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駆け抜ける坂道 2nd Stage ーSector2ー



駆け抜ける坂道 2nd Stage ーSector2ー
〈プライド〉



〇〇がプラクティスを始め、2時間程経過した。



〇〇:ふぅ…だいぶ形にはなったかな…

友香:タイムもだいぶ安定してきたね。

〇〇:あぁ…だけどバトルとなると
予定通り行くかわからない。

友香:ほんと、毎回のことだけどすごいよね。
プレッシャーがかかる上に馴れないコースで走り続けるって。

〇〇:確かに…でも友香がいてくれるから
落ち着いてバトルできる。いつもありがとう。

友香:全然!こっちも好きで来てるから!

〇〇:友香…

ゆか:ん"ん"!

〇友:!?

ゆか:盛り上がってるとこすみませんが、
セッティング出来ましたので…

〇〇:あぁごめん!今行く!

友香:が、頑張って!

ブン、ブーーン…

--

久美:どう?ここまで見て。

史帆:すごいね!速い!

彩花:子供みたい感想…

好花:でもチームの体裁はすごいですよね。
何と言うか、すごい合理的ですよ。

久美:何でも、指揮をとってる小林由依っていう人がいるんだけどその人は"櫻神峠の狂犬"って呼ばれるくらい速かったらしい…

彩花:"櫻神峠の狂犬"…

久美:でもその狂犬を倒したのが
あの86のドライバー。
"櫻神峠の白い彗星"神本〇〇って人。
とんでもなく速いらしい…。

好花:"櫻神峠の白い彗星"か…

久美:その彗星くんの天才的なセンスに小林さんの理論が加わったことでここまで負けなしで来てるってことらしい。

史帆:さっすがチームリーダー!詳しい!

久美:あ、キャプテンです。

史彩好:(毎回こだわるよな…)

久美:まぁ私も聞いた話でしかないから実際はわからない。

好花:でも史帆さん、なんかビビって来た!って言ってましたよね?

史帆:うん!なんか速そうって思った!

彩花:でもほんとに意外。走るって言い出したのは。

史帆:う〜ん、ししもわかんない!
多分あの人がカッコよかったから!

好花:そんな理由ですか!?

久美:まあ、それはそれでとしちゃんらしいけど笑

--

ブーーン…キキーッ

由依:どう?〇〇くん?

〇〇:はい。攻略のポイントは絞れました。

由依:オッケー。じゃ今日はこれくらいで引き上げよっか。

ゆか:あんまりやりすぎもよくないですからね。

由依:その通り。じゃゆかくん、撤収の準備を。

ゆか:はい!

友香:帰りは私が運転しよっか?

〇〇:大丈夫?

友香:普通に運転するくらい問題ないよ!

〇〇:じゃお言葉に甘えて…


保乃:なんかもうカップル通り越して夫婦やな。

ひかる:つくづくお似合いだよ。

土生:まだ夜のドラテクレッスン
続いてるみたいですよ?

理佐:んでこないだ泊まりに行ったんでしょ?

天 :あの2人にしちゃ展開が早いね。

ゆか:由依さーん!こっち準備できました!

由依:よし!帰るよ!

ブン、ブーーン…

--

ワンボックス車内…

ワンボックスは2台あり、
1号車に由依、ゆか、理佐、天。
2号車に由依の兄である由介が乗っている。

理佐:どう?〇〇くんは勝てそう?

由依:まあ勝つつもりで来てるから勝ってもらわないと。

天 :でも相手の車、分からなかったね。

ゆか:データも全く取れないですからね。
でも不思議なのが向こうもこっちの走りを最初だけみてあとは見ようとしてないんですよね。

理佐:それほど自信があるんでしょ。

由依:まぁ、あらかた予想は出来てる。だから別に私は焦ってない。多分〇〇くんもね。

--

86車内…

友香:相手の走り見れなかったね。

〇〇:まぁそうだね。

友香:どんな人が来るかな…

〇〇:まぁ別に情報が無くても焦ってないよ。
Dに入る前は毎回こんな感じだし。

友香:そっか…そういえばそうだね。

〇〇:その方が集中できるし。Dのプライドに賭けても勝つよ。

友香:ならよかった!
…まだ着くまで時間かかるし、寝とけば?
着いたら起こすよ。

〇〇:そうだね…そうさせてもらうよ。


友香:うん。おやすみ。

〇〇:おやすみ。

〇〇は疲れていたのか、すぐに眠りについた。

友香:ふふっ笑 可愛い寝顔。

--

翌日…

久美:さて、もうすぐ来るけど。

史帆:よし!頑張るぞ〜!!

好花:久美さん?"あの子"って今日来るんですか?

久美:う〜ん…わかんない。一応連絡はしてるけど。

彩花:まぁ??が一緒にいるだろうし、多分どっかで見てるでしょ。

ブーーン…

久美:来たよ!プロジェクトDが!

ブーーン…キキーッ。

--

〇〇:初めまして、プロジェクトDの神本〇〇です。

史帆:私、加藤史帆!よろしくね!

ギュッ

2人は握手を交わす。

史帆:おにいさん…かっこいいね!

〇〇:あ、ありがとうございます…

握手を交わした後〇〇は車に戻り、
理佐が入れ替わって史帆と話す。

理佐:スタートなんですけど道幅が狭いので、
先行後追いのサドンデス形式で大丈夫ですか?

史帆:うん!大丈夫!

理佐:じゃ先行後追いはそっちが決めていいですよ。

史帆:地元の私が決めていいの?

理佐:それが私達の遠征スタイルなんで。

史帆:う〜ん、じゃあ後ろから行くよ!

理佐:分かりました。ではこちら先行で行かせてもらいますね。

史帆:はーい。

話終えてそれぞれの陣営にもどる。


久美:としちゃん後ろでよかったの?

彩花:先行であっさり終わらせればよかったのに。

史帆:せっかくだからちょっと見てみたいって思ったの!"白い彗星"を!

好花:とにかく…頑張ってくださいね!

--

由依:後追いで来たか…

〇〇:どうします?

由依:そしたら…ヒソヒソ

〇〇:…はい。分かりました。

由依:よし!頼んだよ!

〇〇:はい!

ひかる:いってらっしゃい!

保乃:がんばりや!

土生:ファイト!

〇〇:ありがとうございます。

友香:〇〇…頑張って!

〇〇:うん!


ブン、ブン、ブン…


〇〇の86と史帆のインテグラが
スタート地点に着いた。


Next Sector…

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