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もしも…好きだった家庭教師に再会したら…



大学に入って数ヶ月…


生活にも慣れ、サークルに入ったり
バイトもしたりとそれなりに充実している。

贅沢を言えば、彼女がほしいってくらいかな。


とある日…

先輩:なぁ〇〇?

〇〇:どうしました?

先輩:今度の土曜日って空いてるか?

〇〇:空いてますけど?

先輩:急な話でわるいんだけどさ、
合コンに来てくれないか?

〇〇:合コン?

先輩:そ。
来る予定だったやつが
来れなくなった見たいでさ〜。

〇〇:でも僕未成年ですよ?

先輩:大丈夫、大丈夫!
それにさ、相手は有名な女子大の子!
お前もそろそろ彼女とか欲しいんじゃないか?

〇〇:まぁそれは…

先輩:それじゃ決まり!!
詳細は追って連絡するから!

〇〇:わかりました…

有名な女子大か…

そういえば"あの人"も女子大だっけな…

--

合コン当日…

僕は指定された居酒屋に向かった。

先輩1:おーい!こっちだ!

〇〇:すいません!お待たせしました!

先輩2:大丈夫だ、
女の子達はまだ来てないから。
先に中入って待つぞ。

先輩に連れられ居酒屋に入った。
未成年だからかそれともこれから女性と飲むことに緊張しているのか席についても
ずっとドキドキしていた。

??:すいませ〜ん、遅れました〜!

〇〇:!?

席についてから5分後くらいに
女性達がやって来た。

その中の1人に見覚えのある人がいた。

女性達が席につくと、
自己紹介が始まった。

〇〇:えっと…〇〇です。
よろしくお願いします。

先輩1:そしたらそっち側もお願いします!

??:は〜い!石森璃花です!

??:中嶋優月です!

??:小田倉麗奈です。

〇〇:!?

ウソだろ…。

自己紹介を終えたのち頼んだ飲み物が運ばれ
それぞれ飲み始めた。

初めてビールを飲んだが、
目の前の事実が飲み込めず
味がわからなかった。

--

酒が入ってしばらく、突然の尿意に襲われ
トイレに駆け込んだ。

ジャー…

〇〇:ふぅ…

??:久しぶりだね!

トイレから出ると
一緒の席にいた女性に話しかけられた。

〇〇:お久しぶりです…"小田倉先生"


麗奈:ふふっ笑 もう先生じゃないよ!

〇〇:大体半年ぶりですかね…

見覚えがあった人。
そして今目の前にいる人。
この人は小田倉麗奈さんは僕の元家庭教師で
僕の…片思いした相手だ。

--

1年ほど前…

〇母:〇〇、ちょっといい?

〇〇:どうしたの?

〇母:あんたももう受験生でしょ?
だから家庭教師をつける事にしたの。

〇〇:えっ!?家庭教師!?

〇母:ほんとは塾に行かせようと
思ったんだけどそこまでお金がないからね。
とりあえず来週から来るからよろしくね。

〇〇:はぁ…

--

ピンポーン

〇母:〇〇ー!
家庭教師の先生来たと思うから出てくれるー?

〇〇:はいよ。


ガチャッ

麗奈:初めてまして!
今日から家庭教師をさせていただく
小田倉麗奈です!


聞けば大学2年生だそうだ。
高校生からすれば大学生ってだけで
大人にみえる。

それだけで僕が先生の事を好きになるには
充分だった。

--

麗奈:どう?

〇〇:これでどうですか?

麗奈:どれどれ〜…
うん!正解!

〇〇:よしっ!

麗奈:〇〇くん、実力だいぶついて来たね!

〇〇:先生のおかげです!

麗奈:ううん、〇〇くんがすごいんだよ!

〇〇:///

僕は元々勉強は好きではない。
でも今は先生に褒められたい。
その一心で頑張っていた。

--

〇〇:…。

麗奈:いよいよ合格発表だね…。

〇〇:はい…。

麗奈:大丈夫!
〇〇くんは頑張った!

〇〇:ふぅ…それじゃ確認します。

僕は大学のホームページから
合否の確認をした。


〇〇:…!?

麗奈:これ…だよね?

〇〇:合格…できました!!

麗奈:やったね!

〇〇:先生のおかげです!!

こうして僕は志望校に合格できた。


--


〇〇:今ここにいるのも、
小田倉さんのおかげですから。

麗奈:ううん。〇〇くんが頑張ったらだよ。
私は応援しただけ。

〇〇:それでもです。

麗奈:あれ?
でも〇〇くんってまだ20歳じゃないよね?

〇〇:そうなんですけど、先輩に無理やり…

麗奈:あー悪い子だ笑

小田倉さんはあの頃と変わらない
僕の好きな優しい笑顔だった。

〇〇:というか…
小田倉さんも合コンとかくるんですね。

麗奈:私も半ば無理やりかな笑
人数が足りなかったんだって笑

〇〇:一緒ですね笑

麗奈:でも…来てよかったかな。

〇〇:え?

麗奈:〇〇くんに久しぶりに会えたから。
私の…初恋の子に。

〇〇:えぇ!?

麗奈:私…ずっと中学から女子校育ちなの。
だから恋愛なんてしたことなかったの。
そんな時に〇〇くんに会って…
一生懸命に勉強する姿を見て…
好きになっちゃったの。

〇〇:…。

麗奈:でも家庭教師の決まりで
連絡先の交換は出来なかったの。
だから諦めてた。

〇〇:そう…だったんですね…

麗奈:だからこうして会えたのは嬉しい!

〇〇:…僕も…同じです。

麗奈:えっ!?

〇〇:僕が勉強を頑張れた理由…
それは小田倉さんに褒められたかったから…
大好きな人に褒められたかったからです!!

麗奈:大好きな…人?

〇〇:はい…
僕は小田倉麗奈さん…あなたのことが好きです。
僕と…お付き合いしてくれませんか?

麗奈:…うん!!

ギュッ🤝

〇〇:///

麗奈:ふふっ笑
ねぇ〇〇くん?

〇〇:はい//

麗奈:…抜け出そっか?笑

〇〇:え!?

麗奈:元々数合わせ同士だし…ねっ?

〇〇:…はいっ!!

麗奈:それじゃ…行こ?

僕は小田倉さんに手を引かれて店の外に向かった。

麗奈:あ!そうだ!

〇〇:?

麗奈:〇〇くんって…彼女いた事ある?

〇〇:ない…ですよ?

麗奈:私もいた事ないからさ…

〇〇:はい…

麗奈:勉強は教えれたけど…
恋愛は一緒に勉強しよ?ねっ?

〇〇:…はいっ!!

Fin

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