漁師が釣ったのは魚だけでなく…
ボー――――――…
私は大沼晶保。
地元の港町の漁協がやっている食堂で働いている。
この食堂は漁で獲れた新鮮な魚介類が売りで
そこそこ繁盛している。
私がここで働いているのは私のお父さんが漁師だから。
晶保父:お~い、帰ったぞ~!!
晶保:あ!お父さんお帰りなさい!
晶保父:あ~疲れた…○○!!
飯食ったら明日の準備だからな!
○○:はい!わかりました!おやっさん!
晶保:○○もお帰り!朝早くからお疲れ!
○○:ただいま!晶保!
この人は幼馴染の○○。
今はお父さんが船長をしてる第四十六櫻丸の船員。
そして…片思い中の相手でもある。
晶保:ご飯出来てるよ!
○○:いつもありがとね。
晶保:ううん!○○達が獲ってくるお魚のお陰で
この食堂は成り立ってるし、
○○の方が朝早いから大変でしょ。
○○:まぁ俺も仕事だしね。
さて早く食べないとおやっさんに怒られる。
晶保:お父さん○○に厳しすぎるよ…。
あとで言っとかないと!
○○:ガキのころから知ってるからね。仕方ないだろ。
晶保:でもね~…。
○○:まぁとりあえずご飯もらうよ。
晶保:ちょっと待ってて!今持ってくる!
――
晶保:はい!お待たせ!
○○:ありがと。おっ!竜田揚げだ!
晶保:ふふっ笑 ほんと好きだよね。
○○:モグモグ…だってうまいんだもん。
晶保ってほんと料理うまいよな。
晶保:そんなことないよ///
○○:謙遜すんなよ。
これが楽しみで漁を頑張ってんだから。
晶保:えっ!?
晶保父:お~い!○○!!
○○:はい!今行きます!晶保、ごちそうさま!
そう言って○○はお父さんと明日の漁の準備に行った。
○○は小さい時からずっと一緒だった。
あいつは本当に優しいやつ。
小学生の頃に道に迷ってしまって暗い夜道で
泣いてた所に来てくれて一緒に帰ってくれた。
中学生の頃は海辺を歩いてた時につまずいて
海に落っこちゃったら真っ先に飛び込んで
助けに来てくれた。
そんな優しさにひかれていつしか好きになっていた。
この食堂で働くのを決めたのも
○○のそばにいたいから…。
そんな私の気持ちを知ってか知らずか○○は
毎日私が作ったご飯を食べて毎回美味しいって
笑顔で伝えてくれる。
漁で日に焼けた浅黒い顔で爽やかな笑顔…。
彼に対する私の思いは日に日に強くなるばかりだ。
――
今日は漁がお休みなので食堂もお休み。
でも私は海を眺めるのが好きで港に来ていた。
晶保:う~ん。いい天気!
○○:お。晶保じゃん。
晶保:あ。○○。
○○:こんなとこでなにしてんの?
晶保:海眺めてた。
○○:ほんとに海好きだな笑
晶保:そういう○○は?
○○:暇だから散歩してたとこ。
○○は私の隣に座ってきた。
晶保:どう?漁師は慣れた?
○○:少しずつね。まだ全然。
晶保:そう言えば…なんで漁師になったの?
○○:この町に生まれたからかな。
おやっさんとか見ててかっこいいと思ってね。
晶保:え~お父さんみて?笑
○○:そうだよ笑 海も好きだしね。
晶保はなんで食堂に?
晶保:私も海が好きだし、料理も好きだから…。
○○:そっか…。
晶保:ねぇ、○○…。
○○:ん?
晶保:昔さ、私が海に落っこちた事あったよね?
○○:そう言えばそんなことあったな…。
晶保:助けてもらってあれだけどよく飛び込んだね。
○○:まぁ必死だったしね。
晶保:実は…あの時から○○のこと…好き…なんだ…。
○○:えっ…。
晶保:食堂で働いてるのも○○のそばにいたいから…。
だから私と付き合ってください!!
○○:晶保…。ありがとう。こちらこそよろしく!
晶保:え…。
○○:俺も…好きだ…。
漁から帰ってきて晶保の顔を見ると安心する…。
だからこれからもよろしく!
晶保:…○○!!
私は○○に抱き着いた。
○○:えっ、ちょ、ああ!!
バシャーン…
勢いが強かったせいで2人して海に落ちた。
○○:…プハー!おい晶保!大丈夫か!
晶保:…プハー!うん、大丈夫…。
○○:ったく…。
晶保:また落ちちゃったね。
○○:しょうがねーな…。
○晶:あはは笑
――
お父さんに報告したら…。
晶保父:○○…本当か?
○○:おやっさん…本当です。
晶保父:泣かしたら…わかってんだろうな?
○○:はい!絶対にそんなことはしません!!
晶保父:わかった。認めよう。
○○:おやっさん!ありがとうございます!
…と無事に認められました。
私は今、大好きな海と○○と仕事が出来て幸せです!
Fin
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