クリスマスイブの奇跡 #会長ちゃんと副会長くん
12月24日…
コンコン
〇〇:はい?
ガチャッ
玲 :高校生がクリスマスイブに
自分の部屋に閉じこもってるなんて寂しいね〜
〇〇:うっさい。
玲 :ってことでおねえちゃんに付き合いなさい。
〇〇:付き合うってどこに?
玲 :クリスマスマーケット。
〇〇:やだよ。
あんなリア充の巣窟みたいなとこなんて…
姉ちゃんこそ弟と行って寂しくならない?
玲 :しょうがないでしょ!
保乃ちゃんと行く予定だったのが
急遽バイトが入ったって言われたんだから!
〇〇:だったら行かなきゃいいじゃん…
玲 :気になるものとかあるから行きたいの!
〇〇:ったく…
玲 :すこしは奢ってあげるから!
〇〇:わかったよ…
--
クリスマスマーケット会場…
〇〇:うぅ…さっぶ…
玲 :すっごい人だね。
〇〇:しかもカップルばっかり。
玲 :そんな僻んでるなら
麗奈ちゃん誘えばよかったじゃん笑
〇〇:はぁ!?さ、誘えるわけないだろ!
じゅ、受験で忙しいかもしれないし…
玲 :そんな必死にならなくても笑
ほら行くよ。
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それからしばらく会場を見て回る2人。
〇〇:にしても色々あるんだな〜
玲 :そうね〜チラッ
玲はスマホを確認する。
玲 :あっ、私トイレ行ってくる〜
〇〇:はいよ。
玲 :あのおっきいツリーの前で待ってて。
〇〇:はいはい。
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ツリー前…
〇〇:うぅ…さっぶ。
〇〇はツリーの前にあるベンチで座っていた。
〇〇:やっぱカップル多いなぁ…
周りを見つめ、そうつぶやく。
〇〇:…誘えばよかったかな。
??:あれ?ま、〇〇くん!?
〇〇:え…お、小田倉先輩!?
〇〇が振り向くと麗奈がいた。
麗奈:ど、どうしたの?こんなところで…
〇〇:姉ちゃんに連れてこられて
今はトイレを待ってるところです。
先輩こそどうしたんですか?
麗奈:璃花と勉強の息抜きに来ようってなって
待ってるところだよ。
--
数時間前…
プルルル…
麗奈:ん?璃花から…
受験勉強中の麗奈に電話が入った。
ピッ
麗奈:もしもし?
璃花:「もしもーし!今何してる?」
麗奈:勉強してたけど?
璃花:「今日せっかくのイブだしさ、
クリスマスマーケットに行かない?」
麗奈:クリスマスマーケット?
璃花:「そう!受験勉強の息抜きも兼ねてさ!」
麗奈:う〜ん…
璃花:「あれ?
もしかして〇〇くんと行く予定でもあった?笑」
麗奈:へ、あ、違うよ!
多分誘えないし…
璃花:「なら行こっ!
待ち合わせ場所はまた送るから〜」
麗奈:わ、わかった…
ピッ
--
麗奈:そ、それにしても偶然だねっ!
こんなところで会うなんて…
〇〇:そ、そうですね!
〇麗:…
2人の間には沈黙が流れる。
〇〇:(やっべぇ…気まずい…
何話せばいいんだよ…。
てか姉ちゃんまだ?)
麗奈:(気まずいよぉ…璃花はまだかなぁ…)
ピロン
〇〇:?
〇〇のスマホにメッセージが届く。
〇〇:姉ちゃんからだ…
玲 :"大学の友達に会って
その子達行くからテキトーに帰って大丈夫だよ!"
〇〇:はぁ!?
麗奈:どうしたの?
〇〇:姉ちゃんが友達と会ったから
先帰っていいって連絡が来て…
麗奈:そう…
〇〇:全く人の事連れ出しといて…
ピロン
麗奈:?
麗奈のスマホにもメッセージが入る。
璃花:"ごめ〜ん🙏
ちょっと遅れそうだから先見て回ってて!"
麗奈:えっ!?
〇〇:どうかしましたか?
麗奈:璃花が遅れるから先見て回っててって…
〇〇:そう…ですか…
〇麗:…
〇〇:あの…もしよかったら一緒に行きませんか?
麗奈:えっ!?
〇〇:僕もこのまま帰るのもなんだし、
先輩も時間があるなら…
麗奈:う、うん…
行こっ…か。
〇〇:ありがとう…ございます。
2人はクリスマスマーケットの中に向かった。
その陰で…
玲 :ヒョコッ
やっと合流したね〜
璃花:ヒョコッ
お互い普通に誘えばいいんですけどね笑
玲 :まぁ奥手な2人だからね〜
璃花:しょうがないですね笑
理子:ヒョコッ
でもいいな〜楽しそ〜
愛季:ヒョコッ
でも〇〇くんあそこは手を繋がなきゃ〜
玲璃:…
愛季:あっ、先輩とお姉さん。どうも。
玲璃:…なんか増えたぁぁぁ!!
--
麗奈:わぁ〜可愛いものいっぱい!
〇〇:ほんとですね〜
麗奈:このサンタさんのキーホルダーとかいいな〜
〇〇と麗奈は雑貨屋を見て回っていた。
麗奈:よしっ!これ買おう!
麗奈はサンタのキーホルダーを手に取った。
〇〇:ん?
ある張り紙を見つけた〇〇。
〇〇:2つ買うと20%オフだそうですよ?
麗奈:え〜でも他どうしようかな〜…
〇〇:ん〜あっ!
1つのキーホルダーを手に取った。
〇〇:僕このトナカイのキーホルダー買いますよ!
麗奈:それも可愛いね!
〇〇:じゃ僕買って来ますね。
そう言い麗奈のキーホルダーも一緒に持ってレジで会計を終えた〇〇。
〇〇:はい。これ先輩のです!
麗奈:ありがとう!えっといくらかな…
〇〇:あぁ大丈夫ですよ!
僕からのクリスマスプレゼントってことで!
セール品ですけど笑
麗奈:いいの…?
〇〇:全然構いませんよ!
璃花:さりげなくお会計なんてやりますね〜
玲 :でもセール品をプレゼントなんて…
我が弟ながら情け無い…
璃花:まぁあの2人らしいですね笑
愛季:せんぱーい!
理子:ホットチョコレート買って来ましたよ〜
玲 :ご苦労様♪
--
色々回ったのちツリーの前のベンチに戻って来た2人。
麗奈:璃花遅いなぁ…
〇〇:連絡無いんですか?
麗奈:うん…
〇〇:下手に動いてもあれですしここで待ちますか。
麗奈:そうだね。
璃花:みんな〜!はいっ、チュロス!
理子:わぁ〜ありがとうございます!
愛季:あの2人…
相変わらず雰囲気はいいですよねモグモグ
玲 :でも何もしないんだろうなぁ〜
うちの弟はヘタレだからモグモグ
〇〇:それにしても寒いですね…
手をさすりながらそう話す〇〇。
麗奈:手袋とかしないの?
〇〇:急に連れてこられたから忘れちゃって笑
麗奈:そしたら…はいっ!
麗奈は自分がしていた手袋の片方を渡す。
〇〇:えっ…でもそしたら先輩が…
麗奈:私は大丈夫だよ。
〇〇:そ、そしたら…
〇〇は手袋を片方受け取り、手にはめた。
麗奈:あったかい?
〇〇:はいっ!ありがとうございます!
麗奈:でもやっぱり寒いね笑
麗奈は手をさする。
〇〇:(…よしっ。)
あ、あのっ先輩!そしたら…
ギュッ
麗奈:ふぇっ!?
〇〇は麗奈の手袋をしていない方の手を握った。
〇〇:こ、こうすればまだマシかなって//
麗奈:う、うん//
〇〇:でも冷たい…ですよね?
麗奈:だっ、大丈夫!あ、あったかいよ//
〇〇:よ、よかったです//
〇麗:///
理子:きゃあ〜〜〜!!!
愛季:なんですかあれは!
甘々なカップルそのものじゃないですか!
玲 :いいぞ!もっとやれ!!
璃花:ふふっ笑 カシャッ
ピロン
麗奈のスマホにメッセージが入った。
麗奈:璃花から…えっ!?
"この時間、続けたい?"
麗奈と〇〇が手を繋いでベンチに座っているツーショットの写真が添えられていた。
麗奈:…
"続けたい…続いて欲しい…"
ピロン
璃花:"そしたらあとはお2人でごゆっくり〜♪"
麗奈:ふぅ…
〇〇:どうかしました?
麗奈:えっ!?
あ、り、璃花が
やっぱり来れなくなっちゃったみたいで💦
〇〇:そうですか…それは残念ですね。
麗奈:うん…
〇〇:そ、そうしたらもう少し回りますか?
クリスマスグルメとか
そういったものもあるみたいだし…
麗奈:…うん!行こっ!
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それから2人はクリスマスマーケットを楽しみ、
帰路に着いていた。
〇〇:楽しかったですね!
麗奈:うん!いい息抜きになったよ!
思い出を話す2人。
お互いのカバンには
さっき買ったキーホルダーが揺れている。
手袋をしていない手は今だに繋がったまま。
〇〇:(これが続けばなぁ…)
麗奈:(こんなのが永遠に続いて欲しい…)
そんな願いも虚しく2人は麗奈の家に着いた。
麗奈:じ、じゃあまた休み明けかな?
〇〇:そ、そうですね…。
麗奈:送ってくれてありがとう!
それじゃ…おやすみ。
〇〇:おやすみなさい。
〇〇は振りかって帰ろうとする。
麗奈:〇〇くん!!
〇〇:はい?
麗奈:…メリークリスマス!!
麗奈は満面の笑みを浮かべそう言った。
〇〇:…はいっ!メリークリスマスですっ!
よいお年を!
〇〇は麗奈が家に入っていくのを見送った。
〇〇:…帰るか。
12月24日…
その季節とは思えないほどあったかい気持ちで
〇〇は家に帰った。
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理子:いいもの見れましたね〜!
愛季:いいなぁ〜あんな恋愛してみたいなぁ〜
璃花:これはどう見てもカップルだね笑
見守り隊の4人は
〇〇と麗奈の写真を見ながら話していた。
玲 :てかここまでならさ…
玲璃愛理:はよ付き合え!!!
Fin