もしも…校内No.1イケメン女子が幼馴染だったら…
〇〇:ふぁ〜あ…
高2なった春、心地よい暖かさが眠気を誘う。
△△:よっ。
〇〇:おう。
クラスメイトの△△がやって来た。
△△:いっつも眠そうだな。
〇〇:この陽気が気持ちいいんだよ。
△△:まっ気持ちはわかるけどな。
そんな他愛もない話をしていると
次第に学校に近づく。
"キャーー!!"
△△:今年も黄色い声援が飛んでますなぁ〜
〇〇氏〜?笑
〇〇:あれはお前じゃね?
お前イケメンなんだし。
△△:そーいうお前は鏡を見た事あんの?
イケメンってのはお前みたいのを言うんだよ。
〇〇:この顔のどこがいいんだかねぇ。
"ギャーーー!!"
俺らが女子の前を通り過ぎる頃、
悲鳴にも近いほどの歓声が上がる。
△△:"あの子"、来たんじゃね?
〇〇:あぁ、あいつか。
歓声の先を見るとある生徒が
女子に声をかけられていた。
女子1:ひ、平手さん!お、おはよ!
友梨奈:うん、おはよ。
女子2:き、今日もかっこいいです!
友梨奈:ありがと笑
"キャーー!!"
△△:なんか男子よりモテてね?
〇〇:確かにな。
△△:そーいや、平手さんと
お前って幼馴染なんだっけ?
〇〇:幼稚園から一緒だよ。
△△:2人揃ってイケメンかよ笑
〇〇:俺はともかく、友梨奈は
中学まであんな感じじゃなかったな。
△△:高校デビューってやつか?
〇〇:さあな。
高校に入ってからは
クラスも違うからあんまり話せてない。
△△:ふ〜ん。
〇〇:ただあれを見ると、
遠い存在に感じるよ。
△△:お前も匹敵するけどな。
〇〇:へいへい、お世辞ありがとう。
△△:あっ!てか宿題やってねー!
〇〇:ご愁傷様。
△△:なぁ〜見せてくれよ〜。
〇〇:ジュース一本。
△△:はい、喜んで!
〇〇:ったく、調子いいな。
〇△:あははっ笑
友梨奈:…。
--
ガラガラ
??:あっ!〇〇くんおはよっ!
〇〇:おはよ、長濱さん。
ねる:あ、△△くんも。
△△:俺はついでかよ!
ねる:あはは笑
ところでさ、今日日直で先生から
この箱を運ぶの頼まれたんだけど
多いから手伝ってくれない?
〇〇:まぁいいけど。
ねる:やった♪
じゃ後でね!
そう言って長濱さんは席に戻って行った。
△△:長濱さん可愛いよな〜。
〇〇:まぁ…な。
△△:にしてもなんで〇〇に頼んだんだ?
〇〇:知らんよ。
--
友梨奈:…はぁ。
今年もまた違うクラスだったな…。
せっかく〇〇と一緒の高校に来たのに
最近全く話せてない…。
〇〇の"好み"になったのに…。
"〇〇くんありがとー!"
友梨奈:?
私はその声のする方に向かった。
--
ねる:ほんとに助かった!
ありがとね!重かったでしょ?
〇〇:これくらい全然大丈夫だよ。
ねる:すごい!やっぱり男の子だね!
友梨奈:あっ…。
見ると〇〇が女の子と話している。
隣にいる子はいかにも女の子って感じの子だ。
やっぱりああいう子の方がいいのかな…。
どうしたら〇〇の隣に入れるんだろう…。
中学までは当たり前にいたのに、
今はなぜだか遠く感じてしまう…。
--
〇〇の事を考えているとあっという間に放課後になっていた。
ほんとなら〇〇と一緒に帰りたい…。
前みたいに隣に居たいなぁ…。
??:あれ?友梨奈?
友梨奈:えっ!?あ、〇〇!?
〇〇:友梨奈も帰りか?
友梨奈:う、うん💦
〇〇:そっか、なら久しぶりに一緒に帰るか?
友梨奈:えっ!?
〇〇:△△が先生に呼び出しくらって、
今日は1人だからさ。
友梨奈:な、なるほど。
〇〇:じゃ、帰ろうぜ?
友梨奈:う、うん!
--
〇〇:なんかこうやって帰るのも久しぶりだな。
友梨奈:そ、そうだね!
約一年ぶりに隣を歩く。
前はなんとも思ってなかったけど、
なんだかすごいドキドキする…。
〇〇:それにしても…
中学の頃から雰囲気変わったな。
友梨奈:えっ!?
〇〇:前は髪も長くて女の子って感じだったけど、今はかっこいいって感じだな。
友梨奈:そ、そうかな…。
〇〇:それですごい女の子から
モテてるもんな笑
友梨奈:…〇〇は?
〇〇:え?
友梨奈:〇〇は今の私…どう?
〇〇:どうって…男の俺でも
かっこいいって思うよ。
友梨奈:そう…。
〇〇:どうしたんだよ急に。
友梨奈:やっぱり…
もっと女の子っぽい方がいい?
〇〇:へ?
友梨奈:朝一緒にいた子みたいな。
〇〇:朝…あぁ、長濱さんのことか。
友梨奈:男の子ってやっぱり
ああいう子の方がいいよね…。
〇〇:まぁ…確かに長濱さんは人気高いよな。
友梨奈:…。
〇〇:ん?
友梨奈:あ、あのね…
今のこの感じなったのは…
〇〇がきっかけだよ?
〇〇:え?
友梨奈:中学の時に…
--
男子1:なぁなぁ!
あのアメリカの映画見た!?
男子2:あぁ、こないだ〇〇と
見に行ったよ。なっ?
〇〇:あぁ。
男子1:あの映画に出てくる女優さん、
めっちゃ綺麗じゃなかった?
男子2:あぁ!ショートカットでボーイッシュの人だろ!?
男子1:そうそう!
いいよなぁ〜。憧れるよな〜。
男子2:だよな〜。
〇〇もそう思わないか?
〇〇:えっ?まぁ…うん、そうだな…。
--
友梨奈:…ていう会話を聞いてたの。
〇〇:そういやそんな話してたっけな。
友梨奈:だから少しでも〇〇に
意識して欲しくてその人を目指したの。
〇〇:俺に意識してほしくて?
友梨奈:そ、そう…。
〇〇:そりゃまたなんで?
友梨奈:そ、それは…。
〇〇:?
友梨奈:〇〇の…事が…す、好きなの!!
〇〇:えっ!?
友梨奈:小さい頃は友達だって
思ってたけど中学に入ったころから
隣にいるとドキドキしてるの。
それで気づいたの、
私は〇〇の事が好きだって。
〇〇:…
友梨奈:でも〇〇はきっと私の事は
ただの友達としか
思ってないだろうなって思ったの。
だから〇〇の好みの人になって
気を引きたかったの。
〇〇:…。
友梨奈:でも朝、長濱さんと話してるのを
見てやっぱり女の子っぽい子が
いいのかなって思った…。
〇〇:…。
友梨奈:そりゃそうだよね。
こんな可愛げの無い子なんて…。
ギュッ
友梨奈:えっ…。
気づけば私は〇〇に抱きしめられていた。
〇〇:ありがとな。
俺の為に色々してくれて。
友梨奈:うん…。
〇〇:実はな、高校に入ってお前が
雰囲気変わって周りから人気なった時に
寂しさを感じたんだ。
遠いとこに行っちゃったみたいで。
友梨奈:…。
〇〇:それで気づいたんだよね。
俺は友梨奈の隣居たいんだなって。
友梨奈:えっ…。
〇〇:だから俺も言う…
お前の事が…好きだ。
改めて…隣に居させて下さい。
友梨奈:…うん。
〇〇:あとちなみに言っておくと…
今の雰囲気も悪くないけど
無理に続けなくてもいい。
俺はどんな友梨奈でも好きだから。
友梨奈:うん!ありがと!
--
翌日…
〇〇:ふぁ〜あ…
△△:よっ。
〇〇:おう。
△△:今日も相変わらずぼけっとしてんな。
〇〇:しょうがねーだろ。
ちょうどいい気温なんだよ。
"〇〇!!"
"ある女子"が俺を呼ぶ。
〇〇:おう。おはよ!
??:おはよ!
△△:え?
誰!?この可愛い子!?
〇〇:ん?あぁ、友梨奈だよ。
△△:は、え、えぇ〜〜〜!!!
あの男よりイケメンって言われてる
平手さん!?
〇〇:そ。
友梨奈:ほら!早く行くよ!
遅刻しちゃう!
〇〇:はいはい。
ギュッ🤝
〇〇:てことでじゃあな。
△△:ポカーン😮
俺は口を開けたまんまの△△を置いて、
友梨奈と登校した。
--
放課後…
〇〇:さて、帰るか。
ガラガラ
友梨奈:〇〇!帰ろっ!
〇〇:あぁ。
△△:お前らのこと、
もう学校中知れ渡ってるぞ?
〇〇:そうなの?
△△:美男美女カップル爆誕ってね。
前まで平手さんファンだった子も
2人のファンになった見たいだぞ?
〇〇:ふ〜ん。
友梨奈:まっ、気にしないけどね!
ギュッ🤝
友梨奈:帰ろっ?
〇〇:うん。
俺はイケメンなお前でも
可愛いお前でもどっちでもいい。
俺は友梨奈らしい友梨奈が好きなんだ。
ねる:むぅ…。
Fin
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?