落ち着く場所
僕は○○。大学2年生。
今課題に追われています。
だけど家にいても大学にいても集中できない。
ということでいつも通っている喫茶店に行く。
カランコロン…。
??:いらっしゃいませ~。あ!○○くん!
この女性は今泉佑唯。この喫茶店の店員さん。
この喫茶店は佑唯さんのご両親が経営していて
佑唯さんも大学にいかず働いてるらしい。
佑唯:今日もあの席でいつもので大丈夫?
○○:はい。大丈夫ですよ。
佑唯:はい!かしこまりました!ではこちらへどうぞ!
僕はいつも窓際の席に座る。
課題とかやるのに一番集中できるから。
でももう一つ理由があって…。
佑唯:お父さん!コーヒーとプリンのセット一つ!
僕は佑唯さんに恋している。
ここに座るのは佑唯さんのことがよく見えるからだ。
佑唯:はい!おまたせ!
○○:ありがとうございます!
佑唯:また課題?
○○:そうなんですよ~
佑唯:がんばってね!
そういって佑唯さんは僕に満面の笑顔を向けてくれた。
○○:あ、ありがとうございます///
佑唯:コーヒー、おかわりほしかったら言ってね!
○○:わかりました!
佑唯さんはカウンターに戻って行った。
実際、ここのコーヒーは美味い。
それと佑唯さんの姿を見るだけで課題がはかどる。
――
○○:はぁ~。
ある日、僕はまた喫茶店に来ていた、だが気が重い…。
○○:どうしよう…。
佑唯:どうしたの?
○○:あぁ、佑唯さん…。
ちょっと困ったことがあって…。
佑唯:困った事?
○○:実は…。
――
大学にて…
△△:○○~
○○:どした?
△△:そろそろ彼女できたか?
○○:お前もしつこいな~。
△△:せっかく大学生になったんだから
彼女くらい作んねーと寂しいぜ?
僕はそのこの言葉になぜかカチンときた。
○○:い、いるよ!彼女くらい!
△△:ほんとか?どの学部の子だ?
○○:い、いやこの学校の子じゃない…。
△△:写真とかある?
○○:あ~そういえばまだ撮ってなかったな~。
△△:ふ~ん、ほんとにいんの?
○○:いるよ!あとで撮って送ってやるよ!
△△:言ったな?待ってるぜ~
――
○○:…というわけなんです。
佑唯:なるほどね…。
佑唯さんは考え込んだ後…。
佑唯:そうだ!ちょっとスマホ貸して!
○○:は、はい…。
スマホを渡すと佑唯さんはカメラを起動して…
佑唯:○○くん!こっち向いて!
○○:え!?
佑唯:私と撮って、私を彼女って言えば解決じゃない?
○○:で、でも…。
佑唯:私とその子は知らない訳だし、ばれないって!
○○:は、はぁ…。
佑唯:はいっ!撮るよ~
カシャッ
佑唯:はい!これを送ればオッケーでしょ!
○○:わ、わかりました…。
僕は撮った写真を△△に送った。
すると…
ピロン
○○:あ、返信きました。
佑唯:なんて来た?
○○:え~っと、“疑ってごめん!可愛い彼女じゃん!”
ですって!
佑唯:か、可愛い///
ピロン
○○:また来た…え!?
佑唯:今度は何?
○○:“今度ダブルデートしよーぜ!!”って…。
佑唯:ダ、ダブルデート!?
○○:どうしましょ…。
佑唯:…いよ。
○○:へ?
佑唯:ダブルデート…行こ?
○○:い、いいんですか?
佑唯:う、うん///
○○:でも、そこまで…。
佑唯:いいの!私…ほ、ほら!
高校出てすぐここで働いてるから
そういうの憧れるし…。
○○:じゃ、じゃあお願いします///
僕は△△に“行く”と連絡した。
――
ダブルデート当日…
僕は佑唯さんを迎えに喫茶店に向かった。
○○:“仮とはいえ佑唯さんとデート…緊張する…”
喫茶店に着くと店前に佑唯さんが待っていた。
佑唯:あ!○○く~ん!
○○:佑唯さん!お待たせしました!
店前に立っていた佑唯さんはいつもとは
違った印象で見とれていた。
佑唯:変…かな?
○○:そ、そんなことないです!すっごい可愛いです!!
佑唯:あ、ありがと///
○○:じゃあ行きましょうか!
僕は佑唯さんの隣に並んで歩き始めた。
しかし…
ギュッ…
○○:えっ!?
佑唯:今日は彼女ってことで行くんだし…いいよね?///
佑唯さんが真っ赤な顔で上目遣いしながらそういった。
○○:は、はい///
佑唯:それと敬語禁止!私のことも呼び捨て!
○○:う、うん…わかったよ。ゆ、佑唯///
佑唯:う、うん///行こ!
そうして僕らは手をつないだまま△△との
待ち合わせ場所に向かった。
――
待ち合わせ場所に着いたが△△達はまだいなかった。
○○:まだ来てないね。
佑唯:まぁゆっくり待とう。
ここに来るまでには緊張は少し解けて
普通に会話できるくらいにはなった。
佑唯:でも不思議だね。
いつも喫茶店でしか会わなかったのに
こうしてお出かけするのって。
○○:ほんと。まるで夢みたい…。
佑唯:えっ!?
○○:あぁ、えぇっと…。
僕なかなか女の子と出掛けることが無いから…。
佑唯:そうなの!?○○くんかっこいいから
モテると思うけどな~
○○:それは…。
その時…。
ピロン
○○:ん?△△からだ。
△△:“急でごめん!
彼女が具合悪くて今日いけそうに無い…。
本当にごめん!!”
○○:はぁ~。
佑唯:なんだって?
○○:△△の彼女が体調悪くなっちゃったみたいで
来れないって。
佑唯:そうなんだ…。仕方ないね。
○○:これからどうする?
合流してからのプランは△△に任せていたので
こうなってはノープランだった。
佑唯:せっかくだしこのままどっか行こ!
○○:わかった!
――
僕たちは遊園地に来ていた。
平日ということもあり、人はまばらだった。
佑唯:よっしゃ~楽しむぞ~!!
○○:ちょっと待ってよ、佑唯笑
佑唯は子供みたいにはしゃいでいた。
佑唯:ねね!あれ乗ろう!
ジェットコースターを指さしながらそういった。
――
ジェットコースター頂上付近
佑唯:高いね…。
○○:怖いの?
佑唯:ここまで高いとは思わなかった。
○○:じゃなんで乗ったの?
佑唯:それは…キャアァァァァァ!!!!
――
佑唯:…。
叫びすぎたのか佑唯はぐったりしていた。
○○:大丈夫?
佑唯:うん…。
○○:気を取り直してご飯食べよっか?
佑唯:うん…。
――
僕らはレストランに移動し、昼ご飯を食べた。
僕はカレー、佑唯はオムライスを食べていた。
佑唯:おいしい~!
○○:すっかり元気だね笑
佑唯:うん!
○○:でもなんであれ乗ろうっていったの?
佑唯:楽しそうだったから…。
○○:ハハッ笑 子供みたい笑
佑唯:ブー…
○○:まぁ気を取り直して、この後楽しめばいいよ。
佑唯:うん!
その後僕たちはいろんなアトラクションに
乗って楽しんだ。
――
○○:そろそろ閉園だね。
佑唯:ねぇ!最後あれ乗ろう!!
指差したのは観覧車だった。
○○:いいね!
僕らは観覧車に向かった。その間も手はつないだままだ。
――
佑唯:今日は楽しかった!!
○○:うん、そうだね!
僕らは観覧車のゴンドラの中で向かい合って座っていた。
佑唯:でもやっぱり不思議な感じ。
○○:何が?
佑唯:いままで喫茶店ででしか話さなかったのに
急に遊園地で遊んでるんだもん。
○○:確かにそうだね。
佑唯:ねぇ…隣…座っていい?
○○:えっ?別にいいけど…。
佑唯は僕の隣に座った。
佑唯:ねぇ今日って元々は彼女のふりってことで
私が来たよね?
○○:うん。そうだね。
佑唯:なんで彼女役引き受けたと思う?
○○:えっ!?
佑唯:それはね…?
私が○○くんのことが好きだからだよ?
○○:!?
佑唯:いつもお店で課題やってる時の真剣な顔。
私とたまにお話しするときに見せてくれる
優しい笑顔。
それが好きで仕事中もついつい見ちゃうんだ///
○○:佑唯…。
佑唯:だから○○くん…私と…
付き合ってもらえませんか?
○○:…はい。喜んで!!
佑唯:え!?
○○:僕も佑唯さんのことが好きです!
僕も佑唯さんが働いてる姿が好きで、
それを見ながら作業をしてると
不思議と集中できるんです!
だからいつもあの席なんです。
佑唯:○○くん…。
○○:だから今日こうして一緒にいれるのが
嬉しいんです!
佑唯:ありがとう…。私も嬉しい!
そういって僕らは抱き合った。
佑唯:○○くん…。
頂上に着いたあたりで僕らは唇を重ねた。
○○:佑唯さん…。
佑唯:ふふっ笑 また敬語に戻ってるよ!
○○:あぁ!ごめん!
佑唯:これからよろしくね!
――
5年後…。
佑唯:○○くん!コーヒートーストセット2つ!
○○:はいよ!
僕は佑唯の喫茶店で働いていた。
僕が就活を始める段階で佑唯のお父さんが
入院することになった。
命に関わるほどではないがしばらくかかるらしい。
佑唯のそばにいたいという思いと
他にやりたいことがなかったので
そのまま働くことにした。
――
○○:ふ~。
佑唯:今日もおつかれ!
○○:お疲れ。早く締めて帰ろっか。
佑唯:うん!
僕らは閉店作業を済ませ、家に帰った。
家と言っても店から5分も無いところに住んでいた。
それでも早く帰りたかったのは今日が記念日だからだ。
――
佑唯:今日で5年か…。結構経ったね。
○○:付き合い始めた頃は喫茶店で
働くとは思わなかったけどね笑
佑唯:ほんとにね笑 一緒にいれて嬉しいけどね!
○○:だったらさ…。
僕は佑唯の前に一つの小さな箱を出す。
佑唯:これって…。
○○:僕と結婚して、一生そばにいてくれませんか?
佑唯:…うん!絶対一緒にいる!!
○○:よかった…。
佑唯:ねぇ…指輪…はめてくれない?
○○:うん…。
箱から指輪を取り出し、佑唯の手を取って
左手薬指に指輪をはめた。
佑唯:綺麗…。
○○:佑唯の方がね…。
佑唯:やめてよ、急に///
○○:本心だもん!
佑唯:もう…。これからよろしくね?“あなた”♡
Fin
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