ゲットだぜ!!
“―全国小学生ポケモン大会、優勝は小池○○だー!!”
??:すごい…。
――
ひかる:ありがとうございました~。
私は森田ひかる、大学3年生。
今は大学近くのゲームショップでバイトしてます。
この店でバイトしてるのは昔からのゲーム好き
という理由以外にもあって。
――
2年前…
??:ひかるちゃん!
ひかる:あっ!美波さん!
この人は小池美波さん
大学の一個上先輩で一緒のサークルにいる。
美波:またゲームしてるん?
ひかる:はい!こないだでた新作のポケモンです!
美波:そういえばおにぃもやってたな~
ひかる:お兄さんいるんですか?
美波:そう。今はゲームショップ櫻ってとこで働いてる。
ひかる:あぁ、ここの近くにあるとこですよね。
いいな~ゲームに囲まれて仕事できるって。
美波:そや!そこでバイトしたら?
今人足りてへんいってたし。
そういって美波さんはスマホで電話し始めた。
美波:あっ、もしもしおにぃ?
ちょっと相談なんやけど…。
電話の先はお兄さんか…。
2時間後…。
店長:う~ん、採用!
ひかる:え!?いいんですか?
美波さんがお兄さんにバイト希望の子がいると
連絡してくれた。
そのままお兄さんが店長に相談したら、
すぐに面接に来てくれとのことで店に来た。
店長:今人手不足だしね。
なにより○○くんの知り合いなら安心!
面接といっても自己紹介程度のことしかしていないが…。
美波:よかったなぁ!ひかるちゃん!
ひかる:はい!よろしくお願いします!
店長:うん!よろしく!
美波:そういえば、兄はどこいます?
店長:あぁ、○○くんなら奥のバトルスペースに
いると思うよ。
ひかる:バトルスペース?
店長:そう!うちはポケモンとかの対戦をするための
スペースがあるんだけど、
○○くんはそこでお客様相手に
ポケモンバトルしたりとかアドバイスをしてるよ。
よかったら見てみな。
私と美波さんは店長に案内された
バトルスペースにいった。
美波:あっ、おにぃ!
○○:ん?あぁ、美波か。
美波:おにぃ!この子がさっき電話で話した
森田ひかるちゃん!
ひかる:初めまして。森田ひかるです。
○○:どうも。美波の兄の○○です。
美波:ひかるちゃんここのバイト決まったから
ちゃんと面倒みたってや!
ひかる:よろしくお願いします!
○○:うん、よろしくね。
○○さんは優しい笑顔で私を見た。
かっこいい///
その帰り…。
美波:よかったな、すんなり決まって。
ひかる:はい!
美波:どやった?うちのおにぃは?
ひかる:すごい…優しそうでした。
その時私はあの時の○○さんの顔思い出していた。
なんだか顔が熱くなっていく…。
美波:なんで顔赤いん?笑
ひかる:え!?いやっ、その~…。
美波:はは~ん?
美波さんはそういって私の顔を覗きこんで…。
美波;惚れたな?
ひかる:い、いや!ち、違いますよ!
美波:ふ~ん笑
ひかる:もう!美波さん!
美波:あはは笑
次の日…
ひかる:今日からよろしくお願いします!
店長:よろしくね!じゃ○○くん、よろしくね!
○○:うい~す。
それから私は○○さんに仕事を教わった。
○○:とりあえず流れはこんな感じかな。
わからないことがあったらその都度聞いてね。
ひかる:はい!ありがとうございます!
○○:そしたら最初は…。
??:○○にいちゃーん!!
○○:おっ、またきたな。
子供:また、ポケモン教えて!
○○:よし。そしたら奥で待ってな。
子供:はやく来てね!
そういうと子供たちが奥に行った。
ひかる:今の子たちは?
○○:あぁ、近所の子供たち。
俺がポケモンについて教えてあげてる。
ひかる:そういえば、ポケモンやってるんでしたっけ?
○○:ひかるちゃんもだよね?
ひかる:はい!昔から好きです!
○○:そうか、なら…。
○○さんはレジにいる店長のところに行き…。
○○:店長。ひかるちゃんも一緒に奥いていいですか?
店長:あぁ、構わないよ。
○○:よし。ひかるちゃん?今日ポケモン持って来てる?
ひかる:はい。ありますけど…。
○○:じゃそれ持って奥にきて。
そういわれ、私はゲーム機を持って奥に行った。
ひかる:○○さん。持ってきましたけど。
○○:よし…。みんな今からこのお姉ちゃんと
俺が対戦するから、どんな風に戦うのか見ときな。
ひかる:え!?
○○:ちなみにこのお姉ちゃんは
今日からここで働くことになったひかるちゃんだ。
だから今回のテーマは初めての相手に
対する戦い方だよ。
子供:ひかるお姉ちゃん頑張って!
○○兄ちゃんすごい強いんだよ!
いきなり対戦!?一応それなりには育ててるけど…。
○○:じゃひかるちゃんよろしくね!
ひかる:は、はいよろしくお願いします!
こうして○○さんとのポケモン勝負が始まった。
○○さんは本当に強く、
私はあっという間に最後の一匹になった。
ひかる:お願い!ギャロップ!
体力が減っていた○○さんのルカリオを倒した。
○○:そしたら、俺の相棒を出すか…。
○○さんはそう言ってエンペルトを出した。
相性で分が悪い私はあっけなく負けた。
ひかる:強い…。
子供:やっぱ○○兄ちゃんつよいや!
○○:わかったか?
初めての相手とやる時は特に
頭を使って戦うんだぞ!
子供:はーい!
○○さんはとても強かった。
でもエンペルト使っててこんだけ強い人って…。
子供:ねえ、ひかるお姉ちゃん!
ひかる:うん?なあに?
子供:こんど僕と戦ってよ!
ひかる:うん!いいよ!
それから私は子供たちと対戦したりしていた。
子供:じゃまたね~!
ひかる:気を付けて帰るんだよ~
子供たちは帰って行った。
○○:初日からお疲れ。
ひかる:○○さん強いですね!
○○:いや、それほどでも…。
ひかる:あの…。○○さんて昔大会出てました?
○○:あぁ、小学生のときにね。なんでわかったの?
ひかる:あのエンペルト見てもしかしたらって!
優勝した時に相棒って言ってたんで。
○○:よく覚えてるね笑
それから私は通常の業務をしながら○○さんと
一緒に子供たちやお客さん相手にポケモンをしていた。
――
周りの大学生がおしゃれなカフェとかコンビニで
バイトしてる中、私がここでバイトしてる理由は
○○さんのそばにいたいから。
小学生の時にポケモンの大会を見ていて
一目惚れした初恋の人だったから…。
でも思いは伝えれずにいた…。
――
美波:よ!ひかるちゃん!
ひかる:あ!美波さん!お疲れ様です!
美波:まだ、おにぃに言ってないん?
ひかる:はい…。
美波:もう2年やで?仲はええんやろ?
ひかる:そうですけども…。
美波:おにぃも言ってたで?看板娘やって。
ひかる:○○さんが///
美波:言っとくけど、
おにぃが女の子のこと家でしゃべるの珍しいで?
ひかる:そ、そうなんですか…。
美波:ま、とりあえず頑張りや。あ、一つ教えたる!
“おにぃ、来週誕生日やで”
美波:じゃあね~。
ひかる:お、お疲れ様です…。
誕生日か…。そういえばお祝いしたことなかったな…。
○○さんにはお仕事でもお世話になってる。
でもまだお返しが出来てない…。
私にできる気持ちを伝える方法は…。
――
○○:ひかるちゃんだいぶ強くなったね。
ひかる:そりゃずっとしごかれてますから笑
○○:そういえば、ひかるちゃん就活は始めてる?
ひかる:いや。まだ迷ってて。
○○:そっか。
ひかる:そういえば、○○さんて櫻大学ですよね?
こんなこと言うのもあれですけど
それほどの大学にいければもっといい会社に
入れたんじゃないですか?
○○:う~ん、たしかに考えたけどね。
でも元々この店でバイトしてたんだけど
ここの仕事が楽しくてほかに行く気が
なくなったんだよね。だから後悔はない。
ひかる:そうなんですね。
○○:うちにきてくれる子供とかお客さんの
顔見てると他の生活が考えられない。
そういっている○○さんの顔は
とても楽しそうな顔だった。
その顔をいつも近くで見ていたい…。
ひかる:あ、あのっ!○○さん!
○○:ん?
ひかる:今度一緒にご飯行きませんか?
○○:急にどうしたの?
ひかる:いや、その~…。
今までそういうのなかったな~って。
○○:うん。いいよ。
ひかる:ほんとですか!?
じゃ楽しみにしててくださいね!
○○:あ、ああ。
これでとりあえず、第一段階はオッケー。あとは…。
――
○○さんの誕生日当日…。
私が待ち合わせ場所に行くと既に○○さんがいた。
ひかる:すいません!おまたせしました!
○○:ううん。いま来たとこ。
ひかる:じゃ行きましょ!
――
ひかる:居酒屋で大丈夫でした?
○○:大丈夫だよ。気使ってくれてありがと。
――
○ひ:カンパーイ!
○○:もぐもぐ…唐揚げうまっ!
ひかる:フフッ笑よかったです。
私は事前に美波さんに○○さんが
唐揚げが好きということを聞いていた。
必死で探してよかった~。
ひかる:○○さん!
○○:ん?
ひかる:誕生日おめでとうございます!
私は用意したプレゼントを渡した。
○○:ありがとう!これ…開けていい?
ひかる:はい!気に入っていただけるか…。
○○さんはプレゼントを開けた。
○○:…すごい。
私が用意したプレゼントは○○さんと
ポッチャマが一緒にいるイラストだ。
○○:ありがとう!絵うまいね!
ひかる:ありがとうございます!
○○:でも俺こんなかな?笑
ひかる:はい!それぐらいかっこいいです///
○○:ありがと///
○○さんは照れていた。
もうこの勢いで行くしかない!!
ひかる:○○さん、実は…。
○○:ん?
ひかる:私○○さんのこと
ずっと前から知ってたってのは話しましたよね?
○○:あぁ、昔大会で優勝した時だよね。
ひかる:はい。その時に見ていたバトルは本当に
すごかったです。
あのバトルを見て私もポッチャマが
好きになったんです。
○○:そうなんだ…。
ひかる:でも、それだけじゃなくて…。
私、○○さんのことも大好きです。
○○:へ?
ひかる:○○さんは私にとって初恋の人なんです。
○○:ひかるちゃん…。
ひかる:ごめんなさい、変ですよね。
小学生であったことのない人のことを
初恋の人って言って…。
○○:いや…。
ひかる:でもそれくらい○○さんは魅力的な方です!
一緒に働いてて子供たちと楽しそうにしてる時や
真剣な顔の時もそのすべてが好きです!
勢いとはいえ、
言ってる途中から恥ずかしくなってきた…。
顔が熱い…。
○○:ありがとう、ひかるちゃん。嬉しいよ。
でもね、ひかるちゃんこそ魅力的だよ。
ひかる:ふぇ!?
○○:子供たちとゲームしてる時、
本当に子供たちと同じ目線に立って接してるよね。
あれはほんとにそうそうできないよ。
ひかる:いえ…、そんな…。
○○:だからひかるちゃんがいない時、
子供たち寂しそうだよ?
ひかる:そうなんですか?
○○:でもそれは俺もなんだよね…。
ひかる:へ?
○○:俺もひかるちゃんが好き。
ひかる:○○さん…。
私は気づけば涙を流してた…。
○○:だからひかるちゃん…。
俺のことをゲットしてください。
ひかる:ふふっ笑なんですかそれ笑
○○:一応ポケモンにちなんだんだけど…。
とにかく!よろしくお願いします!
ひかる:はい!よろしくお願いします!
__
それから、私はできる限り○○さんと一緒にいた。
仕事の時も、お休みの時も…。
夜には毎晩電話もしていた。
美波:ひかるちゃん?
ひかる:あ、お疲れ様です!
美波:そうとうラブラブみたいやな~。
ひかる:そうですかね?
美波:毎晩電話するときおにぃ
いつもソワソワしてるんやもん笑
ひかる:そうなんですか!可愛い笑
美波:バカップル笑 でもおにぃのことよろしくな!
ひかる:はい!任せてください!
私はバイト先のゲームショップに就職を決めた。
○○さんには一回止められたけど少しでも
一緒にいたいと説得した。
まぁ大学卒業してすぐに同棲したので
ずっと一緒ですけどね笑
今私は○○さんを“ゲット”出来て幸せです!
Fin
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