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量産型の僕と高嶺の花の君

僕は○○。どこにでもいる普通の会社員。

一人暮らしで彼女もいない。会社での評価も平凡な量産型の人間だ。

毎日の生きがいもなく惰性で生きている。

そんなある日…。

プルルルル…

高校時代の友人の△△からの電話だ。

○○:もしもし?

△△:“おー○○!久しぶり!”

○○:久しぶり。どした?

△△:“今度同窓会あるからさ~。
   一応声かけて回ってんだ。来るか?”

○○:同窓会か…。

△△:“守屋さんも来るらしいぞ?”

○○:へ?

守屋さん…
守屋麗奈さんは中学の同級生で高校も一緒だった。

△△:“お前…ずっと好きだったもんな!”

そう。僕はずっと片思いしていた。

○○:で、でも彼氏がいただろ?まだ続いてんじゃね?

△△:“う~んそこまではわからん。”

守屋さんは高3の頃に彼氏ができていた。

僕は1年の頃から好きだったが勇気が出せずにいた…。

△△:“まぁとにかく来いよ!”

ピッ

守屋さんは成績優秀で愛嬌もあり男女問わず
人気で量産型の僕には不釣り合いな高嶺の花だ。

彼女に惚れていた男もいっぱいいた。

守屋さんのことだ…。
あの頃の彼氏と続いてもう結婚してんのかな…。

――

同窓会当日、会場…

結局来てしまった…。

きっとどこかで期待してるんだろう…。

△△:お~来たか!

○○:あぁ、まぁ暇だったからな。

△△:ったく素直じゃねーな。
   守屋さんが気になってんだろ?

??:私がなんだって?

○○:!!

△△:お~守屋さん久しぶり!

麗奈:久しぶり!あ!○○くんも来たんだ!

○○:ひ、久しぶり…。


久しぶりにあった彼女はアイドルと
言われても納得できる程可愛くなっていた。

△△:あ。あっちにも挨拶してこないと…。

そういってその場を離れようとする△△が僕の耳元で…。

△△:“お二人でごゆっくり!”

そうささやいた。

麗奈:それにしても久しぶりだね!元気にしてた?

○○:まぁね…守屋さんは?

麗奈:うん!元気だよ!

○○:そっか…。

麗奈:今何してるの?

○○:××商事の会社員だよ。

麗奈:え!?私□□出版で働いてるよ!

○○:隣のビルじゃん!

麗奈:ほんと偶然!でもよく今まで鉢合わせなかったね。

○○:そうだね。守屋さんは一人暮らし?

麗奈:ううん!実家だよ。

勤務先が隣ということは最寄り駅も一緒。

守屋さんの実家はうちの実家の近く。
距離的に通えない距離でもない。

僕は一人暮らしにあこがれがあったのでそうしている。

麗奈:○○くんは?

○○:僕は今一人暮らしだよ。

麗奈:実家には帰らないの?

○○:いや、今日はめんどくさいから実家に帰る。

麗奈:ほんと!?よかった~…

○○:?

麗奈:き、気にしないで!こっちの話だから…。

○○:う、うん…。

“あ!麗奈ちゃん!久しぶり!!”

麗奈:あ!▼▼ちゃん!

守屋さんは別の女子のところに行った。

守屋さんまだ実家暮らしなのか…。

ん?ということはまだ結婚してないのか?

手を見ても指輪をしていない…。

いや、まだしていないだけで彼氏はいるよな…。

昔から可愛かったけどその頃に加えてさらに
大人っぽくなっていた。

そんな人に彼氏がいない訳がない…。

――

しばらくすると同窓会も終わりの時間になった。

○○:さて、帰るか…。

麗奈:○○くん!

○○:守屋さん?

麗奈:一緒に帰らない?

○○:え!?

麗奈:今日実家にかえるんでしょ?家近くだし…ダメ?


○○:うっ…。

その上目遣い…反則だよ…。

○○:うん…帰ろっか…。

麗奈:うん!帰ろ、帰ろ!

――

帰り道…

○○:なんか久しぶりだな…ここを歩くのも。

麗奈:最近は帰ってきてないの?

○○:忙しくてね。

麗奈:ふ~ん。あ!もしかして~
   彼女さんと同棲してるとか?

○○:はぁ!?なんでそうなるの!?

麗奈:だって…職場まで通えない距離でもないから
   一人暮らしするのってそういう理由かなって…。

○○:一人暮らししてるのは元々憧れがあっただけ。
   彼女もいないし…

麗奈:え!?彼女いないの?

○○:うん。ずっといないよ。

麗奈:そうなんだ…。
   い、いや!前よりかっこよくなってるから…。

○○:あ、ありがと///

なんだろ…シンプルに嬉しい。

○○:そ、そういえば、守屋さんはか、彼氏とどうなの?

麗奈:え!?

○○:3年の時にいなかったっけ?

麗奈:あ、あの人とは…別れたよ?

○○:え!?

麗奈:私…浮気されててね…。それでね…。

○○:そっか…。

麗奈:私もそれ以来…。

○○:別れてよかったんじゃない?

麗奈:え…。

○○:守屋さんみたいな人がいながら浮気するなんて、
   そいつ見る目ないね。
   だから気にすることないよ。

麗奈:ありがとう…。

○○:ううん。思ったことを言っただけ。

麗奈:ふふっ笑 それでもうれしいよ!
   中身もかっこよくなったよね!

○○:…あんまりむやみにかっこいいって
   言わない方がいいよ?
   僕みたいなモテないやつは勘違いするよ?

麗奈:…勘違いじゃないかもよ?

○○:へ?

麗奈:もし…私が○○くんのこと好きだったらどうする?

○○:か、からかうのはよしてよ///

麗奈:ううん。からかってないよ?
   本当に○○くんのことが好きだよ?

そう言うと守屋さんが抱き着いてきた。

○○:え!?ちょっ、も、守屋さん!?

麗奈:高校の頃から好きだった…。
   アピールしてるつもりだったけど、
   ○○くんに全然気づいてもらえなかった…。

確かに…思い起こせば高校の頃、
よく話していた印象はある…。

麗奈:今日久しぶりに会った時、
   ○○くんのこと諦めきれてないことに
   気づいたの…。

○○:…。


麗奈:だから○○くん。私と付き合ってもらえますか?

○○:…はい。お、おねがいします!!

麗奈:ふふっ笑 よろしく!

○○:っ!?

気づくと僕は守屋さんと唇を重ねていた。

○○:も、守屋さん!?

麗奈:麗奈って呼んで!

○○:れ、麗奈?

麗奈:ふふっ笑 今まで我慢してた分…覚悟してよね♡


○○:は、はい…。

その後僕の家に麗奈のものが増えていき、
一緒に通勤するようになった。

そして…最近寝不足な上に腰が痛いです。


理由は…わかりますよね?

Fin

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