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駆け抜ける坂道 Sector13

駆け抜ける坂道 Sector13 <観取>



男1:ふざけんな!もういい…お前、俺とバトルしろ!

○○:ほ~


菅井:(まずいよ!今は神本くんの車じゃないし…。
    どうするの!?)


○○:いいのか?俺で?お目当ての“白い彗星”さん
   じゃないけど。
   しかもこの86俺のじゃないんだけど。

男1:知るか!お前に俺をバカにするほどの
   腕があんのか?

○○:まぁいいよ。菅井さん?車借りてもいい?

菅井:う、うん…。

○○:おっけ。じゃやろっか。

男1:ずいぶんと余裕だな。

○○:まぁ、俺も少しは走れるんでね。

菅井:だって“櫻神峠の白い彗星”だもんね!

男1:はぁ!?

○○:あ~あ、言っちゃった。

男1:まぁ、ならいい。ただ慣れない車な上にパワー差も
   あるからこっちに2人乗って
   そっちは1人で走っていいぜ。

○○:あぁ、ハンデはいらない。
   それでそっちが負けて文句言われても嫌だしね。

男1:なめんなよ?それでもいいが負けたら…
   その女よこせ笑

菅井:!!

○○:はぁ?

男2:俺らのことコケにしたんだからそれぐらいは
   当然だろ。

○○:(どこまでクズなんだよ。)わかったよ。
   ただその代わり俺が勝ったら二度とこの峠に
   来るなよ。

男1:ああいいだろう笑 まぁ勝つけどな笑

そう言って男たちはランエボに乗り込んだ。

○○:ごめんね。変なのに巻き込んで。

菅井:それより大丈夫なの?同じ排気量でも向こうは
   ターボで四駆。こっちはNAだよ!?

○○:まぁ普通に考えればきついよね。
   でも小林さんをバカにしたのは許さない。

菅井:神本くん…。

○○:それに…
   菅井さんのことは絶対誰にも渡さないから。

菅井:ふぇ!?

○○:ほら、乗って?さっさと終わらせて帰ろ。

○○と菅井も乗り込みランエボに並べる。

男2:いいか?俺が合図を送る。
   そしたらスタートしろ。すぐにこっちも出る。

○○:あぁ、わかった。

ブオンブオン…。

○○:さあ、いくよ!

菅井:うん!

男が合図を送った。

ブン、ブオーン…

○○が発進した。

菅井:くっ!

○○:しっかりつかまって!

男1:こっちも行くぞ!

男2:遅れんなよ!

すぐに男たちのランエボも発進する。

加速力の差は歴然で1コーナーには
ランエボが先に入った。

男1:うし!頭とった!

菅井:やっぱり速いね…。

○○:まぁ想定内だね。でもコーナーは全然だね。

ランエボのラインはベストのものとはかけ離れていた。

男1:おらぁ!

○○:はぁ~よくあれでつっかかってきたね。

菅井:(確かに…神本くんやひかるさんに
    比べるまでもなく下手くそ…。)

○○:さて、さっさと終わらすか…。

○○はベストのラインでコーナーをクリアする

男1:なっ…速い!

○○:ちんたら走ってんじゃねーよ。
   ランエボが泣くぜ!!

立ち上がった時には差は1メートルくらいだった。

菅井:すごい…。

○○:次で終わらせる…。

菅井:えっ…?

○○は次のコーナーのブレーキングで並ぶ。

男1:なにっ!?

○○:じゃあな。

○○はランエボを抜きコーナーをクリアする。

男1:なっ…あっさり抜かれた…。

男2:あれが“櫻神峠の白い彗星”…

菅井:あっさり勝っちゃた…。

○○はそのままベストのラインで下りきった。

――

櫻神峠のふもとの湖…

○○:あいつら口ほどにもなかったな…。


菅井:やっぱりすごいね…

○○:ん?

菅井:同じ車とはいえあんなにも乗りこなすなんて…。

○○:いや、相手が下手過ぎただけ。
   全然本気じゃないし。

菅井:あれで!?

○○:まず菅井さんの車だから
   ぶつけるわけにいかないしね。

菅井:だとしたらほんとにすごいよ!

○○:とりあえず、ぶつけずに済んでよかったよ。

菅井:ありがと!貴重な体験できてよかったよ!

○○:今回は失神しなかったね笑

菅井:もう!神本くん!

○○:あはは笑 ごめんごめん笑 じゃあ帰ろっか。

菅井:うん!

――

次の日…


森田:ゆっかー!

菅井:ひかるさん、保乃さん?どうしたんですか?

田村:昨日!ランエボとバトルしたってほんま!?

菅井:なんで知ってるんですか!?

森田:昨日たまたま峠にいた人が言ってたよ!

田村:んでどうなんや?勝ったんか?

菅井:勝ちましたよ?神本くんが。

森田:○○くんが?

菅井は事の次第を森田達に話した。

田村:クズやな、そいつら。

菅井:まぁでも、下りきったらそのまま
   帰って行きましたけどね。

森田:恥ずかしんでしょ。

田村:それでどやった?○○くんの隣は。

菅井:前に乗った時も思ったんですけど
   次元が違いすぎる…。

森田:それもそうだけど…

田村:どう?進展した?○○くんとの仲は笑

菅井:えっ!?

田村:危機的状況を助けた王子様…。
   かっこよすぎひん?

菅井:お、王子様///

“菅井さんのことは絶対誰にも渡さないから”

菅井は○○に言われたことを思い出していた。

森田:お~い。ゆっかー?

田村:これはなんかあったな?


土生:お~い、ゆっかー…ってどうしたの?

田村:あっ、土生ちゃん!

森田:ゆっかーが○○くんという王子様に
   助けられたって話を聞いてたらこうなった。

土生:何?笑 また言ってるの王子様って笑

菅井:は、土生ちゃん///

森田:へ~笑

田村:ゆっかー乙女やな~笑

菅井:もう~やめてくださいよ~///

――

櫻神峠…

ブーーン…

モブ:お、おいあれ!

モブ:はえー。でもここらへんでは見ないな…。

??:くっ、また現れないか…。“櫻神峠の白い彗星”

ブーン…

Next Sector…


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