もしも…お見合いの相手が高校の同級生だったら…
とある料亭…
○○:はぁ…なんでこんなことに…
――
前日…
○○:お見合い?
○父:そうだ。
○母:あんたもいい年なんだから。
○○:でもなんで急に?
○父:実は…
俺の会社の社長に娘さんがいるんだがな?
その結婚相手を探してるらしい。
○○:え!?俺、社長令嬢とお見合いすんの!?
○父:まぁ、そういうことになるな。
○○:ちなみに拒否権は…。
○父:拒否権もなにも、もう日取りも決めてある。
○○:いつ?
○父:…明日。
○○:はぁぁぁぁ!?
――
急にお見合い、
しかも相手が親父の会社の社長令嬢…。
会場は高級料亭…。
どうすんだよ…絶対断れないじゃん…。
今現在彼女はいない。
かといって独身という事実に焦りはない。
最後に好きな人が出来たのは
高校生の頃だっけなぁ…。
まぁ相手はクラスのマドンナだったから
叶わない恋だったけどね。
○父:○○?大丈夫か?
○○:この状況で緊張するなって言う方が無理だろ。
○父:相手のお嬢さんも
お前と同い年らしいから気楽にいけ。
○○:そうはいってもな…。
コンコン
??:失礼します。
○父:ああ社長!おまちしておりました!
社長:いや~すまんね!道が混んでてね。
○父:いえ!大丈夫ですよ!
○○:はじめまして。○○と申します。
父がいつもお世話になっております。
社長:初めまして!ほら、お前も挨拶しな!
菜緒:初めまして。小坂菜緒と申します。
○○:●●○○と申します。
今日はよろしく…って小坂さん!?
菜緒:うん?あっ、って…
○菜:えぇぇぇぇぇぇぇ!?
――
社長:いや~
まさか菜緒と○○君が同じ高校とはね~。
○○:はは~…。
〇父:ほんと奇遇ですね!
社長:しかも、なかなかいい男じゃないか。
○○:あ、ありがとうございます。
○父:菜緒さんもとてもお綺麗ですね!
菜緒:ありがとうございます///
○父:○○もそう思うだろ?
○○:そ、そうですね…。
菜緒:///
え~っと…どういう状況だ?
今俺は親父の会社の社長の娘さんと
お見合いに来ている。
その娘さんとして僕の向かいに座っている人。
小坂菜緒さん…。
その人は同じ高校のクラスメイトで
俺の好きだった人。
いや、確かに小坂さんのお父さんが
社長ってのは聞いたことがあるよ?
でも自分の親が勤めてる会社の社長って
思わないじゃん?
ちょっと頭が混乱してます…。
お見合いということで小坂さんは
着物を着てきている。
すごく似合っていて綺麗だ…
社長:じゃ、とりあえず後は若い者同士で…。
○父:そうですね!
社長:じゃ菜緒。失礼のないようにな。
菜緒:もう!わかってるって!
○父:○○もな?
○○:わかってるよ…。
親父達は別室へと移動した。
今この部屋には二人きり。
○○:ひ、久しぶり…。
菜緒:うん…久しぶり…。
気まずい…というより恥ずかしい。
目の前にいる小坂さんは高校の頃よりも
きれいになっていた。
○○:高校卒業以来だね。元気にしてた?
菜緒:まぁぼちぼちかな。○○くんは?
○○:俺もそんなところかな。
それにしてもびっくりした。
菜緒:私もびっくりした。
同い年とは聞いてたけど…。
○○:にしてもまたなんでお見合い?
菜緒:お父さんがそろそろ結婚せえ!
って無理やり…。
○○:そっか…。
菜緒:だからごめんな?巻き込んで…。
お父さんも無茶なこというで。
普通社長が言うたら断れへんもんな。
○○:い、いや大丈夫だよ!
むしろ知ってる人でほっとした。
菜緒:そお?ならよかったけど…。
○○:でも意外だな。小坂さんがお見合いって。
高校の頃モテてたのに。
菜緒:ソ、ソンナコトナイヨ…。
○○:あの頃からさらにきれいになってるもん。
菜緒:ま、○○くんもかっこよくなってるで///
○○:あ、ありがと///
菜緒:…なぁ、ちょっと外あるかへん?
ずっと座ってるのも疲れるし…。
○○:そうだね。
――
ということで俺と小坂さんは料亭にある
中庭に来ていた。
大きい池の上に橋があったりなど
少し広めの日本庭園だ。
○○:お見合いって、小坂さんはこれが初めて?
菜緒:そやで?○○くんは?
○○:俺も初めて。
菜緒:そっか。でも○○くんでよかった。
○○:え?
菜緒:うち人見知りやから。
○○:あ、そういうことね。
一瞬期待をした自分が恥ずかしい…
○○:でもそんなに話した記憶なかったけど…。
菜緒:大人になって学生の頃の人と
会うとそれだけでも嬉しいもんやで?
○○:まぁ確かにな…。
菜緒:にしてもええ天気やな~。
○○:そうだね。
なんか今日お見合いって気がしない。
菜緒:そやな笑
それから中庭を歩きながら、
お互い高校を卒業してからの話をして盛り上がった。
菜緒:あ~なんか今日楽しいな!
ここ来るまでは憂鬱やったけど。
○○:俺も。昨日急に言われた時は
どうしようかと思った。
菜緒:…なあ○○くん?
○○:うん?
菜緒:その…高校の頃って好きな子おった?
○○:え!?
菜緒:ほ、ほら!
うちの高校結構かわいい子多かったやん?
○○:そうだね…。
確かにうちの高校はかわいい子が多かった。
文化祭の時は遠いところから来る人も多かった。
○○:うん。好きな人は…いたよ?
菜緒:そ、そっか…。
今目の前にいる君だけどね?
○○:こ、小坂さんは?
菜緒:う、うちもおったで?
○○:そ、そうなんだ…。どんな人?
菜緒:うち昔っから社長令嬢ってことで
そのことしか興味ない人が周りに多かってん。
でもその人は私のことを一人の女の子として
接してくれたんよ。
それでその人すごい優しい人やなって思ってん。
○○:なるほど。いい人だねその人。
菜緒:そ、そやね///
ま、○○くんの好きな人ってどんな人?
○○:そうだな~。すっごい可愛い人。
それでいて周りの人にも優しくて
気遣いのできる人かな。
菜緒:そ、そうなんや…。いいなぁボソッ
そんな話をしていると…
カツッ
菜緒:あっ!?
小坂さんが慣れない履物のせいなのか、
小石につまづいてこけそうになる。
○○:!!危ないっ!!
ガシッ
俺はとっさに小坂さんを抱き寄せた。
菜緒:あ、ありがと///
○○:ふぅ…だいじょうb…!?
ふと見るとすぐ目の前に小坂さんの顔があった。
その綺麗な瞳に吸い寄せられそうだ…。
○○:ああ、ごめん…ん!?
チュッ
次の瞬間、唇に柔らかい衝撃があった。
○○:ん…。こ、小坂さん?
菜緒:もう我慢できひん!
○○:え?
菜緒:さっき話した好きな人…○○くんやで?
○○:えぇ!?
菜緒:だから今日会えたの…奇跡やと思ったんや…。
○○:…。
菜緒:なぁ…うちを○○くんの彼女にしてくれへん?
○○:…うん。
菜緒:え?
○○:俺もさっき話した人…
小坂さんのことだから…。
菜緒:じゃあ…。
○○:僕の彼女になってくれませんか?
菜緒:はい!喜んで!
夢みたいだ…。
あの頃憧れた小坂さんが僕のことを
好きでいてくれたなんて…。
○○:これからよろしくね!小坂さん!
菜緒:…お。
○○:?
菜緒:菜緒って呼んで!!
○○:えぇっと…菜緒?
菜緒:へへ笑 な~に○○くん!
ギュッ
○○:うおっ!
菜緒:これからよろしくな?
○○:うん!
その後、
それぞれの親に報告したらものすごい喜んでた。
俺たちはそのまま結婚した。
それによって親父の上司になってしまったが…。
ま、いっか!
菜緒:○○~!
こんな可愛い奥さんがいるんだもん!
Fin
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