駆け抜ける坂道 Sector7
駆け抜ける坂道 Sector7<研鑽>
○○と森田のバトルが終わってから一か月…
○○はその日から一人で走ることもあれば
森田や田村と走っていた。
田村:またタイム上がったんちゃう?
○○:はい。おかげさまでラインが決まってきました。
森田:また負けた…。
田村:次は私や!
森田:ふぇ~ん…。
菅井:よしよし…。
菅井は泣きながら抱き着く森田の頭をなでる。
○○:もうなんか先輩後輩逆転してません?
田村:やっぱりうらやましいん?笑
○○:そ、そんなんじゃないでっすって///
田村:あはは笑
こんなやり取りをしながらもお互いを高めあっていた。
――
○○:そういえば…そろそろオイル交換しないとな…。
○○はそう思い、スマホで近くのショップを探し始めた。
○○:小林エンジニアリング…。ここにするか。
○○は小林エンジニアリングに向かった。
――
○○:すみませ~ん。
??:は~い。
中から同世代くらいの女性が出てきた。
○○:オイル交換お願いしたいんですけど…。
??:ありがとうございます。
この紙にお名前と車書いてもらえます?
○○:わかりました。
○○は紙に自分の名前と車を記入して渡した。
??:やっぱり…。君が噂の神本○○くんね。
○○:えっ!?
小林:初めまして。私は小林由依。同じ大学の4年だよ!
○○:そうだったんすね!
小林:ここ私の実家なの!
大学行きながらここで手伝いしてるの。
――
○○の86のオイル交換中…。
○○:そういえば、なんで僕の事知ってるんですか?
小林:こないだのひかるとのバトル見てたからね。
ひかるもたまにここに来るよ。
にしてもほんとうまいよね。
○○:ありがとうございます。
2人が話してると…。
??:ゆいぽ~ん!
小林:あ!理佐!
理佐:やっほ~。あれ?君って…。
○○:初めまして、神本○○です。
理佐:君が○○くんね。
初めまして、渡邊理佐です!
私もゆいぽんと同じ4年生!
??:お姉ちゃん!おいてかないで!
理佐:天が遅いからでしょ!
天 :あれ?この人は?
理佐:ゆいぽんが言ってた○○くんだよ。
○○くん?この子は妹の天。今高校3年生。
天 :あ~最近速いって話題の!
○○:そんな話題に上ってるんですか?
小林:そりゃね。今うちの大学の若手No.1ってね。
○○:そ、そんなことになってるんですか!?
理佐:ひかるに勝ったんだから当然でしょ。
それまでひかるがNo.1ってなってたんだから。
○○:はぁ~…。
小林:それでなんだけど…。
今度、わたしとバトルしない?
○○:え…?
小林:最近は走っても張り合いがなくてね。
理佐:ちなみにゆいぽんはうちの大学で最速だよ?
○○:そ、そうなんですか!?
小林:一応ね。返事は今すぐじゃなくていいよ。
これ、わたしの連絡先。
??:オイル交換おわったよ!
小林:お兄ちゃん。ありがと。
由介:君があの86のドライバー?いい線いってるね!
○○:あ、ありがとうございます…。
由介:これは由依もきついんじゃないか?
小林:私は負けないよ。
由介:ほ~自信家なことで。
小林:今日はありがとね。いい返事を待ってる。
○○:はい、ありがとうございました。
――
その日の夜の峠…。
○○:ひかるさん。
森田:ん?
○○:小林由依さんって知ってます?
森田:知ってるけど…会ったの?
○○:今日オイル交換しに
小林エンジニアリングに行ったら…。
森田:由依さんは櫻神峠の狂犬っていわれてる。
ものすごい速いよ。
○○:今度、もしかしたら小林さんと
バトルするかもしれないんです。
田村:そうなん!?すごいやん!
森田:あの人から申し込むことってそうそうないのに…。
○○:僕が勝てるんでしょうか…。
森田:正直なところ、厳しいバトルにはなるだろうね。
田村:由依さんも昔からカートやってたけど
それ以外にもジムカーナとかやってて
ドラテクは一級品。
走り方も狂犬って言う割にはクレバーな
走り方する人やで。
森田:それに少し走っただけで相手の弱点とか
癖をすぐに見抜くほどの天才…。
菅井:そんなすごい人が神本くんに…。
○○:なんで僕なんですかね…。
森田:何か感じるものがあったんじゃない?
――
理佐:どう思う?○○くんはバトルしてくれると思う?
小林:わからない。誘いに乗ってくれる確率は
40%くらいかな。来ればラッキーだけど。
理佐:でも珍しいね。ゆいぽんからバトルしようって。
小林:一回見たんだけど、今まで感じたことの
ないオーラみたいなのを感じたの。
理佐:ふ~ん。そういえば一緒に見てたけど
ゆいぽんの顔、すごい生き生きしてた笑
小林:久しぶりだよ。
初めて車に乗った時に感じた
わくわくといっしょだよ。
理佐:なんか楽しそう笑
小林:バトルできるといいな。
――
森田:で?バトルするの?
○○:まだ返事はしてないです。
森田:そうなの?
○○:まだ迷ってて…。
菅井:大丈夫だよ!!
○○:へ?
菅井:神本くんは速い!!そして強い!!
誰にも負けない!!!
○○:菅井さん…。
菅井:ひかるさんの時だってどうなるかわからないって
言ってたでしょ?
でも勝てた!だから今回も勝てるよ!
田村:(根拠ないやん!!)
○○:…ありがと。
菅井:だからバトル受けよ!
○○:うん!
森田:いいコンビだよね。
田村:あれで付き合ってないんやろ?
○○は小林にバトルを受けると連絡した。
――
ピロン…
小林:おっ。連絡来た。
理佐:なんだって?
小林:バトルするってさ。
理佐:よかったね!
小林:こうなったら早速作戦立てるよ!
理佐:うん。そういうと思って天に偵察に
行ってもらってるよ。
小林:仕事が早いね笑 てか高校生だけど大丈夫?
理佐:由介さんに付き添い頼んでるから大丈夫!
小林:だからいなかったのか。
理佐:これで本気でいけるよね。
小林:うん!久々だよ…。
理佐:絶対勝ってよね!
小林:もちろん!
――
○○:これで良し…。ひかるさん!
森田:?
○○:特訓…付き合ってもらえますよね?
森田:もちろん!
○○:じゃあ早速行きますよ!
森田:おー!
○○と森田が峠を下り始めた。
菅井:神本くん…。
田村:好きなん?○○くんのこと?
菅井:ふぇ?えっ。い、いや~その~。
田村:でもわかるな~。○○くん、かっこいいもん!
菅井:は、はい…。
田村:私も狙っちゃおうかな~。
菅井:そ、それは!!
田村:やっぱり好きやん笑
菅井:///
田村:頑張りや!
菅井:あ、ありがとうございます///
――
○○:こうなったら…やれるだけやってやる!!
○○は小林とのバトルに向けて気合を入れなおした。
以前まで抱いたことのない感情を胸に
○○はひたすら走った…
森田:ちょ速くない?
Next Sector…
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