Public Strain』聴いてたなぁ。友人がこのLPを買ってくれた。バレンタイン・デイに渡してくれ。
Civilistjävel! - Brödföda FELT Perko のレーベルから新作が到着。アンビエント/ ダブ 周辺だとPerkoはシーンの中心にいる。 作者はスウェーデンのCivilistjävel!。とても素晴らしい。ダブ/ アンビエントが一貫しながら、トライバルや前衛の姿勢がいい要素になっている。こういうダブ/ テクノの高揚とアンビエントの酩酊感が合わさると痺れてしまう。
春の雨 cafe & records 明大前に「dodd」というお店があるが、そこで流れていそう。
Clairo - Charm 1stのプロデューサーはRostam Batmanglij Ji Vampire Weekend)、2ndはJack Antonoff、そして今回はLeon Michels (EI Michels Afair)。
Contour - Take Off from Mercy Mexican Summer 1st『Onwards!』に続き、また素晴らしいアルバムをドロップしてきた。下のライヴ映像もよき。
CS + Kreme - The Butterfly Drinks the Tears of the Tortoise The Trilogy Tapes HTRKやBlanck Massの作品にも参加しているConrad Standishと、F Ingers (Carla dal Fornoも在籍!!)のメンバーであったSam Karmelによる豪州・メルボルン拠点の人気ユニット、CS + Kremeによる最新作『The Butterfly Drinks The Tears Of The Tortoise』が、Will Bankhead主宰のロンドンの名レーベル〈The Trilogy Tapes〉よりアナログ・リリース!日本とインドネシアからはKAKUHANの中川裕貴と、TarawangsawelasのTeguh Permanaも各1曲ずつゲスト参加。幻想的な冬の情景を優しく喚起させる親密で珠玉なドリーム・フォーク"Corey"、〈Raster-Noton〉直系なグリッチ・エレクトロニカによる幻景と近未来的なシンセ・スケープが美しい"Master Of Disguise"、不協和音の旋律と共に螺旋する天上的ポスト・クワイア"Uki"に至るまで、冬化粧とそれらを覆う透明な空気に包まれた、耽美なエレクトロニック・サウンドを織りなす全8曲を収録。Rashad Beckerによるマスタリング&カッティング仕様と盤質も万全!
Meditations 11/7の東京公演も行きたかったなぁ。その日はブルーノ・ベルリのライブを観に行っていた。
CS + Kremeのポスト より 古い話で申し訳ないのですがバンドDEVASTATIONSのメンバーであったという時点で信用できると話す人間はこの地球上に6人もいないかもしれませんがそんなCSことConrad StandishはHTRKのJONNINE STANDISHの旦那さんであり彼女の多くの作品にも参加、そしてCARLA DAL FORNOもメンバーだったBlackest Ever BlackのF INGERSのメンバーでもあったKREME=Sam Karmelのふたりによる最重要デュオCS + KREME、もちろんWill BankheadのTTTよりの待望の2024年アルバム。
Big Love Records cumgirl8 - The 8th Cumming 4AD 続けて3回聴いた
Daudi Matsiko - The King of Misery Really Good GILLES PETERSONや、LAUREN LAVERNEら大物からの熱烈な支持で今最も注目を浴びる、ウガンダ出身のイギリス人フォーク・アーティスト、DAUDI MATSIKOのデビューアルバム! 自身のうつ病、双極性感情障害、人種的なトラウマとの闘いを生々しく見事に探求した作品で、「罪悪感から感謝へ」と感情の移り変わりを表現しているとのこと。M. WARDにも通ずる囁く様なヴォーカルがシンプルながらも洗練された楽曲、アレンジと共に心にジンワリと染み入る様。随所にジャズ、エクスペリメンタルな要素を溶け込ませた現代的なアプローチを見せつつもオリジナリティーを感じさせる音像は秀逸。2024年大注目のシンガーソングライターの記念すべきデビュー作、絶対に要チェックでお願いします!
ディスクユニオン Dora Morelenbaum - Pique Mr Bongo アナ・フランゴ・エレトリコがプロデューサーを務めている作品。以前、アナが来日したとき、タワレコ渋谷でインストアライブをしていた。そこにドラもいて、歌声を生で聴けた。改めて来日公演をしてほしい。ちなみにM6「Caco」ではZe Ibarra(ゼ・イバーハ)がコンポーザーとしてクレジットされている。
The Drin - Elude the Torch Feel It Records The Drinは、4枚目のアルバム『Elude the Torch』で、独自の魅惑的な音の世界にさらに踏み込んだ。 2021年以来、シンシナティのこのグループは、年に1枚、印象的なオリジナル・アルバムをリリースし、ドライヴ感と残響のあるリズムでエーテルに近づいている。The Drinの現在のセクステット・ラインナップは、ルーズでありながら集中力があり、威厳があるという新たな境地に達している。サックス、シンセサイザー、パーカッション、ストリングス、不透明な環境の深い層が『Elude the Torch』で揺らめく感情をかき立て、D・マッカートニーの曖昧な言葉遣いと重苦しい予感がロックンロールの濁りの中に風景を描き出す。
Bandcamp Eiko Ishibashi - Evil Does Not Exist 映像と音楽の融合の最高峰ではないか
Elephant9 with Terje Rypdal - Catching Fire Rune Grammofon Elephant9は、2008年のアルバムデビュー前からライヴの強豪としての評判を確立し、その後6枚のスタジオアルバムと、2019年には2枚組のライヴアルバム『Psychedelic Backfire I』と『Psychedelic Backfire II』をリリースしている。両アルバムが絶版となっている今、『Catching Fire』は彼らのディスコグラフィに最も歓迎すべき追加作品だ。2017年にオスロで行われた注目のコンサートで録音されたもので、リプダルはこの年の後半に70歳を迎える。 『Catching Fire』は、マハヴィシュヌ・オーケストラ、ELP、キング・クリムゾンなどの名作ライヴ・アルバムと共通点を持ち、特にエネルギー・レベルや手つかずの激しさを感じさせる。とはいえ、特に22分のオープニングでは、氷河のようなメロディラインがトレードマークとなっている。リード・アクション、激しいリズム・ワーク、アブストラクトなアクロバットなど、ライプダルは終始絶好調だ。テリエ・リプダルの主な作品は〈ECM〉とのもので、最初はヤン・ガルバレク・カルテットのメンバーとして(『Afric Pepperbird』1970年)、そして初のソロアルバム『Terje Rypdal』(1971年)を発表している。ストーレとテリエは、30年近くにわたってスタジオでもステージでもギタリストの“右腕”であったことから、共通の音楽的理解を持っている。トースタインとニコライは、最もソリッドなリズム・セクションであり、フィネスとパワーを併せ持つ、油の乗ったエンジンである。 ライナーノーツ:デヴィッド・フリック
Bandcamp Fat Dog - WOOF. Domino Recording Co. そこのけ、そこのけ、お犬が通る。ワフ!
Faye Webster - Underdressed at the Symphony Secretly Canadian 何回か聴いて、「これ、いいじゃん」ってなった。これが気持ちいい。
Faye Websterの5thアルバムは、アトランタのソングライティングの天才が持つずる賢く移り変わる美学に完全に浸ることができる作品だ。 音色はより豊かで深みを増し、アレンジは巨大な肺のように膨張し呼吸する。 ウェブスターのジャンルを超えたアプローチは、アトランタの破滅的なヒップホップ・クルー、オーフル・レコーズとの初期の付き合いから、過去には少し誇張されていたかもしれないが、『Underdressed at the Symphony』ほど彼女の音の遊び心が存分に発揮された作品はない。 スリンキーでフルートが散りばめられたR&Bは、豪華なカントリー・ポップや50年代のソックホップ・ロックのグランジーなフリップと対峙している。長年の友人でありラップのカメレオンであるリル・ヤッティが「Lego Ring」で飛び出し、ウィーザー風のチャグからスペイシーでアストラルなサイケ・ロックへと2人はスイッチオフする。 別れを経験した後に書かれ、レコーディングされた『Underdressed at the Symphony』のリリックには、ウェブスターのトレードマークとなった、感情的な親密さとストレートなユーモアが混在している。 彼女はシンプルな感情(「Thinking About You」、「He Loves Me Yeah!」)に力強さを見いだし、スパースなハイパーポップ「Feeling Good Today」では、日常生活を送る上でのささやかな喜びを詳述している。 「昔は自意識過剰だった/まあ、今でもそうなんだけど/ただ、その理由を突き止めるのが上手になっただけさ」とウェブスターは、Wilcoのギタリスト、Nels Clineをフィーチャーした数曲のうちのひとつ、「Wanna Quit All the Time」の瑞々しいギターの上で反芻している。 『Underdressed at the Symphony』は、魅惑的な音楽であると同時に、魅力的で個人的な音楽でもあり、宇宙的な親類であるキャス・マッコームズと同様に、本当に何でもできることを証明することにますます熱心になっているアーティストを象徴している。
Apple Music Feeling Figures - Everything Around You K 一聴して速攻好きになったアーティスト
カナダモントリオールのインディロックカルテットFeeling Figuresの2ndアルバム。真のアンダーグラウンドミュージックをリリースし続ける私的大偏愛大尊敬レーベル〈K〉印が炸裂、ローファイかつDIY魂溢れるロック、パンクソングラッシュでとりわけ"Imagine Nations"、”The Falcon”、"Social Anatomy"が最高。持たざるものは失う物も無い型ロックバンドの最上クラス。Yo La Tengo、Parquet Courtsファンも必聴の11トラック。
Alffo Records Fievel Is Glauque - Rong Weicknes BLANCHE BLANCHE BLANCHEやBIG FRENCHといった傑作バンドにて暗躍した鬼才Zach Phillipsがベルギー在住のシンガーMa Clémentと結成したバンドFIEVEL IS GLAUQUE、Fat Possumとサインしリリースされた2024年アルバムは、ZachのDIYとインディペンデント・スピリッツの集大成と思いきや、さらにインディ経由のフェイク・ジャズと思いきや、それは全て私の思いきやだったのだが、そんな浅はかな知ったかぶりインディおじさんの脳天を冒頭曲 "Hover"の展開とコーラスワークでブチ抜きおじさんは死に際にこう言った。『他の曲もサビメロの決め方最高じゃん...』そうだ、君はそうやって孤独死したまえ。だが私は死なん!といった君になれ。とZachは言っている。はずはないのだが彼はとにかく全てを理解しこの2020年代にこの盤を放った。としか私は思えん。そしてやはり生きる。もっと生きる!と道端で叫んだら今どきはすぐ捕まるので家でこのレコードを聴くのがナイス。
Big Love Records Frederik Valentin - ROCK N ROLL WILL NEVER DIE Year0001 フレデリック・ヴァレンティンの新作。最高!!!
LPの裏ジャケ Fur Trader - Whose Dream Is This Against All Odds Records ファー・トレイダーの新作。とてもメロディアスで、もうすでに口ずさめる。
Fuubutsushi - Meridians Cached.Media 実に素晴らしい。是非聴いていただきたい。M. Sage が率いるアンビエント・ジャズ・カルテット、Fuubutsushi。長らくLP化を熱望されていたが、この度、新作を初LP化。限定クリア盤。ポスター/ DLコード/ ステッカー付属。 ピアノ/ サックス/ ヴァイオリン等のアコースティックな連なり。柔らかく、軽やかな肌触り。季節の到来を告げるような風の煌めき。まさにアンビエント・ジャズ・シーンの金字塔。
春の雨 cafe & records Gastr Del Sol - We Have Dozens of Titles Drag City Geordie Greep - The New Sound Rough Trade 衝撃のインスタライブから、ソロでどんなアルバムが来るか楽しみとともに寂しさがあったが、案の定black midiしててとてもよかった。映画『アンダーグラウンド』に小走りで登場する楽器隊のような雰囲気が好き。
Giovanni Di Domenico, Pak Yan Lau, John Also Bennett - Tidal Perspectives Editions Basilic ジョヴァンニ・ディ・ドメニコ、パク・ヤン・ラウ、ジョン・オルソー・ベネットによる作品。
『Tidal Perspectives』は、ジョヴァンニ・ディ・ドメニコ、パク・ヤン・ラウ、ジョン・オルソー・ベネットによるアルバム。 ベルギーのブリュッセルで午後にレコーディングされたこのアルバムは、ローズ・ピアノ、陶器、バス・フルートの波紋のような錬金術が4つのパートに分かれており、現代音楽界で活躍する3人の個性的な声の稀有な出会いが、大海の潮の満ち引きのように無理なく流れていく。 ジム・オルーク、石橋英子、坂田明らとアルバムをリリースしてきた熟練の作曲家であり、多作なコラボレーターでもあるジョヴァンニ・ディ・ドメニコは、ベルギーのサン=ジルで開催されたレコードフェアで出会った2人が、型にはまらない音の組み合わせへの探究心を共有したことから、ベネットとのコラボレーションを開始した。ベルギー生まれのサウンド・アーティストであり、独自の豊かな音の足跡を築いてきた即興演奏家でもあるパク・ヤン・ラウとともに、トリオは事前にほとんど打ち合わせをすることなくスタジオに入り、先入観のない構成ですぐに演奏に飛び込んだ。 出来上がったレコーディングは、彼らも驚くような音の深みと感情的な響きを持ち、完成した作品は1回のライヴテイクとわずかな編集から生まれた。 ソロ活動やクリスティーナ・ヴァンツォとのCV & JABとしてのコラボレーションで知られるベネットは、ここで彼のバス・フルートを自由な形で聴かせてくれる。コンセプトに縛られることなく、ディ・ドメニコが奏でるローズのメロディックな煌めきを楽しげにのんびりと跳ね返すベネットは、フルートの音程情報を使ってロング・トーンの引き金を引き、低く垂れ込めた雲を突き抜ける光線のように現れる。 一方、ラウはプリペアード・ピアノ、生ハイドロフォン、特注のセラミック・サウンド・オブジェで、パチパチと時に不協和音を奏でながらトライアングルのバランスを取り、小宇宙的な陰謀の感覚を加えることで、音楽が心地よい瞬間と霧のような不確かさの間をシームレスに行き来できるようにしている。 アルバムのタイトル・トラックであり、クライマックスでもある18分の「Tidal Perspectives」は、ディ・ドメニコのローズとベネットのバス・フルートが描く水平線のすぐ向こうに、ラウのきらめく音色の波がエッジを効かせながら、ある種の透明感をもって漂ってくる。しかし、タイトルの由来となった大西洋の潮の流れのように、何が起こっているのか理解し始めたときには、潮の流れはすでにあなたを海へと連れ去ってしまっている。
Bandcamp Hania Rani - Nostalgia Gondwana Records ハニャ・ラニによるライヴ盤。ニルス・フラームのライヴ盤『Tripping with Nils Frahm』と同様、やはりクラシカル・クロスオーバー界隈のライヴ作品は一味違ってアガる。来年2月には来日公演も決まっている。行かなければ。
Hayden Pedigo - Live in Amarillo, Texas ヘイデン・ペディーゴによるライヴ盤。昨年、Big Love Recordsの仲さんが、彼の『The Happiest Times I Ever Ignored』を推していた記憶がある。
High Vis - Guided Tour Dais Records 2016年の結成以来、ロンドンのHigh Visは、ポスト・パンク、ブリット・ポップ、ネオ・サイケデリア、さらにはマッドチェスターのグルーヴの色合いを取り入れたプログレッシブ・ハードコアのパレットを着実に磨き上げ、フックと激情、メロディとモッシュ・ピットの中間を描いてきた。 シンガーのグレアム・セイルは、彼らのサード・アルバム『Guided Tour』を、相反する力の軸だと表現する: “希望に満ちたレコードであると同時に、煽情的でもある”。 ドラマーのエドワード・'スキー'・ハーパー、ベーシストのジャック・マンカスター、ギタリストのマーティン・マクナマラ、ロブ・ハンマーレンらによって構成されたこのバンドは、イギリスとアイルランドのDIYハードコア・シーンに深く根ざし、落ち着きのなさと正しい怒りに等しく触発されながら、地に足をつけながらも成長を続けている。セイルが言うように、「誰もがスクラッチをしていて、いつも働いていて、彼らの考えるリラックスとは、ただファックして現実逃避することだ。このアルバムはそこからの逃避なんだ」。 タクシーのドアがバタンと閉まり、車のエンジン音が鳴り響き、バギーなリズムがスウィングする冒頭の数秒から、『Guided Tour』は新たな高みを目指すバンドの、エネルギーに満ち溢れたサウンドだ。プロデューサーのジョナ・ファルコとエンジニアのスタンリー・グラベットとともにロンドンのホーリー・マウンテン・スタジオで数週間かけてレコーディングされたこの曲は、ダイナミックでダイヤル・インが効いた、汗と反復によって感覚の記憶に焼き付けられたアンセムのような仕上がりになっている。 ハーパーは本題に入る: 「僕らには明確なアイディアがあった。 60歳を過ぎたら、ドラム・サウンドをじっくりと作り上げることができるかもしれない」 このアルバムの11曲は、経験、仲間意識、社会的不満によって研ぎ澄まされた、現代のギター・ミュージックのスペクトラムにまたがっている。闊達なストリート・パンク(「Drop Me Out」、「Mob DLA」)から、ジャカジャカしたインディの卑屈さ(「Worth The Wait」、「Deserve It」)、ヘヴィーなオルタナ(「Feeling Bless」、「Fill The Gap」)、シューゲイザー調のスポークン・ワード(「Untethered」)まで、グループのケミストリーは、どんなスタイルも彼ら独自の激しさに変換する。 セイルは、この進化する融合を支持している: 「何年もの間、ハードコア出身の僕らには明確な境界線があって、他のシーンは別の世界だった。ハードコア出身の僕らには明確な境界線があった。 ハーパーが大好きなハウス、ガレージ、海賊ラジオにインスパイアされたダンス・パンク・アンセムである「Mind’s a Lie」ほど、この思いが大胆に表現されている曲はない。サンプリングされた女性ヴォーカル(サウス・ロンドンの著名なシンガー兼DJ、エル・マーフィーによる)のスタブが、低音のベース、緊張感のあるドラム、きらめくギターからなるカミソリのようなリズムに乗ると、セイルの毅然とした声が厳しい真実を吠え始める(「Face to face with all I've known / I can't call these thoughts my own」)。突然のブレイクダウンの後、トラックは再編成され、飛び立ち、キメるギターとマーフィーの上昇する声の靄の中を、ストリートからどこか彼方へと地平線へとクルージングする。
Bandcamp Jessica Pratt - Here in the Pitch 〈City Slang〉 前作に引き続き、めちゃくちゃ好き。こういう、どっかの国のラジオから流れてきそうな音楽が好き。若干の無国籍感というか。今回のAOTYに順位を付けるとしたら、私の中で本作とCindy Leeが同率1位かもしれない。
John Also Bennett - Music for Save Rooms 1 & 2 Editions Basilic John Also Bennett(JAB)の『Music for Save Rooms 1 & 2』は、ビデオゲームのマップ内の一時的な安全空間である“セーブルーム”のために、無限にループしたりモーフィングしたりするミニマル・ミュージックを2巻にまとめたものだ。マルチメディア・アーティストであり、ベネットの頻繁なコラボレーターでもあるピーター・バー(これらのアルバムに収録されている曲のいくつかは、当初このアーティストのために作曲されたものである)に刺激され、サンフランシスコのすぐ北にあるマリン・ヘッドランズにある元軍用納屋で過ごした1週間が、作曲の主なきっかけとなった。人里離れた誰もいない納屋で、ベネットは何日も一人で延々とループを作曲し、フェイジングのテクニックを試し、周囲の雰囲気と融合させた。 11曲以上の作曲のための基礎が築かれ、そのうちのいくつかはその時点で完成していた。しかし2020年初頭、パンデミックによるツアー中止と払い戻し不可能な航空券に直面したベネットは、完成した2つの「Save Room」作品に加え、アルヴォ・ペルト(Arvo Pärt)の「Spiegel im Spiegel」のシンセサイザー・バージョン、「Still Inside the Deku Tree」、近藤浩治の『ゼルダの伝説』のクラシック・スコアを参照したアルト・フルート作品とライブの定番曲など、さまざまな未発表の断片を含む『Music for Save Rooms』の未完成版をデジタル・リリースした:そして、バーチャル・ジャスト・イントネーション・ピアノとDX7のための作品「Utopia and Oblivion」。ベネットは、『Music for Save Rooms』(現在は『Music for Save Rooms 1』)の確実なミックス、マスタリング、エクスパンデッド・エディションと、マリン・カウンティでのオリジナル・セッションから直接生まれた新曲の完全実現アルバム『Music for Save Rooms 2』をここに発表する。 Yamaha DX7、Roland D-50、JV1080のためにほぼ独占的に作曲された『Music for Save Rooms 2』は、前作とは異なり、静止というテーマを中心としたバラバラの作品集ではなく、よりまとまりのある物語を提示し、前作の長尺の作品に比べ、短いトラックで構成されている。オープニングの「Sky Music」は、音と同じくらい静寂を含んでいる。「Power Plant」のグリッサンド・ヴォーカル・パッドと深いパーカッション・ヒットは再生空間を作り出しているようであり、「Out Back」と「Ambling」はどこか遠く、霧のように回想される限界の場所を暗示している。 「ガラスの城」は、イアニス・クセナキスによって開発されたチューニング・システムを利用し、ガラスのハーモニカの音色と壊れやすいヴォーカル・パッド、華やかなピアノ・モチーフと不協和音のピアノ・モチーフが交互に組み合わされている。 何年もかけて本質的な部分だけに絞り込まれた『Music for Save Rooms 2』は、私たちの集合意識という開かれた世界の奥深くにある、とらえどころのない場所を探し求めるアーティストの心象風景を描いた作品だ。
Bandcamp Joseph Shabason, Nicholas Krgovich & M. Sage - Shabason, Krgovich, Sage Idee Fixe Records シーンにうねりをもたらすであろう新作が登場。200部限定、カラー (Bone Vinyl) 盤。作者は今回初めての組み合わせの三人、この三角形が絶妙なバランスだ。まず一人がアンビエント・ジャズのシーンにおける第一人者、Joseph Shabason。Jon Hassellが提唱した”第四世界”のような抽象性をもたらす。二人目、Nicholas Krgovich。詩的に淡いボーカルワーク。過去にもShabasonと共作したきた阿吽の呼吸を見せる。時折見せるギターやField rec. による装飾は三人目、Fuubutsushiのメンバー、M. Sage。ソロ作でもアンビエント・シーンにおける存在感は非常に大きい。この三人による期待作、新しい季節が来たように胸が踊る。
春の雨 cafe & recordsより Jonah Yano - Jonah Yano & The Heavy Loop Innovative Leisure 矢野ジョナと永劫回帰。先行で出ていた「Romance ESL」は今年のベストイントロといえる。来年の来日公演が待ちきれない。
Kacy Hill - BUG Mochi Headquarters, Inc. under exclusive license to Nettwerk Music Group Inc. Nourished by Timeが客演で出てることからも分かるように、そういう音楽たちが聴ける。初期お尻ジャケはアナログ盤に採用されたそう。Sped Up Ver.とSlowed Ver.もあがってた。
前作でバーンアウトした私は、ほとんど意図せずにこのアルバムを作り始めた。それまでは未完成のアイデアをのんびりと作ったり、新しい人たちといじくりまわしていたのだが、今の家に引っ越して庭を作り始めてから、考え方が大きく変わった。 種が食べられる野菜になるのを見て、生命に対する真の驚きとつながりを感じ、同じ好奇心と感謝の気持ちを持ってこのアルバムの制作に取りかかった。
Bandcamp The Last Dinner Party - Prelude to Ecstasy 驚。Horsegirlをも超えるほどの最高のデビューアルバム。
Laura Marling - Patterns in Repeat 歴史に名を残すであろうSSWの新作。マザーフッド。
Mabe Fratti - Sentir Que No Sabes Unheard of Hope グアテマラのチェロリストMABE FRATTIによる2024年アルバム。DEAN BLUNTが築き上げたスモークの世界観を切り裂くJOANNE ROBERTSON、ML BUCHの見えないシーンに柔軟したシンクロ後のど真ん中へ。それは意味もなく優しく意味を知ろうとすると時折きっと恐ろしく、まるで人間のような音楽だと混乱する全13曲。
Big Love Records Mall Girl - Pure Love Jansen Records オスロのトリオによる2ndアルバム。
Bethany(v)とIver(g)が“ミッドウエスト・エモ”と“複雑なギターリフ”に目覚めたのは昨年のことだった。 “Big Thiefのライヴを観たばかりで、Adrianne Lenkerが私の音楽脳に新しい道を開いてくれたような気がした。 『Dragon New Warm Mountain I Believe In You』を1ヶ月くらい繰り返し聴き、IverとVeslemøy(d)に「Simulation Swarm」のリフを同じように何度も聴かせた。 新しい曲を書くプロセスが始まったのは、たぶんそれと同じくらい何度もだった”
Bizarre Meril Wubslin - Faire Ça Bongo Joe https://x.com/_meditations_/status/1768244439451898078?s=46&t=tauDZI8NCJJ24DX2XKDrbA
Milan W. - Leave Another Stroom Mk.gee - Two Star & The Dream Police 最高、帯付きアナログ盤をBig Love Recordsにて購入!早く来日してほしい
Moin - You Never End AD 93 Molly Nilsson Un-American Activities DARK SKIES ASSOCIATION モリー・ニルソンのnthスタジオ・アルバム「Un-American Activities』。作家、詩人、そして1930年代ドイツの国家社会主義政権に対する初期の反対者であったライオン・フォイヒトヴァンガーとその妻マルタの旧宅で、全曲カリフォルニアで書き下ろされ、レコーディングされた。このアルバムは、実験とジャンルの融合、そして何よりもニルソンの一目でそれとわかるメロディックな技巧と共感が詰まったもので、権力、自由、抑圧、そしてそれに対抗する力、束縛されない愛についてのソングライターの探求を続けている。 Villa Auroraが提供するプログラムの一環として「アーティスト・イン・レジデンス」を受け入れた後、ニルソンは新しい環境でゼロから新しいアルバムを作り始めた。出来上がった作品『Un-American Activities』は、ナチス政権からいち早く「国家の敵」とされたアーティストへのラヴ・ノートであると同時に、彼が戦った永遠の闘争と、ニルソンの最高傑作を貫く人間の精神へのラブ・ノートでもある。この作品はまた、ニルソンの一時的な養子国であるアメリカが振りかざす新たな抑圧への批評であると同時に、アメリカが常に提供しながら決して果たさない約束への認識でもある。『Un-American Activities』のアートワークにおける斬新な色彩と写真の使用とともに、モリー・ニルソンの音楽キャリア16年目にして、その音楽には新しいテクニック、ジャンル、音色がふんだんに盛り込まれている。 「On Jackboots Return」は氷柱のように冷たいニュービートのトラックで、ドイツの現状とナチス系AfD<ドイツのための選択肢)の復活を直接的に扱っている。この曲が問いかけているのは、私たちが話している時間枠は何なのかということだ。30年代なのか、それとももっと身近な場所なのか。このビートは、二ルソンがハウス・ミュージックに深く傾倒し、90年代初期のレイヴのパイオニアやベルギーの80年代音楽、Vogue時代のマドンナを想起させる「The Communist Party」でピックアップされている。「The Beauty Of The Duty」は、ニルソンの前作「Extreme』がメタルに施したように、エレクトロに施したものだ。これはモリー・ニルソンの美学に包含する。ハードだ。 「Uh-American Activities」では、ニルソンが実験的な試みを行ない、直感的な音楽を第一に考えて創作している一方で、モリーの「古典的な」瞬間も随所に散りばめられている。「Excalibur」は昔のモリーのようで、コーラス・リフレインの絶対的なスターがファズと希望のワセリンで汚れているように感じられるし、「Red Telephone」は目を見開き、リバーブとコーラス・エフェクトをかけまくり、高鳴るメロディで歪ませ、進化する波のたびに体を天へと引き上げる心揺さぶる曲だ。 光り輝くデジタルの音色がアルバムに流れ込み、二ルソンが「Wetchecks」への大胆な星条旗の引用をしたときに、Y2K的な幽玄さを与えている。共感と連帯感にあふれ、「オズの魔法使い』に登場する古典的な社会主義者作のカノン・ソングを引用することで、希望に満ちた心で抑圧と闘うという伝統に直接語りかけている。(Bandcampの文章を抄訳)
more eaze & Kaho Matsui - Computer and recording works for girls Full Spectrum Records 今年、more eazeは4作品に関わった。その中でもこのアルバムが頭に残った。他にも、『lacuna and parlor』もよかった。
〈Full Spectrum Records〉は、松井夏帆とmore eazeによる万華鏡のような不思議なコラボレーション『Computer and Recording Works for Girls』を発表する。 これらのアーティストにはほとんど紹介する必要はないだろう。 一方、松井はここ数年、フィラデルフィアの自宅からエモ・アンビエントの連続体に至福の溝を根気よく掘ってきた。 2023年の終わりが近づいた頃、主にmore eazeのニューヨークのアパートで録音されたこのアルバムは、一連のシングル・テイクの即興演奏をオーバーダビング、アレンジ、編集し、ギター、コンピューターで加工されたファウンド・サウンド、シンセサイザー、自動チューニングされたヴォーカル・ハーモニーの未来派的なグリッサンドを微細なデジタルの霧にして、最終的な作品を作り上げた。 このアルバムは、デュオの膨大なコラボレーションやソロ・プロジェクトから美学的なリファレンスを取り入れ、ハーシュ・ノイズ、インディー・ロック、アンビエントを横断し、ダンス・ミュージックのプラスティック・パルスが周辺を刻む。 時折、このアルバムのデジタル・スープは、正真正銘のポップ・ミュージックのきらめきにまとわりつき、バラバラのアレンジで聴き手をグラウンディングさせる。 「よりストレートな曲も、他のアーティストのメロディや作曲のセンスで、自分たちのサウンドをどう造形できるか試してみたいという欲求から生まれたもの」 「これは、レコーディングの楽しさと私たちの友情に感謝するためのプロジェクトだったと思います」と松井。「お互いに、そして他の友人たちみんなと」 本当の意味でのポップ・アンビエント、私たちと一緒にエレクトリックな夕日に向かって滑空しましょう。
Bandcamp Mount Eerie - Night Palace 7e.p. うまく言えないけど、なんか“好き”が詰まってるんだよなぁ。どこから聴いてもいい感じに聴ける。
Mulatu Astatke & Hoodna Orchestra Tension エチオ・ジャズの巨匠、ムラトゥ・アスタトゥケとテルアビブ随一のアフロ・ファンク集団、フードナ・オーケストラが組んだ作品。
以前、新宿にあるジャズ喫茶「ナルシス」(皆さんもぜひ行ってほしい)に久しぶりに行ったとき、隣の席にある男性が座ってきた。聞くとイスラエルから旅行で東京に来たという。テルアビブには1つだけジャズ喫茶なるものがあるらしく、そこのジャズシーンは結構賑わっているらしい。ピアニストの彼は、動画も見せてくれた。若干フリーっぽい感じで好みだった。しまいには、彼らがあっちで吸ってる(確か)スカンジナビア産の手巻きタバコをくれた。なかなかうまかった。諸々イスラエルのリアルな情勢などを教えてくれたが、ここでは割愛する。あちらも半ば「僕らの地域で起きていることは知っていると思うけど…」みたいな感じだった。なかなか濃い夜だった。
Nala Sinephro - Endlessness ナラ・シネフロ、待望の2ndアルバム。
Nate Mercereau - Excellent Traveler ネイト・マーセローによる大作。
カルロス・ニーニョ、アンドレ3000ら豪華ミュージシャンの“音”やフィールドレコーディング音源をサンプリング シーラEをはじめジェニファー・ハドソン、ジェイZ、ショーン・メンデスなど多くのミュージシャンのもとで才能を発揮するギタリスト/プロデューサーのネイト・マーセローがマンハッタンからケルン、風や水などの自然音からNYのライヴハウス“ナショナル・ソーダスト”の楽屋にあるハンガーの音まで、日々録音してきた音源をサンプリングして制作された旅の記録。カルロス・ニーニョとアンドレ3000が参加した数曲以外は基本的にはソロ・ギター作品ですが、サンプル・ゲストにはカマシ・ワシントン、ララージ、スーリヤ・ボトファシーナ、イドリス・アカムーア、シャバカ・ハッチングス、ドワイト・トリブルなど豪華ミュージシャンが参加。
disk union NewDad - MADRA EP『Banshee』(2022)の時から楽しみにしていた新作がついにきた。来日も決まりましたね。Jorja Smithと東京公演が被っているという。
Nicolas Geraldi - Em Outro Lugar do Céu またまた素晴らしいMPBのアーティストが出てきた!ブラジルには一体何人の秘宝が眠っているんだ!
Nicolas Jaar - Piedras 1 & 2 このプロジェクトの最初の種は、ニコラス・ジャーがチリのサンティアゴにあるMuseum of Memory & Human Rightsで行われたコンサートのために、1973〜1990年にかけてアウグスト・ピノチェトが率いた軍事独裁政権下で人権侵害を受けた犠牲者を追悼する曲「Piedras」を書いた2020年に蒔かれた。2022年から2023年にかけては、「Archivos de Radio Piedras」と題されたラジオ劇として新たな形をとり、テレグラムの専用チャンネルで共有された。2024年、この劇はUniversity Museum of Mexico City(MUAC)で24チャンネルのインスタレーションとなり、5ヶ月間展示された。 『Piedras 1 & 2』は、劇中に登場する楽曲を集めたもので、すべてジャーの新曲だが、一部はSalinas Hasbún(ジャーの祖母Graciela SalinasとSalinas Hasbúnへのオマージュ)の音楽として劇中に登場する。この作品は、2020年代初頭に失踪したミュージシャンで作家のSalinas Hasbúnの失踪を悼む2人の友人を描いている。テクノロジーが発達した未来に生きる彼らだが、匿名グループ、Las 0choが海底のインターネット・ケーブルを攻撃し、世界的なインターネット・ブラックアウトを引き起こしたため、DIYラジオに頼る。 この劇の中心テーマは、真実、記憶、アイデンティティは、隙間、つまり「中間」の空間から語られるというアイデアを軸に展開する。このコンセプトは、ナレーションの多くが電波の狭間で展開されることによって裏付けられている。絶えず移り変わるラジオのダイヤルの不安定さと一過性は、単なる比喩ではなく、劇の構造そのものとなる。このようなノイズ、静寂、干渉の瞬間にこそ、物語の深い啓示が浮かび上がってくるのだ。 このバラバラで変化し続ける媒体は、劇中で記憶とトラウマが作用する方法を映し出している。「公式な」歴史的証言の直接的な伝達ではなく、断片や何気ない瞬間に見出される、非線形で、隙間をすり抜けていく。 サリナスが、ラジオ劇の最初のエピソードで言及された洞窟の小さな池で新しい番号を見つけたと語る文章が発見されたときである。世界最古のバクテリアの生息地であるチリ北部の塩湖に具現化されたこのランダム性は、バイナリーコードの厳格な秩序を破壊し、デジタルライフの変革への道を開く。
Bandcamp Nídia & Valentina - Estradas Nils Frahm - Day LEITER ニルス・フラームによるニューアルバム。ライヴ盤『Tripping with Nils Frahm』のパフォーマンス映像をMUBIで観て度肝を抜かれてから彼を追うようになった。
ニルス・フラームが、2022年に発表した3時間に及ぶアルバム『Music For Animals』以来となるソロ・ピアノ曲集を発表した。『Day』は限定盤のほか、すべてのデジタル・プラットフォームで入手可能だ。このアルバムは2022年の夏、ベルリンの有名な複合施設ファンクハウスのスタジオを離れ、完全に孤独な状態でレコーディングされた。 『Day』は、過去10年間、フラームが最初にその名を知らしめたピアノ曲から徐々に離れていき、それでもなお、より楽器的に複雑で複雑なアレンジを施した独特のアプローチに移行していくのを見てきた人たちにとっては驚きかもしれない。さらに2021年、パンデミックの初期にアーカイヴの整理に費やしていた彼は、80分、23曲からなる『Old Friends New Friends』をリリースした。『Music For Animals』の拡張されたアンビエント的な性質から判断すると、この作戦は成功したと言えるが、フラームは初心に帰らずにはいられない性格であり、『The Bells』、『Felt』、『Screws』といった高い評価を得た以前のアルバムを楽しんだ人たちは、『Day』の親しみやすい個人的なスタイルに再び満足することだろう。 内密なムードが特徴的なこの新作は、フラームが現在、ピアノ、オルガン、キーボード、シンセ、さらにはグラス・ハーモニカまで駆使した手の込んだ祝祭的なコンサートで最もよく知られていることは間違いないが、シンプルさ、優しさ、ロマンスに影響を与える多作の達人であることを裏付けている。
Bandcamp Oliver Coates - Throb, shiver, arrow of time RVNG Intl. オリヴァー・コーツ、久しぶりの新譜!先行で出ていた「Ultra Valid」のイントロを聴いた時、これはさぞかしいいアルバムが来るだろうと確信した。
〈PLANCHA〉による文章はコチラ
Patrick Shiroishi - Glass House Otherly Love Records 日系人サックス奏者、パトリック・シロイシが映画音楽を手掛けた作品。素晴らしいサウンドスケープが拝める。
Prefuse 73 - New Strategies for Modern Crime Vol. 1 & 2 〈Lex Records〉 最新アルバム『New Strategies for Modern Crime Vol.1』では、ジャズにインスパイアされたヒップホップ・プロデューサー、Prefuse 73ことGuillermo Scott Herrenが、クインシー・ジョーンズ、ラロ・シフリン、ハービー・ハンコックといった作曲家たちの映画音楽で培われた音楽言語をベースにしている。 犯罪報道と“Citizen”のような犯罪追跡アプリに対するわが国の執着に触発されたHerrenの新作は、ジャズの映画的可能性を深く掘り下げている。 ある意味、ジャズと映画の関係は宿命的なものだった。 どちらのメディアも19世紀末に生まれ、20世紀を通じて大衆文化、芸術、知的生活に多大な影響を及ぼした。 必然的に、2つのメディアは大衆の嗜好と技術革新によって衝突することになる。 ジャズ・ミュージシャンやジャズという芸術を映画で表現する場合、彼らの演奏をドキュメンタリー風に描くだけで、複雑さに欠けていた。 サウンドトラックは、ジャズ・ミュージシャンを創造的なプロセスに引き入れ、ミュージシャンを主体から代理人へと変えた。 真のサンプリスト/サウンド・アーキビストのように、Herrenはこの役割とその背後にある歴史を採用し、過去の音楽を新鮮で新しいものに変えていく。 「Clean Up Scene Apprentice」は、控えめなドラムパターンとミュートされたベースラインでアルバムの幕を開ける。 ヘレンはここで、フィルム・ノワールを現代の文脈に合わせてアップデートしたような、期待に満ちた雰囲気を呼び起こす。「Desperate Demise」は、不穏なささやき声とテープのようなエフェクトで始まり、低音のオーケストラ・インストゥルメンタルへと飛び込む。「Empath Lords」は、シンセ、フルート、チェロ、ヴィブラフォンのみずみずしいアレンジで明かりを点ける。 短くエネルギッシュな「Forever Chase (Scene One)」は、アップテンポのキックとスネアのパターンが巧みで、プリペアド・ピアノとのコントラストでテンポを上げる。 そして「Full Recollection」では、ヘレンのルーツであるヒップホップとシネマティック・ジャズが最大限に融合している。ゆったりとしたドラム・パターンの上に、ヘレはドラマチックなオーケストラ・セクションとトリッピーなモノフォニック・シンセ・ソロを重ね、壮大かつサイケデリックなものを作り出している。 慌ただしく、急かされるような印象はない。淡々としたスコアでありながら、それに見合ったイメージと組み合わされることを切望している。 映画や音楽に感動し、感情を変化させることで、私たちは芸術が生み出す共通の体験に心を開くことができるのだ。 今作は、時に緊張感を、時に高揚感を、しかし常にファンキーなサウンド環境を構築することで、問題の核心に迫っている。
Bandcamp Daily Prefuse 73は、2001年の『Vocal Studies + Uprock Narratives』と2003年の『One Word Extinguisher』という画期的な最初の2枚のアルバムで最もよく知られており、このアルバムで彼はDJ Shadowのダークでサンプルを多用したサウンドの後継者のような存在として頭角を現した。 長年にわたり、Ghostface Killah、GZA、MF DoomからSea and CakeのSam Prekop、Run the JewelsのEl-Pらとコラボレーションしてきた。
SPIN Rafael Toral - Spectral Evolution MOIKAI ラファエル・トラルがある種の極地に入った作品。〈MOIKAI〉はジム・オルーク主宰のレーベルで、ここからリリースされる作品としては約20年ぶりらしい。
Ravyn Lenae - Bird’s Eye Atlantic 今年のR&B/Soul枠で一番よかったと思う
Royel Otis - PRATTS & PAIN OURNESS PTY LTD 初見で「とんでもなくセンスのいいバンドがでてきたな!」と言う想いを抱かせてくれたオーストラリア出身のデュオRoyel Otis。プロデュ―スはやはりお前の仕業か〈Speedy Wunderground〉の首謀者Dan Carey。このアルバムはデビューにして非常に多彩なバックグラウンドを秘めており、まずThe DrumsにはじまりPhoenix、Passion Pit、MGMT、そしてDinosaur Jr.、The Cure、Felt、The Velvet Undergroundにまで遡ったりする。例えば現時点で彼らの最高傑作が"Fried Rice"だとするならば、反面"Velvet"のようなUSスラッカーロックみたいな超カッコいい(←この曲がなければちょっと評価は変わったかもしれない)ことまでさらっとやりのけてしまう。肝心なことを言い忘れてましたが、このスリーヴだけで私は完全にパンチドランク、偉大なる未来のインディーロックスターの誕生に合掌。
Alffo Records Sam Blasucci - Real Life Thing Innovative Leisure 多幸感で溢れている。前作に引き続き、最高です。必聴!
Still House Plants - If I Don’t Make It, I Love U Bison Records 今年トップ3の衝撃作だと言える。来日公演行きたかったな。DJ setも行きたかった。KUNさんが羨ましい。Harper's Bazaar誌には「MINIMAL Composition, AVANT-GARDE Explosion」と書いてあった。
THUS LOVE - All Pleasure Captured Tracks Total Blue - Total Blue Music From Memory Vampire Weekend - Only God Was Above Us 名盤が出る瞬間を目撃した。リスニング・パーティーにも行ってきた。
タワレコ渋谷にて Various Artists - Like Someone I Know: A Celebration of Margo Guryan Sub Pop マーゴ・ガーヤン『Take a Picture』のカバー集。とにかく人選が素晴らしい。もちろんアレンジも最高。それぞれの味が出てる。
Wendy Eisenberg - Viewfinder American Dreams Records Wendy Eisenbergのこのアルバムというよりかは、今年彼女が関わった作品全てを評価したい。彼女は、SSW/ギター奏者/バンジョー奏者/詩人という肩書きをもっている。他にもCaroline Davisと組んだ『Accept When』、David Grubbs (Gastr del Sol)/Bonner Kramerとトリオを組んだSquanderersの『If a Body Meets a Body』、Bill Orcutt Guitar Quartetのメンバーとしてリリースされた『Four Guitars Live』がある。最後に挙げた作品はライヴ盤で、"Le Guess Who?"にて録音されたものである。ちなみに主要ストリーミングサービスにはのっていなく、私はBandcampで購入した。David Grubbsが今年出した2作も良かった。一つはLiam Keenanとの『Your Music Encountered in a Dream』、もう一つはLoren Connorsとの『Evening Air』だ。
どれも印象的な作品ばかりで、今年はWendyの年だと言っても過言ではないだろう。
Yard Act - Where’s My Utopia? Island 今年最初の衝撃、WOWOW。
↓ ↓ ↓ +α Best EPs of ’24 Baby Rose & BADBADNOTGOOD Slow Burn Secretly Canadian Khruangbin & Leon Bridgesといい、こういうインストバンドとR&Bシンガーの組み合わせいいな。
Bien et Toi - London Safari II Temple Records 1作目もよかった。今回は客演にHalima、Paris Texas、Lily Rayne、FJ Law、Deyazを迎えている。
Carmen Villain - Nutrition Smalltown Supersound Carmen Villainは、『Nutrition』で突然変異的なダブの渦の奥深くに潜り込み、クラシックなPole/~Scape、マーク・アーネストゥス、ヴィンテージ・チェーン・リアクションの残滓に苔むした力を吹き込み、キャリアの最近の作品やT++の揺らめく炎の隣に驚くほど、そしてむしろ見事に並んだ。 前作『Only Love From Now On』、昨年の官能的な(ほとんどビートのない)「Music from the Living Monument」、そしてHuerco S.とActressとの12インチ・アルバムのコラボを経て、Villainは今作でさらに粘性のあるダブに没頭し、深い低音の振動に支配されたムーディーな作品に仕上げている。 「Disig」では、うねるようなゴムのような音がうごめくドローンを突き抜け、ノルウェーの伝説的トランペット奏者アイヴィン・ローニングのアシストで、彼の唇の動きや息づかいがめまぐるしいシャッフルの間にしっかりと織り込まれている。何がエレクトロニックで何がエレクトロニックでないのか、まったく不明なままだ。トラックはそれ自体が蛇行し、ガラガラと音を立てながら、完全に消え去り、スタジオのうなり声だけが残る。 タイトル・トラックでは、トリリング・コンクレート・ノックでミックス・サブを埋め、それぞれの音を鈍らせることで、リズムが水に浸かった土や砂の下で変化しているように聴こえる。T++の不朽の名曲「Wireless」にアンドリュー・ペクラーのスモーキーさが混じり、一瞬たりとも物事を複雑にしすぎることなく、トラックの呼吸を保っている。 Marka」では、ヴィランが環境音を波打つ幻のパルスに変えている。 Poleの発泡するダブ・アシメトリーも聴けるが、彼女は音楽が持つリゼルギーな特質に集中することで、影響を受けたものから切り離す。時に「Nutrition」は、サム・ダンスコムの「Two Forests」のように催眠的で、転がるサブウーファーと神経質なキックを、松果体のはるか彼方から聞こえてくる幽霊のような、解離したきしみ音でフラクタル化する。 複雑に構成された、骨太で特別な作品だ。
boomkatより Ebbb - All At Once Ninja Tune 今年のベストワークだといっても過言ではない
Frederico Heliodoro - Maximos Eventos Koreless - Deceltica Young 1st『Agor』に続き、今回も最高の作品をドロップしてくれました。
Little Simz - Drop 7 『Drop 6』(2020)に続く作品。
Mahne Frame - I Gave My Legs to a Snake Monkeytown Records 一時期は東京を拠点に活動していたアーティスト、Mahne Frame。彼は現在地元のオーストラリアに帰ってしまいましたが、昨年一時帰国と共にライブを開催&その時に受け取っていた新作EP『I gave my legs to a snake』が遂にリリース! Kirin J Callinanのドラマーとしても活躍し、自身が運営するインディペンデントなアパレルや自作のMVなど本当に何をやってもセンスを感じさせるMahne Frameだけど、今作も彼が大事にしているオルタナティブ精神を感じさせる6曲が収録されている。 2曲目「WALK LIKE」では基本的に使うとダークにはなりにくいアコースティックギターを使用しつつ、彼の持つ不穏でクールなオーラを醸し出している。この曲もライブで披露していたが、ギターが超上手いとかではないのだけど、めちゃくちゃ惹かれる要素があったし、後半のリズムパートがピークに達したところで完全に持っていかれる。音はヘヴィーではないけども、コード感とかも含めて2020sのグランジ感すらある楽曲だ。 続く「FLAWED」も不穏な空気を相変わらず感じさせると共に実験的なサウンドの中にポップネスを感じるし、5曲目「LONER 3」とかも〈Soul Feeder〉のアーティストが好きな人にチェックしてほしいサウンドに仕上がっています。 最後の楽曲「FENCES」最後までインディー、ラップ、クラブ、エクスペリメンタルなど様々なムードを感じさせつつも、どれにも属さない感じがMahne Frameっぽいし、彼にしか作れない音楽でしょう!
to’morrow music Metronomy - Posse, Vol. 2 Ninja Tune 客演には、Pan Amsterdam、Naima Bock、Nourished by Timeなどが参加
Moses Sumney - Sophcore TUNTUM Records よくないわけがない
Nourished by Time - Catching Chickens XL Recordings Ltd こちらはBig Love Recordsで購入、NBTも来日希望。
SALPA - Seadog casa nueve 客演にはPuma BlueやNilüfer Yanyaなどが参加
Sheherazaad - Qasr Erased Tapes プロデューサーはArooj Aftab!必聴!
Tanukichan - Circles Carpark Records 『GIZMO』が懐かしい
Valentina Magaletti - Lucha Libreu パーカッショニストのヴァレンティーナ・マガレッティ(Moin、Vanishing Twin、Holy Tongueなど)が、この「Lucha Libre」で彼女の奔放な逸脱をトラックし、ダンジョンのような強力なテクノイド・サウンド・アート、コンクレート・ダブ、B級映画のような雰囲気、酔っ払ったようなポスト・パンクを探求している。 「NOIAZ」を聴けば、この曲のことがよくわかるだろう。 このトラックは、Plastikmanの不朽のミニマルの金字塔「Spastik」をよりスピーディーに、より泥臭くしたような、転がるビートボックスの渦に支えられている。 Magalettiは、Hawtinのテクノの青写真を苔むした古井戸に落とし込み、リムショットのロールやボロボロのスネアに、カランコロンと鳴るチェーンや喚起的なベルをちりばめ、声だけを残して亡霊のようなコーラスを形成している。 MoinやTomagaのようなバンドでの活動を通してしかMagalettiを知らない人には、これは驚きだろうが、彼女は、彼女の技術の背後にある先鋭的な哲学と無限の創造性を強調するために、〈Permanent Draft〉というインプリントを設立したのだ。 「AND THERE IS US」では、しびれるようなドラムマシンのビートに乗せて、ファジーなアナログ・シンセのドローンと不安定なピアノ音を奏でる。 フォーキーで幻覚作用のあるギターが暗闇から顔をのぞかせ、かろうじて聞こえるささやき声が聞こえる。 そして、短い「LOTTA」ではさらに深みを増し、擦り切れたギターの即興演奏に観客の雑談のようなものをループさせ、脳を溶かすような「DRUM JUMP」へと導く。 致命的なダンジョンのシンセ・ドラマが数秒続いた後、トラックはマガレッティの軽快なドラミングによって、器用なノーウェーブ・ベルターへと進化する。 凶暴。
boomkat HIP-HOP / (FEEL GOOD) 1. AG Club - BRODIE WORLD 2. The Alchemist - The Genuine Articulate 3. Ameer Vann - WOOF 4. Big Hit, Hit-Boy & The Alchemist - Black & Whites 5. A Boogie wit da Hoodie - Better Off Alone 6. Channel Tres - Head Rush 7. Childish Gambino - Bando Stone and The New World 8. Coco & Clair Clair - Girl 9. Conway the Machine - Slant Face Killah 10. Denzel Curry - King of the Mischievous South Vol. 2 11. Don Toliver - HARDSTONE PSYCHO 12. ELUCID - REVELATOR 13. Erick the Architect - I’ve Never Been Here Before 14. Future - MIXTAPE PLUTO 15. IDK - BRAVADO + INTiMO 16. JPEGMAFIA - I LAY DOWN MY LIFE FOR YOU 17. Kota the Friend - Lyrics To GO, Vol. 5 18. Larry June - Doing It For Me 19. Lex Amor - Forward Ever 20. Liniker - CAJU 21. LUCKI - GEMINI! 22. Mach-Hommy - #Richaxxhaitian 23. MAVI - shadowbox 24. Medhane - Double or Nothing 25. MIKE & Tony Seltzer - Pinball 26. Mustard - Faith of a Mustard Seed 27. Navy Blue - Memoirs In Armour 28. Nicholas Craven & Boldy James - Penalty of Leadership 29. NxWorries - Why Lawd? 30. Peso Pluma - ÉXODO 31. Polo G - HOOD POET 32. R.A.P. Ferreira & Fumitake Tamura - The First Fist to Make Contact When We Dap 33. Rapsody - Please Don’t Cry 34. Raveena - Where the Butterflies Go in the Rain 35. Rema - HEIS 36. Roy Blair - Chasing Moving Trains 37. Seafood Sam - Standing on Giant Shoulders 38. Tinashe - Quantum Baby 39. Tyler, The Creator - CHROMAKOPIA 40. Vince Staples - Dark Times 41. Westside Gunn & DJ Drama - Still Playing
いかがだったでしょうか。いい作品だらけですよね。
来年リリースされるアルバムもあるので、今のうちからちょこちょこメモってます。
では、また。ROYでした👋