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サバイバルを終えた僕たちに待ち受けていたのはサバイバルだった。






坂道病院…



の特別棟。




〇〇:ここは…


そうだ…僕は生徒会の人達に襲われて…

あれ?それからの記憶がない…


〇〇:気を失って入院になったのかな…


横を見るともう1人横のベッドで眠っていた。


〇〇:あれは…一体…なんだったんだ?


コンコン

ガラララ

??:あっ!目が覚めた?

〇〇:えっ、あ、はいっ!

??:私看護師でこの部屋の担当の秋元真夏だよ♡

〇〇:はい…

この看護師さん…かわいいんだけど
すっごいあざとい…



真夏:ひとまず目が覚めてよかったけど
しばらくは検査とかでまだここにいてもらうからね?

〇〇:わかりました…

真夏:それと…この部屋にもう1人
患者さんが入院するからよろしくね!

〇〇:はぁ…

真夏:それじゃまたね!

そう言って秋元さんは部屋を出て行った。

〇〇:入院…か。

ガラララ…

秋元さんが出てすぐ、
患者を乗せたストレッチャーが入ってきた。

〇〇:!?

その運ばれてきた人には見覚えがあった。

〇〇:ま、〇〇先生!?

先生:ん、ん〜…

〇〇:先生!!僕です!
あなたと同じ名前の〇〇ですよ!

先生:あ、あ…〇〇か…

〇〇:先生!一体どうしたんですか!?

先生:俺は…無人島に漂着して…

〇〇:無人島…

先生:…ん?

先生は〇〇の隣のベッドに目を移した。

先生:〇〇…〇〇じゃないか!?

〇〇:え、〇〇は僕じゃ…

先生:違う!こいつは俺の高校の頃の同級生…
製薬会社に勤めたって聞いたけど…

研究員:ん、ん〜…

先生:おい!〇〇!俺だよ!

研究員:ん…ま、〇〇か…。

先生:そうだよ!いや〜久しぶりだなぁ〇〇!

研究員:そう言う〇〇こそ!同窓会以来か?

〇〇:ストーーーップ!!!

先研:?

〇〇:今ここには3人の〇〇がいます。
このままだと僕たちも作者も読者も混乱します!

先生:作者?

研究員:読者?

〇〇:とにかく!
これからはお二人もお互いを先生と研究員で
呼び合って下さい!

先生:あ、あぁ…

研究員:わかった…

--

それから僕たちはなぜこうなったかを話し合った。

先生:何!?おまっ、菅井先生と!?

〇〇:えぇ…

先生:くっ…くっそぉー!!!

〇〇:先生まさか…

先生:ん"ん"!!

研究員:でも俺も好きだった遠藤さんと
ああなったとはいえ、あんな状況じゃなぁ…

〇〇:遠藤さん…
もしかしてその人って読書好きですか?

研究員:え?
まぁたしかにずっと本はよんでるけど…

〇〇:僕本屋でバイトしてるんですけど
よく取り置きとかでお話しするので…

研究員:なるほど…

〇〇:あの人がそうなるとは思わなかったけどなぁ…

先生:そんな事いったら俺は生徒だぞ?

〇〇:いいじゃないですか!
理子ちゃんと…ボソッ

先生:ん?なんだお前、遠藤のこと好きなのか?

〇〇:ち、違いますよっ!!

先生:いいじゃないの!青春してるねぇ〜

ビービー🚨

〇先研:!?

"院内にてガスの漏洩が確認されました…"

〇〇:ガスの漏洩!?

先生:おいおいそれってマズイんじゃねぇの!?

研究員:…一緒だ。

〇先:え?

研究員:こっから逃げないと!!

ガラガラ…

〇先研:!?

真夏:みなさ〜ん!
今放送がありましたけど
ここは大丈夫だから安心して下さいね〜!

研究員:そ、そうですか…

真夏:ところで〇〇くん?
あぁ高校生の子ね?

〇〇:はい?

コツ…コツ…

秋元さんはゆっくり僕の方に歩いてくる。

真夏:君…よく見るとイケメンだね!

〇〇:あ、ありがとうございます…

真夏:なんだか…

ツー

〇〇:!?

秋元さんは指で僕の体をなぞる。



真夏:食べちゃいたい♡

〇〇:え!?

研究員:あ!なんだあれ!!

真夏:んー?

研究員:〇〇くん!今だ!
逃げるぞ!

〇〇:え、あ、はい!

僕は研究員さんに言われるがままに逃げた。

真夏:あっ!
待ってぇ〜♡

--

〇先研:はぁ…はぁ…

僕たちは病室から離れたところに逃げてきた。

先生:な、なんだあれ!

〇〇:あの目…あの時と同じ…

研究員:やっぱりな…

先生:なにか知ってるのか!?

研究員:この病院…俺の勤めてる会社の提携先なんだ。
うちで今研究中のガス…N-46ガスがある。
それを吸うと猫の発情期並みに異性を求める。
それがなんらかのルートでここにきた。
それが漏れたんだろう…。

〇〇:なんですかその怪しいガス!!

研究員:俺だってここに来る直前に聞いたんだ!
とにかくこの病院から脱出しないと!!

??:あら?こんなとこで何なさってるんですか?

〇先研:!?

??:ガスが漏れて患者さんは
病室で待機のはずなのに…

〇〇:えっとあなたは…

??:あぁ…私はここの医師の白石麻衣です。

先生:助けてください!そのガスが…

研究員:待て!

先生:!?

研究員:白石先生、あなたガスマスクは?

麻衣:ん?なんの事?

研究員:マズイ…

麻衣:それより…

コツ…コツ…

先生:ゾワッ!!

白石先生は〇〇先生に近寄っていく。

あの時の…
チョコを食べたみんな見たいな目をして…

麻衣:あっちの処置室で…
このガスの為の処置をぉ〜
シテあげるからぁ…来ない?♡

研究員:走れぇ!!

僕たちはまた逃げ出した。

--

〇先研:はぁ…はぁ…

僕たちは走った。

ただ昏睡状態から目覚めたばっかりの
僕たちの体力はあまりなかった。

麻衣:ふふ♡
もう逃げられないわよ♡

先生:くっ…

研究員:お前ら…先に行け。

〇先:え…

研究員:こうなったのはうちの会社のせいだ。
これで償いにはならないけど、俺が食い止める。

先生:お、おい!正気か!?
また昏睡状態に…

研究員:いいから行け!!

先生:わ、わかった…。

研究員:…〇〇くん。

〇〇:はい…。

研究員:脱出したら遠藤さんに伝えてくれ。
「必ず…思いを伝えます。待っててください」って。

〇〇:研究員さん…。

研究員:…行けぇぇぇ!!

僕と先生は研究員さんを置いて走った。



"あぁぁぁぁぁぁぁ!!!!"



遠くから研究員さんの絶叫が聞こえた。


--



〇先:はぁ…はぁ…

どれくらい走ったろうか…
もう僕らの体力は虫の息だった。

先生:くそ…この病院広すぎるだろ…

〇〇:僕たち…帰れますかね…

??:あのぉ〜どうされましたか?

〇先:!?

1人の看護師が話しかけてきた。

遥香:看護師の賀喜遥香です!
今病室で待機のはずですけど…

〇〇:いやその実は…

遥香:?

先生:〇〇待て!!
その人ガスマスクしてない…

〇〇:はっ!

賀喜さんを見るとガスマスクをしていなかった…

〇〇:ってことは…

遥香:ん〜?どうしたんですかぁ〜♡

〇先:…にげろぉぉぉぉぉ!!!

--

〇先:うおぉぉぉぉぉ!!!

遥香:待ってぇ〜♡

普段なら僕らは振り切れるはず。
ただもうそんな体力は無かった。

〇先:はぁ…

遥香:もう〜なんでそんな逃げるの♡

〇〇:いや、その…

遥香:ほ〜らこっちおいで♡

ゆっくりくる賀喜さん。
距離をとるように後退りする僕ら。

〇〇:い、いやだ…

遥香:おいでってばぁ〜♡

先生:いや…

遥香:…いいから大人しくこっちこいやぁぁ!!

えぇぇなんか急にキレ出したよこの人!!

遥香:いいからこっち来てはよ
🤬🤬して🤬🤬させろやぁぁぁ!!

ヤバいヤバいヤバい!!
女性から発してはいけない
言葉ばっかり出てくるよぉぉ!!!

先生:〇〇…行け。

〇〇:へっ!?

先生:お前にはまだ未来がある。
必ず生きてここから出るんだ。

〇〇:で、でも先生…

先生:いいから行け!!

〇〇:…わかりました!!!
脱出できたら…菅井先生に〇〇先生はかっこよかったって伝えます!!

先生:ふっ…頼んだぞ…

〇〇:先生…また会いましょう!!

僕は最後の力を振り絞って走った。


"あぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!"


研究員さんと同じように先生の絶叫が聞こえた。


--


〇〇:で、出口だ…

あれからしばらく院内を走った結果、
出口を見つけた。

〇〇:こ、これで脱出出来る…

ガシャガシャ

〇〇:!?

出口には…鍵が掛かっていた。

〇〇:くそっ!!

??:あっ!いたいた〜♡

〇〇:!?

真夏:も〜う急に飛び出しちゃうんだもん!
びっくりしちゃった♡

〇〇:あ、秋元さん…

真夏:ほ〜ら一緒にお部屋にもどろっ?

秋元さんが近づいてくる…
あの目のまま…

〇〇:あ、あ…

??:あっ!真夏〜なにしてるの?

真夏:あっ!まいやん!

麻衣:おっ、さっきの子だぁ〜♡

〇〇:し、白石先生まで…

と言う事は研究員さんは…

麻衣:こ〜んな若い子独り占めなんてズルいぞ♡

〇〇:ヤバい…

??:白石先生!真夏さん!
何してるんですか!!

麻衣:ん?

真夏:あっ!かっきー!

遥香:その子は私が目つけてたんですよぉ♡

賀喜さんがいるってことは先生も…



真夏:そしたら〜♡


麻衣:いっそのこと♡



遥香:みんなで♡


〇〇:いやだ…いやだ助けてぇぇぇぇ!!!


"いっただきまーす♡"





あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!







臨時ニュースです。

今日、坂道病院にてガスの漏洩がありました。

近隣への被害は確認されておりません。

なおこの事故に関連して男性3人が意識不明の重体で発見されました。



Fin…

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