王道な恋って叶いますか? Scene13
王道な恋って叶いますか? Scene13
<背負うもの>
インターハイ予選から数日後…
私達、坂道学院サッカー部は冬の選手権に
向けて練習していた。
設楽:集合!
ある日の練習終了後、監督から発表があった。
設楽:まだインターハイの本戦は始まっていないが、
今日サッカー協会から連絡があった。
インターハイ後にあるU-18世代のドイツ遠征の
メンバーに小林と秋山が選ばれた!
パチパチ
設楽:2人はこんな機会めったにないから、
ドイツに行って暴れてこい!
〇拓:はい!
設楽:ほかのメンバーは2人に追いつけるように
今まで以上に頑張るように!
今日は解散!
一同:お疲れさまでした!
駿介:小林先輩!秋山先輩!おめでとうございます!
○○:あぁ、ありがとう。
拓馬:正直選ばれるか不安だったけどな。
駿介:2人に追いつけるように頑張ります!
○○:あぁ、がんばれ、先に待ってるぞ!
__
京子:すごいな…日本代表って…
真佑:無事に選ばれてよかったね!
○○:ほんと、県大会で負けたから
呼ばれないかと思った。
私達は帰り際ファミレスで○○先輩の代表選出の祝賀会をしていた。
理佐:とにかく、おめでと!
京子:おめでとうございます!
○○:ありがとうございます!
真佑:また毛利くんとのダブル司令塔かな?
○○:おそらくね。
あいつもU-15の時より全然うまくなってるし。
京子:毛利さんって千葉総合の人ですよね?
そんなに仲いいんですか?
○○:俺は小学生の時にクラブチームが一緒だった。
その頃からの付き合いで今でも普通に
連絡をとりあうよ。
京子:そうだったんですね!
真佑:いいなぁ~ドイツ。私も行きたい!
○○:観光で行くんじゃないぞ。
こっちは試合で行くんだ。国をせおってね。
理佐:また10番かな?
○○:どうでしょう?
悠真の可能性もありますけどね。
でもつけさせてくれるなら絶対につけますけどね。
京子:プレッシャーとかないんですか?
○○:ん~あるにはあるよ。
代表のエースナンバーだしね。
遠征までは時間あるし、付けれるように今から
必死に練習するさ。
理佐:でもやりすぎはダメだからね!
真佑:ちゃんと京子ちゃんに報告すること!
○○:わかってますよ…
京子:先輩!先輩のことはしっかり私が支えますんで
心配しないでくださいね!
○○:ありがと、齊藤さん
○○先輩はそう言って優しく微笑んでくれた。
理佐:その前に合宿だね。
○○:あぁ、そうだった…
京子:どうしたんですか?
○○:あの地獄の合宿が始まるのか…
京子:そんなにきついんですか?
真佑:二泊三日で静岡に行って一日目に現地の学校と
練習試合だけでど問題は二日目だよね。
京子:一体何するんですか?
理佐:ポジションによって違うけど重りを付けて
山をダッシュで登ったりとかアニメで見るような
特訓だね。
○○:今どきあんなのやる学校いないって…
京子:それってマネージャーも行くんですか?
理佐:もちろん!練習試合の時みたいにMF組がね!
合宿とはいえ○○先輩とお泊り…
もう緊張する…
真佑:“なに想像してるかな?笑”
京子:えっ、いやっ…
真佑:ふふっ笑
コノヒトコワイ…
私たちはファミレスで一時間ほど話して解散になった。
__
一か月後…
設楽:よし揃ったな!行くぞ!
一同:はい!
私たちは合宿先の静岡に向かった。
優佳:静岡はサッカー県なだけあって
他の地区だったらベスト4クラスの学校が
うじゃうじゃいるんだよね!
京子:お茶と富士山だけじゃないの?
(静岡県の皆様すみません)
優佳:事実、今日の相手の静岡工業は地区では
ベスト16だけどたぶん他の県だと
優勝狙えるくらいの実力だよ。
京子:そんなに!?
優佳は根っからのサッカー好きが認められ、
監督から相手の戦力分析まで任されてる。
優佳:チームは守備力が高いね。
前に千葉総合と試合したことがあってその時は
負けたらしいけど0-1と失点率が低いね。
京子:攻めのチーム対守りのチームってことね。
優佳:まぁ、うちと千葉総合って
似た感じのチームだからね。
――
到着した私たちはアップを終えるとスタメンが発表された。
設楽:…FW!秋山!小西!
秋小:はい!
優佳:小西くんがスタメンか…。
京子:何かあるの?
私と優佳はビデオを撮る為少し離れたところにいた。
優佳:小西くんの武器はDFの裏に抜ける動きと嗅覚。秋山先輩は決定力はもちろん自分でドリブルから
チャンスを作れるのが武器。
ここまでタイプの違う二人が前線にいると
相手もマークが絞りづらい。
京子:そこに小林先輩の展開力が入ると…
優佳:爆発的な攻撃力になる!
○○:拓馬!
拓馬:なに?
○○:相手のDFは固い。それはわかってるな。
拓馬:あぁ、だけど駿介もいる。
○○:そうだな、あいつもインハイ後から
結構成長したからな。
拓馬:よし、暴れようぜ!明日は地獄だし…
○○:そうだな…
ピー
試合が始まると終始坂道学院のペースだった。
○○:駿介!!
○○先輩のスルーパスに合わせて小西くんが抜ける。
駿介:それっ!
小西くんのダイレクトで蹴ったシュートは一直線に
ゴールに吸い込まれた。
駿介:っしゃー!
小西くんが一点決めると、怒涛の攻撃が続き…
ピッ、ピッ、ピー
試合が終わった頃には4-0と大勝だった。
優佳:さすがだね…
京子:もう最後の方、相手の顔死んでたよ…
○○:なんとか形になってきたな。
駿介:すいません。何度かドリブルミスって…
拓馬:気にすんな。お前の武器は飛び出しだ。
ドリブルは俺の仕事。
○○:まぁ、それがわかったらそこを重点的に
練習すればいいだろ。
駿介:はい!
こうして合宿一日目が終わった…
Next Scene…
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?