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王道な恋って叶いますか? Scene12

王道な恋って叶いますか? Scene12〈決着〉



先制点は千葉総合。

千葉総合の選手が抱き合って喜ぶ。

悠真:よしっ!このままいくぞ! 


駿介:小林先輩…すみません…

○○:気にすんな!時間がない!必ず追いつくぞ!

駿介:はい!

その後も坂道学院が攻め続けるが決め切れずに
時間が過ぎる。

残り時間3分…

○○:(さっきのチャンスと同じ展開…
    でも今回はFWの2人ともマークを連れてる…)

拓馬と駿介がゴールに向かうが2人に
厳しいマークがつく。

○○:(仕方ない…こうなりゃ正面突破だ!)


___


真佑:○○くんがドリブルで上がってく!


優佳:FWの2人のマークが厳しいですから
   そうせざるを得ないですからね。


理佐:でも○○くんには毛利君がついてってる。
   分が悪いかな…


京子:大丈夫です!小林先輩なら!

理佐:京子ちゃん…。

_____

悠真:悪いけどこの先は行かせないよ!

○○:行かせてもらうぜ!

○○と悠真。二人の攻防が繰り広げられる。

○○:(くそっ!抜けない!このまま負けるのか…?) 





京子:小林先輩!!!!頑張って!!!!!!





京子の絶叫に近い応援が○○の耳に届く。

ドクンっ…

その瞬間、○○の視界に映る者の動きが
ゆっくりに見えた。

○○:(…っ!そこだ!)

○○は悠真の足の間にできたボール一個分の
隙間を通した。

悠真:しまった!

○○は悠真を抜くとそのままゴールに向かって
強烈なミドルシュートを放った。

○○:いっけぇ!!!!!

○○が放ったシュートはそのままゴールに吸い込まれた。

○○:っしゃー!!!!

終了間際に坂道学院は同点に追いついた。

___

京子:やったーーーー!!!

理佐:よしっ!

優佳:同点だーーー!

真佑:やった!やった!

___

ピッ、ピッ、ピー

ゴールが決まった瞬間、ホイッスルが鳴り試合終了。
PK戦となった。

____

京子:PK戦…

優佳:もう運に任せるしかない…

PK戦は千葉総合先行で始まった。

優佳:相手の一人目は毛利さんか…。

___

ピー

悠真はポストギリギリのところにシュートを
打ち見事に決めた。

理佐:さすがに決めるよね…

真佑:こっちの一人目は○○くんだね!

京子:小林先輩なら絶対決めてくれます。

ピー

○○はゴールど真ん中に決めた。

○○:よしっ!

____

京子:よしっ!

真佑:ど真ん中ってさすがに肝が据わってるね…

____

その後PK戦は全員成功し、坂道学院の5人目まで来た。

理佐:5人目は…小西くんか…。

真佑:試合中に外したことが尾を引いてないけど…

____

駿介:ふぅ~

駿介:(余計なことは考えるな…。
    小林先輩に言われたように勝つことだけ
    考えるんだ!)

ピー

駿介:(いっけぇ!)

パシンっ!

駿介が放ったボールはゴールではなくGKの手の中に
おさまっていた。

千選:やったーーー!!!!

PK戦の結果、千葉総合が全国に駒を進めた。

駿介:…。

駿介はその場で膝から崩れ落ちた。

○○:駿介…。

駿介:先輩…。俺…。

○○:何も言うな。俺らは全力をだした。

駿介:うっ…うっ…。

○○:PKは運だ。お前のせいじゃねぇ。
   冬の選手権もあるんだ。そこでリベンジだ。

駿介:…はい!

悠真:○○!

○○:悠真…。おめでと!

悠真:ありがとな!今日の試合、
   結果はこっちの勝ちだけどお俺は引き分けだと
   思ってる。

○○:俺も。お前に負けたとも勝ったともおもってねぇ。

悠真:冬の選手権で決着つけようぜ!

○○:あぁ!夏は全国であばれてこい!

悠真:おう!

2人は固い握手を交わした。

____

理佐:負けちゃったか…

真佑:惜しかったな~

優佳:悔しい!!

京子:でも、選手はそう思ってなさそう…。

優佳:え?

京子:先輩達の顔…。
   なんかいきいきしてるように見える。


____

試合後のロッカールーム…

設楽:みんな、まずはお疲れ様!

設楽は微笑みながら、そういってつづけた。

設楽:俺は負けたと思ってない!
   互角で見ごたえのあるいい試合だった!
   まだこれから冬の選手権予選がある!
    切り替えてそこに向かって準備するぞ!

一同:はい!!


こうして夏のインターハイは地区準優勝で終わった。



帰り道…

私たちはいつものメンバーと私たち離れたとこで
試合を見ていた由依先輩と帰っていた。

真佑:改めてお疲れ様!

○○:あぁ、ありがと。

由依:やっぱ悔しい?

○○:いや、悔しさはないかな。
   今はもう次に気持ち切り替えてる。

由依:よし!それでこそ私の弟だ!

理佐:今日は素直にほめるんだね

由依:今日ぐらいはね。

理佐:“いつもそうならもっと甘えてくれると思うよ”

由依:“恥ずかしくて無理っ!”

○○:姉ちゃん?どしたの?

由依:別に…。って今姉ちゃんって呼んだ?

○○:どうでしょう?

由依:もう一度呼べ。

○○:怖っ笑

理佐:ふふっ笑

真佑:そういえば、京子ちゃんも応援必死だったね!

京子:いやっ、その…勝ってほしい一心で…。

○○:斎藤さんありがとね!声聞こえたよ!

京子:えっ!?

○○:終了間際に悠真とマッチアップした時に
   もうだめかと思ったら斎藤さんの声が
   聞こえたんだ。
   その瞬間になんか周りがゆっくりに
   見えて悠真を抜くことができたんだよね。

京子:そうなんですか!

○○:だから点決めたのは斎藤さんのおかげ、
   ありがと!

京子:その…どういたしまして!

真佑:“京子ちゃん。顔真っ赤ですね笑”

理佐:“あれ。天然のたらしだね。"

由依:“京子ちゃん。鈍感でたらしな弟でごめんね。”

京子:(私の…おかげ…。)

家に帰ると応援の疲れと○○先輩と話した緊張から
ベッドにダイブした。

京子:私、先輩の力になれたんだ!よかった!

私はこれからより一層○○先輩を支えることを誓い、
眠りについた。

Next Scene…


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