駆け抜ける坂道 Sector12
駆け抜ける坂道 Sector12<指南>
○○:俺に…ドラテク?
菅井:う、うん…。
○○:なんでまた急に?
菅井:神本くんやひかるさん見てたら
私も走りたくなってきて…。
○○:ひかるさんとかの方がいいんじゃない?
俺なんて走り始めたのなんてついこないだだし…。
菅井:相談したら、神本くんの方が速いし
車も同じだからそっちの方がいいって…。
○○:なるほどね…。
菅井:べっ、別に無理にとは言わないよ!
神本くんも由依さんのこととかで
忙しいだろうしもし迷惑じゃなかったらって
だけで…。
○○:…いいよ。
菅井:ふぇ!?
○○:いいよ。俺でよかったら教えるよ。
菅井:いいの…?
○○:うん。別に断る理由はないし。
菅井:本当!?じゃよろしくね!
○○:わかったよ。
菅井:じゃあまた連絡するね!
菅井は森田達のところに戻った。
菅井:はぁ~緊張した~…。
土生:よかったね!
田村:これで第一歩やな!
森田:恋もドラテクも頑張りな!
菅井:は、はい!
――
櫻神峠…
菅井:じゃあ、よろしくね!
○○:うん。さて、まずどうしよっか…。
田村:まず横乗っけてあげたら?
菅井:えっ!?
森田:一回お手本を見せるということで!
○○:なるほど、じゃあそうしよっか。
――
菅井:き、緊張する…。
遊園地のジェットコースターに乗る前みたい…。
○○:まぁ事故らないようにゆとりをもって走るよ。
ブン、ブーン…
土生:いってらっしゃ~い。
田村:さて、どうやろな…。
森田:初めてだとびっくりするだろうな~
――
一個目のコーナー前…
○○:さて…どんな風に走ればいい?
菅井:まず…ドリフトがみたいな。
○○:りょーかい。
○○はいつもの通りコーナーに進入するが…。
菅井:ちょ、速くない?
○○:ドリフトは少し速めに入らないと
できないから…ね!
○○の86が横を向きながらコーナーをクリアしていく。
菅井:キャアァァァァァ!!!!!!
○○:次のコーナー…来るよ!
次のコーナーも○○はドリフトしながらクリアしていく。
菅井:おぉぉぉぉぉ!!!!!
その次のコーナーもドリフトで…
菅井:いやぁぁぁぁぁ!!!!
――
櫻神峠、頂上…
ブーン…
土生:あれ?もどってきたかな?
田村:ふもとまで行ったにしては速すぎる…。
キキーッ
○○は田村たちの前で車を止める。
田村達が助手席を覗きこむと…
森土田:えぇーーー!!
失神している菅井の姿があった。
田村:し、失神してる…。
森田:や、安らかな寝顔だ…。
○○が車から降りる
田村:○○くん!これはどうしたの?
○○:その~菅井さんがドリフト見せてほしいって
いうのでドリフトしたら…。
森田:失神したと…。
○○:はい…。
田村:ちなみにいくつ目で?
○○は3本の指を立てた
森田:み、3つ!?
田村:それでこれに!?
土生:先が思いやられる…。
菅井:う、う~ん…。
菅井が気が付いた
○○:大丈夫?
菅井:あれ?私…。
田村:失神してたで?
菅井:え…。
森田:まぁ初心者にいきなり“櫻神峠の白い彗星”の
隣はきつかったかな~。
土生:ゆっかー、すごいいい寝顔だった笑
菅井:は、恥ずかしい…///
森田:でもそんなにすごいのか…。
菅井:記憶の限りだと私の知ってる車の
動きじゃなかった…。
田村:いいなぁ~
森田:じゃあ今度は私の横に乗って○○くんの走りを
見てみる?
○○:それって…ひかるさんがバトルしたいだけじゃ…。
森田:ばれたか笑
○○:まぁ菅井さんがいいならいいけど。
森田:ねぇ!ゆっかー!いくよね!
田村:圧がすごい笑
菅井:はい!お願いします!
森田:よしじゃあ行こう!
○○:はいはい。
その日から○○によるドラテク特訓教室が続いた。
――
ある日の大学…
土生:どう最近は?
菅井:うん。なんとか形にはなってきたけど
まだまだだね。
森田:そうじゃなくて…。
田村:○○くんとの仲だよ!
菅井:え、えっ!?
田村:だってぇ~あれからたまに2人きりで
走ってる時もあるやろ?
土生:少しは進展あった?
菅井:い、いや~…。
田村:あんまりグズグズしてられへんで?
森田:噂だけど…最近○○くんの人気が
急上昇してるんだよね。
田村:中には峠に行って走りを
よく見に行ってる人もいるみたい。
森田:ドラテク目当てか○○くん目当てか
わからないけどね笑
田村:だから早いとこ決めちゃわないと…。
取返しつかへんで?
菅井:はい…。
――
○○:よし…中々様になってきたね。
菅井:うん!神本くんのおかげだよ!
○○:どういたしまして。ところでさ…。
菅井:うん?
○○:菅井さんの夢って何?
菅井:私の夢?
○○:うん。小林さんと話したあとから
ずっと考えてるんだけど、中々わからなくてね…。
菅井:私は夢って言うか…目標みたいなものはあるよ?
○○:目標?
菅井:私の目標は誰かを支えられる…
そんな存在になりたい。
○○:誰かを…支える?
菅井:うん。何かに打ち込んでたり、
頑張ってる人を見てるのが好きで
その人のことを見てると
支えてあげたくなるんだよね。
○○:フフッ笑
菅井:どうしたの?
○○:いや。菅井さんが奥さんだったら
いい家庭になりそうだなって。
菅井:えっ///
そんな話をしていると1台の車が入ってきた
○○:ランエボか…。
ランエボが止まって、中から2人組の男が降りてきた。
その2人の風貌はいわゆる陽キャみたいな感じだった。
男1:ごめ~ん。ちょっといい?
男2:“櫻神峠の白い彗星”ってどこにいるか知ってる?
菅井:えっ!?
○○:今日は来てないみたいだけど…。
男1:なぁんだ、つまんね。
男2:まぁ、普通に考えて86がインプに
負けるとかねーよな笑
男1:インプのドライバーがへたくそなだけだろ?
男2:多分そうだな…
菅井:(ひどい…)
菅井が怒りに身を任せ、言い返そうとしたとき…
○○:…おい。
男1:ああん?
○○:お前らに小林さんの何がわかるんだ?
男1:へっ笑
だってインプ乗ってて86に負けるって
あり得ないっしょ笑
菅井:(何この人…)
○○:お前ら本当にそうだと思ってるのか?
男2:ああぁ、だって車の差は
かなりインプの方が絶対上だろ。
○○:お前ら…まだまだだな。
男1:はぁ!?
○○:ちなみに“櫻神峠の白い彗星”に会って
どうする気なの?
男1:そりゃ、バトルでしょ。
ランエボ乗ってて86に負けるとかないっしょ笑
○○:車だけで判断してるあたりが
まだまだっていってんの。
菅井:(神本くん…怒ってる?)
○○:そんなだと仮にバトルできても負けるだろうね。
男2:そんな訳ねーだろ。峠の王者はランエボだ。
○○:ふーん…。
男1:な、なんだよ…。
○○:車はよくても、腕がね…どうだか。
男1:俺がへたくそだって言いたいのか?
○○:別に?そこまでいってないけど。
男1:ふざけんな!もういい…
お前、俺とバトルしろ!
○○:ほ~
菅井:(まずいよ!今は神本くんの車じゃないし…。
どうするの!?)
Next Sector…
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