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駆け抜ける坂道 2nd stage ーSector18-


2nd stage ーSector18-〈宣戦布告!!〉


ブーン…キキーッ

〇〇:ふぅ…

友香:お疲れ様!はい、お水。

〇〇:ありがとう。

友香:どう?このコースは?

〇〇:難しいね。
ダラダラとコーナーが続くし、
全開区域も少ない。

友香:じゃあパワーが上がっても
フルには発揮できないか…

〇〇:いや、そうでもないよ?
パワーが上がった分、
立ち上がりの加速が段違い。
これならいいとこまでいけるよ!

友香:なら、よかった!

ゆか:〇〇〜どうだ?

〇〇:問題ない。
今のセッティングでオッケー。

ゆか:にしてもよく乗りこなせるな。

〇〇:そうか?前より乗りやすいよ?

ゆか:やっぱお前は天才だわ笑

由依:〇〇くん?ポイントは絞れた?

〇〇:はい!大丈夫です!

由依:そしたら今日はこの辺にしとこっか。

〇〇:わかりました。

由依:じゃあ撤収。

ブーン…

美月:ふ〜ん。

美波:あの86、相当パワーが上がってるね。

美月:こりゃ前より随分速いね。

祐希:でも負けない!

美波:あんま油断しない方がいいよ?

祐希:でも前回向こうの地元で勝ったし…
今回はこっちの地元やけん負けんよ?

美波:まぁ頑張って。


ーー

帰りの86車内…

〇〇:…

友香:まだ不安?

〇〇:えっ!?

友香:さっきからずっと考え込んでるから。

〇〇:まぁな…一回負けてるし…

友香:でも車もパワーアップして、
〇〇自身もレベルは上がってるでしょ?

〇〇:でも、前にちぎられた時の感覚がな…
半端ない絶望感だったよ…

友香:大丈夫!
櫻神峠のレコードも更新したんだし!
その頃より全然速いよ!

〇〇:そう…だよね。

友香:自信持って!"白い彗星"!

〇〇:久々に言われたな笑
うん、頑張る!

友香:その意気だ!

ーー

翌日…

〇〇:改めて…神本〇〇です。

祐希:与田祐希だよ!
…86、なんか変わった?

〇〇:…前にあなた方に負けた後に
エンジンブローしまして…

祐希:そうやったん!?

〇〇:あの時は負けましたけど…
今回は勝ちます!この86で!

祐希:うん!よろしくね!

〇〇:先行と後追い、どっちにします?

祐希:うーん、後ろから行くよ!

〇〇:わかりました。

ブン、ブン…

由依:〇〇くん。

〇〇:はい?

由依:前半はあまり離さず、
付き合ってやって。

〇〇:えっ!?

由依:前の86なら厳しいけど今なら行ける。

〇〇:はぁ…

由依:大丈夫。この子を信じてあげて?

〇〇:わかりました。

ブン、ブン…

ひかる:カウントいきまーす!

ブン、ブン…

ひかる:5,4,3,2,1…ゴー!!

ブーン…

保乃:由依さん、
あの指示はどう言う意味ですか?

由依:どう言う意味もないよ。
あの相手は今の〇〇くんの敵じゃない。

保乃:えぇ!?

由依:言わば次への宣戦布告。
やられっぱなしも嫌でしょ?

保乃:なかなかエグいこといいますね笑

由依:それほどまでに〇〇くんと
86の戦闘力が上がってるってこと。

ーー

ブーン…

祐希:確かに前よか速くなってるね!

〇〇:由依さんの指示は前半は離さずに走る…

ブン、キャァァァァ

祐希:でも勝てない相手じゃない!

ブーン…

〇〇:いくらこっちのパワーが
上がってるとはいえ、一度負けた相手…
そんなことできるのか!?

ブーン…

ーー

美月:86、壊れちゃったんだね。

美波:あの後相当走り込んだんでしょ。

美月:どれくらいパワー上がったんだろ…

美波:与田が油断しなければ勝てるでしょ。

美月:それでも、向こうが桁違いにパワーが
上がってたらそうとも言えないよ。


ーー

ブーン…

祐希:さぁもうすぐ半分!
こっから行くよ〜!

〇〇:もうすぐ半分…

ブン、キャァァァ…

〇〇:この先、パイロンターンに
近いくらいのヘアピンがある…
そっから全開で行く!

ブーン…

〇〇:いっけぇ!!

ブン、キャァァァァ…

祐希:えっ!?

〇〇は立ち上がりで祐希を置いていく。

祐希:は、速い!!

〇〇:このまま次!

ブン、キャァァァァ

〇〇はかなりのスピードでコーナーをクリアする。

祐希:前とは比べ物にならないくらい
進化してる!!

〇〇:…すげぇ。

ブーン…

後半に入って2つ目のコーナーを
クリアした頃には車2台分の差が開いていた。

〇〇:こいつなら…行ける!!

ブーン…

ーー

ピッ


理佐:勝ったよ。3台分の差をつけてね。

ひかる:おっしゃー!!

保乃:勝ったー!!

友香:すごい…

土生:これが新しい86…

ーー

ブーン…キキーッ

祐希:ごめーん!負けちゃったー!

美波:しょうがない。
与田はベストのタイムに近い。

美月:あの86くん、相当速くなってるね…

祐希:でも、前半は前と
あんまり変わらなかったな〜
後半に入った途端に離された…

美月:わざとペースを合わせたってこと?

美波:何の為に?

与田:わかんない…

美波:もしかして…宣戦布告?

美月:だとしたらやってくれるね!

美波:望むところだよ!

ーー

友香:お疲れ様!

〇〇:あぁ、ありがとう。

ひかる:3台差ってすごいね!

〇〇:こいつのおかげですよ。

〇〇は86を撫でながらそう言った。

由依:お疲れ様。さすがだね。

〇〇:いや、86のおかげです。

由依:謙遜することないよ。
この86、この仕様を乗りこなせる人は
〇〇くん以外いないと思うから。

〇〇:でも、なんで前半は離さないように
したんですか?

由依:宣戦布告。
〇〇くんもやられっぱなしじゃ嫌でしょ?
だからそのリベンジ笑

〇〇:あぁ、なるほど笑

由依:でも、次からは本気でいくよ。

〇〇:はい!


Next Sector…

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