最近疎遠になっていた幼馴染が風邪を引いたら本音で喋りだした。
高一の初夏…
新しい環境にもそれなりには慣れてきた。
△△:よっ。
〇〇:おう。
登校し、自分の席で諸々準備していると
クラスメイトの△△がやって来た。
△△:相変わらず眠そうだな。
〇〇:お前もな。
ガラガラ
〇〇:あ、蓮加おはよ。
蓮加:ん。
今入って来たのはクラスメイトの岩本蓮加。
△△:なぁ、岩本さんてお前の幼馴染だよな?
そう。
俺と蓮加は幼馴染。
家も近く、幼稚園から一緒である。
△△:それにしてはさ、お前に対してそっけなくね?
〇〇:そうか?
△△:さっきの挨拶にしてもそうだし…。
なんかあんまり仲良さそうには見えねーんだよな。
〇〇:う〜ん…。
△△:なんなら少し避けてる?みたいな。
〇〇:え?
△△:お前と岩本さんあんまり話してるの見ないし…。
なんかしたのか?
〇〇:いや?特に心当たりはないけど?
△△:そっか。
ガラガラ
先生:おーい、席につけ〜。
△△:は〜い。
先生が来て、△△は自分の席に戻っていった。
確かに言われてみれば高校に入ってからは
蓮加と話す機会が減った。
前は普通に話したり、
一緒に帰ったりしていた。
最後に一緒に帰ったのは…
高校受験前くらいかな。
--
翌日…
登校時間ギリギリになっても蓮加は来ない。
ゲームが趣味の蓮加だ。
どうせ夜遅くまでやってて寝坊したんだろう。
ガラガラ
先生:お〜い、席につけ〜。
先生が来ても、蓮加は来なかった。
先生:え〜っと、今日は岩本が風邪で休みだ。
風邪?
あいつにしちゃ珍しいな…。
俺はこの日、蓮加のことが
ずっと気になっていた。
--
キーンコーンカーンコーン
〇〇:さて…帰るか。
先生:お〜い〇〇。ちょっといいか?
〇〇:はい?
先生:今日みんなに配った書類。
岩本に届けてくれないか?
家近かったよな?
〇〇:えぇ、まぁ…構いませんけど。
先生:そうか。じゃ、よろしくな。
--
学校を出て、蓮加の家に向かう。
とはいえ行くのは小学生ぶりかな…。
そんなことを考えていると、
蓮加の家に着いた。
ガチャッ
??:あら?〇〇くん?
〇〇:おばさん!お久しぶりです!
俺がインターホンを押そうとしたところで
家から蓮加のお母さんが出て来た。
蓮母:久しぶり!ちょっと見ないうちに
大きくなったわね〜。
それにカッコよくなったわね!
〇〇:え、あ、いや…
蓮母:うちに来てどうしたの?
〇〇:先生から書類を渡すよう頼まれたので…
蓮母:あら、ありがとう!
でもちょっと私買い物に
行かなきゃ行けないから
直接渡してもらえる?
家に上がっちゃっていいから!
〇〇:え!?
蓮母:じゃ、よろしくね〜!
〇〇:え、あ、ちょっと!!
そう言って、おばさんは行ってしまった。
〇〇:…仕方ない。
--
〇〇:ここ…だよな。
俺は昔の記憶を頼りに蓮加の部屋に来た。
コンコン
〇〇:蓮加?
…。
〇〇:…寝てるのかな。
反応はない。
〇〇:やむを得ん。
俺は蓮加の部屋に入った。
--
〇〇:おじゃましま〜す…
中に入ると整理された綺麗な部屋だった。
蓮加:zzz…
〇〇:やっぱ寝てる。
書類はここに置いとくか。
俺は机の上に頼まれた書類を置いた。
蓮加:zzz…
〇〇:蓮加…
俺は蓮加の眠るベッドの横に行き、
様子を見た。
久しぶりにしっかり顔見たけど、
可愛いな…。
高校で蓮加の事が気になってるって
話してる奴もいるらしいからな…。
〇〇:てか…なんで俺そんな事気にしてんだ?
蓮加:ん、ん…お母さん?
〇〇:あ…悪い。起こしちゃったか?
蓮加:へっ!?ま、〇〇!?
〇〇:お、おい!大人しく横になってろ。
風邪引いてんだから…。
蓮加:な、なんで〇〇がいるの!?
〇〇:先生に頼まれて書類を届けにきた。
そしたらおばさんに上がって渡してくれって。
蓮加:え、あ、ありがと…。
〇〇:体調は大丈夫か?
蓮加:うん…なんとか…。
〇〇:そっか…。
蓮加:はぁ…最悪…
〇〇:え…
蓮加:あ!いや、その…
〇〇:なぁ蓮加…
こんな時に聞くのもあれだけど
一つ聞いていいか?
蓮加:何…?
〇〇:俺の事…嫌いか?
蓮加:え!?
〇〇:高校に入ってからは全く話してないし、
今も最悪って…。
蓮加:…違う。
〇〇:え…
蓮加:嫌いじゃない…むしろ…
〇〇:むしろ?
蓮加:好き…大好き。
〇〇:え!?
蓮加:いつからかな…。
中3の頃には気づいたら好きになってた…。
〇〇:そう…。
蓮加:それに気づいたら
今までみたいに話せなくて…。
ついそっけなく…。
〇〇:そっか…話してない理由はわかった。
それでさっき最悪って言ってたのは?
蓮加:今のこの状態を見られたくなかった…。
寝起きで体調が悪い時の自分を…。
〇〇:なんで?
蓮加:す、好きな人には…
いっつも可愛く見られたいの!!
〇〇:お、おう…
蓮加:だからつい言っちゃったの…
〇〇:うん…わかった…
蓮加:ねぇ…〇〇は?
〇〇:え?
蓮加:〇〇は私の事…どう思ってる?
〇〇:どうって…
蓮加:私は…ただの幼馴染?
〇〇:それは…
蓮加:どう…?
〇〇:幼馴染じゃ…ないかな。
蓮加:え…
〇〇:高校に入って…蓮加の事が
気になってるって話してる奴が
いるらしいんだけど、
その話を聞くとさ…
なんかモヤモヤすんだよな。
蓮加:モヤモヤする?
〇〇:なんでだろうなって思ってたけど、
さっき蓮加の寝顔を見て思った…
蓮加の事が好きなんだなって。
蓮加:え…
〇〇:近くに居すぎて気づかなかった。
でも今日学校にいないだけで
なんか寂しかった。
それほどまでに…好きだ。
蓮加:///
〇〇:だからさ…俺と付き合って欲しい。
今までみたいに…
いや、今まで以上に一緒にいて欲しい…。
蓮加:…うん!
ギュッ
蓮加:いひひ笑
〇〇:ふふっ笑
蓮加:あぁ、ってかごめん!
抱きついたら風邪うつっちゃうよね…
〇〇:別にいいよ。
蓮加:でもそれは私がやだ!
〇〇:なら早く寝て早く治せ。
蓮加:うん、そうする…
〇〇:それじゃ…おやすみ。
蓮加:おやすみ!
--
翌日…
〇〇:いってきまーす。
ガチャッ
蓮加:よっ!
玄関から出ると蓮加が立っていた。
〇〇:蓮加!もう大丈夫なのか?
蓮加:うん!もー大丈夫!
〇〇:そっか。よかった。
蓮加:だってぇ〜私がいないと〜
蓮加は俺の前に立って顔を覗き込んでくると…
蓮加:寂しいんだもんね!笑
〇〇:えっ、あ、いや///
蓮加:いひひ笑
〇〇:くっそ…
昨日はあんなしおらしかったのに…
蓮加:ほ〜ら、行くよ!
ギュッ🤝
蓮加:こうすれば寂しくないでしょ?笑
〇〇:とか言って…
ほんとは蓮加が繋ぎたいだけじゃないの?笑
蓮加:え、いや、ち、違うよ!
〇〇が寂しいだろうな〜って!
〇〇:はいはい、そーですね。
お気遣い、ありがとーございまーす。
蓮加:むぅ…むかつく!
〇〇:お互い様な?
蓮加:…。
〇〇:…。
蓮〇:ぷっ笑 あはは笑
蓮加:なんか…いいね。
〇〇:うん。
ギュッ🤝
蓮加:それじゃ…行こ?
Fin
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