もしも…ちっちゃくて可愛い上司が居たら…
部長:○○!前に出してきた資料、直してくれ!
○○:はい…わかりました…。
社会人二年目の僕は今日も今日とて怒られてます。
○○:はぁ…。
自分の席に戻り落ち込んでいると…
??:○○くん?大丈夫?
○○:ああ、森田さん…。
ひかる:また部長に怒られちゃった?
この人は一年先輩の森田ひかるさん。
○○:まぁ…そんなとこです…。
ひかる:今度はどしたの?
○○:こないだ出した資料がダメだって…。
ひかる:どれどれ?
森田さんが僕の作った資料を見る。
ひかる:う~ん、そんな悪くないとおもうけど…。
○○:そう思うんですけど…。
ひかる:強いていうならここの部分くらいかな。
○○:ここですか?
ひかる:そうそう!ここは…。
僕は森田さんのアドバイスを元に資料を作り直した。
○○:ありがとうございます!
ひかる:どういたしまして!頑張ってね!
そう言って森田さんは自分の席に戻って行った。
森田さんは仕事のできる人だ。
それに…年上にこういうのも失礼だが…
ちっちゃくてかわいい。
そのうえ明るい性格なので社内で人気な人だ。
――
部長:お~い○○!
○○:はい!
部長:急で悪いんだが、
次の会議に使う資料を作ってくれないか?
○○:はい…って!次の会議って週明けですよね?
今日は金曜日。
次の会議の予定は休み明けの月曜日だ。
部長:そう。その会議で使う資料だから、
月曜の朝までには出しといてくれ。
○○:はい…。
――
○○:はぁ…。
資料作りに追われる僕は残業していた。
時計の針はもうすぐ19時半を指すところだ。
うちの会社は17時が定時なので
かれこれ2時間以上残業している。
今この部署には僕しかいない。
○○:えぇっと…ここは…。
??:あれ?○○くん!?
声のする方を向くと…
○○:あれ?森田さん…どうしたんですか?
ひかる:忘れ物があって取りに来たんだけど…
もしかしてずっと残業してた?
○○:はい…月曜の会議の資料を作ってまして…。
ひかる:ええ!?
今度の会議って結構重要な会議だよね?
○○:ですので量が多くて…。
ひかる:それを一人で?
○○:はい…月曜の朝までに…。
ひかる:まったく…あの部長何考えてんだか…。
そう言って僕の隣の席に座り…
ひかる:今どこまでやってる?手伝うよ!
○○:そんな!いいですよ!
あと3割くらいなので…。
ひかる:いいからやろ!2人でやればすぐ終わるよ!
○○:そうですけども…
ひかる:いーいーかーらーはーやーくー!!
○○:わ、わかりました…。お願いします…。
半ば強引に手伝ってくれることになった。
捉えようによってはパワハラかもしれないけど
可愛いパワハラだ。
――
ひかる:終わった!!
○○:こっちも終わりました…。
ひかる:ね!2人でやればすぐでしょ?
時計は20時を少し回った所、
一人でやっていたらもっとかかっていただろう…。
○○:ほんとに助かりました!
ありがとうございました!
ひかる:えっへん!
森田さんはドヤ顔していた。
ひかる:そだ!○○くん、この後予定ある?
○○:いえ?特にないですよ?
ひかる:じゃあさ!これから飲みにいかない?
○○:ええっと…。
ひかる:いいから!行こ!
○○:…はい!
――
ひかる:かんぱーい!
僕と森田さんは会社近くの居酒屋に来ていた。
ひかる:ゴクゴク ぷは~!
○○:いい飲みっぷりですね。
ひかる:疲れたときのアルコールは染みる~
○○:発言がおっさんみたい笑
ひかる:むっ。失礼な!まだまだピッチピチだぞ!
○○:確かに。
ここに入る時年齢確認されてましたもんね笑
ひかる:こら~!いじるな~!
○○:あはは笑 すいません笑
ひかる:ところで最近仕事はどう?
○○:やっと慣れてきたって感じですかね。
まだ怒られますけど…。
ひかる:でも仕事量は○○くんの期の中では
多いよね?
○○:まぁ頼まれたら断れない損な性格なもので…。
ひかる:そっか…
○○:でも森田さん、いつも助けてくれますよね?
なんでです?
ひかる:そ、それは…
困った人が居たらほっとけないからね!
○○:いつもいつもありがとうございます。
ひかる:どーいたしまして!
その後、酒が進み…
ひかる:○○く~ん、のんでるぅ~?
○○:森田さん、飲みすぎですって!
ひかる:じぇんじぇんらいじょうぶだよ~?
○○:こりゃだめだ…。
ひかる:あはは~笑
なんかめっちゃ笑ってるし…。
時間は気づけば23時ちょっと前だ。
僕はお会計を済ませ、森田さんを抱え店を出た。
○○:森田さん!帰りますよ!
ひかる:おうちどこー?
○○:それはこっちのセリフですよ!
僕、森田さんの家知りません!
ひかる:じゃあ○○くんちにいこー!
○○:はぁ!?何言ってんすか!?
ひかる:だーかーらー!○○くんち!
○○:えぇ…。
ひかる:あ!もしかして~
見られちゃいけないものとかある~?笑
○○:い、いやそういう訳じゃ…。
ひかる:じゃーいこー!
――
ガチャッ
ひかる:おっじゃましまーす!!
…上げてしまった。
まぁあのまま置いていく行くわけにも
いかないしな…。
○○:とりあえず!
水持ってきますからソファーに座っててくださいね!
ひかる:はーい!
子供みたいな返事をして森田さんは
ソファーに座った。
そういうところは可愛いと思う。
台所から水をもって森田さんのところに戻った。
○○:はい。これ飲んでください。
森田:ありがとー!
水を受けっとった森田さんは一気に飲み干した。
森田:ぷはー!
○○:ほんと。いい飲みっぷりですね。
森田:えへへ~。ほらっ!こっち!
森田さんはソファをポンポンとたたく。
○○:えぇ…しかし…。
ひかる:ほーら!来て!
○○:はぁ…わかりました。
僕は森田さんの隣に座った。
ひかる:それにしても~
女の子を家に連れ込むなんて悪い子だね~笑
○○:それは…森田さんが駄々こねるから…
ひかる:ふふっ笑
森田さんは少し笑うと僕の耳元に近づいてきて…。
ひかる:本当に断れない性格なんだね。ボソッ
○○:え?
ひかる:気を付けないと大変なことになっちゃうよ?
もうすでに大変なことになってますが?
ひかる:特にこうやって家に連れ込むなんてね。
私じゃなきゃ通報されちゃうかもよ?
○○:はい…って私じゃなきゃって?
ひかる:だって私、始めから○○くんの家に
来るつもりだったからね?
○○:…はい?
ひかる:○○くんのことだから
酔ったふりしていれば入れてくれるかなって。
○○:???
どういうことだ?
なんで森田さんが僕の家に来たがるんだ?
ひかる:なんで来たがってるのかって顔してるね?
○○:はい…。
ひかる:それはね?
○○くんのことがすきだからだよ?
○○:………はい?
ひかる:熱心に仕事してる時の顔はかっこいいし…
仕事がうまくいったときの喜ぶ顔は可愛いし…
落ち込んでる時の顔を見ると
よしよししたくなるし…。
○○:…。
ひかる:だから…
そんな○○くんを独り占めさせてくれない?
○○:…はい。
ひかる:断れない性格だからって言い訳しない?
○○:これは…僕の本心です。
ひかる:やったー!
ギュッ
森田さんが勢いよく抱き着いてきた。
ひかる:えへへ~ これで独り占めできる~。
スリスリ
抱き着いてきた森田さんは僕の胸のあたりで
ほっぺをすりすりしてくる。
ひかる:あ~…○○くんの匂いだ~…えへへ…
○○:あの~森田さんって…変態?
ひかる:む!失礼だな!えい!
○○:うおっ!?
ドサッ
僕は森田さんに押し倒された。
○○:も、森田さん!?
ひかる:ん?
○○:その…酔ってます?
ひかる:さっきいったでしょ?酔ったふりって。
○○:えぇっと…。
頭が追い付かない…。
ひかる:○○くん…。
チュッ
混乱していると唇に何か当たった。
○○:ふぇ!?
ひかる:ふふっ笑 可愛い笑
森田さんは微笑むと僕にもたれかかり、耳元で…
“断れない性格、損ばかりじゃないでしょ?”
Fin
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