見出し画像

王道な恋って叶いますか? Scene8

王道な恋って叶いますか? Scene8 <覚悟>

練習試合から数日後…

サッカー部は学校にある一番大きな教室に集められた。



設楽:えーこれから、これから始まるインターハイ予選の
   登録メンバーを発表する。

一同:はい!

設楽:まずGK…



設楽:MF!小林○○。上村侑己…

設楽:FW!秋山拓馬。小西駿介…以上、20人だ!
   選ばれたメンバーは選ばれなかった人の分の思いを
   背負って戦うように!
   選ばれなかったメンバー自分たちの代表を
   全力でサポートするように!

一同:はい!

メンバーが発表されその場は解散となった。

駿介:小林先輩!

○○:ん?駿介、どうした?

駿介:俺…選ばれました!

○○:まぁ、当然だろ。

駿介:へ?

○○:お前はうちにはいないタイプのFWだ、
   技術もそれなりにある。
   先発はないにしてもジョーカーとしての起用なら
   十分にあり得る。自信持て。

駿介:はい!ありがとうございます!

拓馬:同じポジションとしては気が気ではないけどね笑

――

メンバーが発表されてから部員は練習に一層気合が入っていた。


京子:皆さんすごい気合ですね!


理佐:まぁ、初戦までもう時間ないしね。


真佑:今年こそは行きたいですね!全国!

理佐:それもあるけど…

京子:けど、どうしたんですか?

理佐:このインターハイの後にU-18の代表遠征
   があるからね。
   ○○君と拓馬君は候補に入ってるらしいから
   アピールする意味でも重要になる。

京子:日本…代表…。

真佑:まぁ、2人は前の世代の代表には
   選ばれてましたけどね。

やっぱりすごいな…○○先輩…。日本代表って。
そんな人を支えるって並大抵の覚悟じゃできないよね…


真佑:愛しの人が遠く感じる?

京子:へっ!?

真佑:相手は日本代表、自分はただの高校サッカーの
   マネージャー。
   世界がちがうなぁ~って?

京子:真佑先輩ってエスパーですか?

真佑先輩と話していると…

理佐:なになに~?京子ちゃん、○○君のこと好きなの?

真佑:そうなんですよ~!

京子:ちょっ!真佑先輩!

理佐:ふ~ん…なるほどね~笑

え…理佐先輩も乗り気?

理佐:まっ、頑張んな!
   今は少なくともファンクラブの子より
   リードしてるみたいだし。

真佑:どうゆうことですか?

理佐:○○君、京子ちゃんと話してる時の顔。
   なんて言うのかな…安心してるというか、
   信頼しきった顔してるんだよね。

真佑:理佐さん、京子ちゃんショートしてます。

えっ、ちょっ、理解が追い付かない…

○○先輩が私にしか見せない顔があるって事!?

理佐:お~い、京子ちゃ~ん。

京子:あ、あっはい!

理佐:さ、ガールズトークはこの辺にして仕事!

京真:はい!

――
インターハイ初戦の1週間前…

設楽:よし。今日はここまで!

一同:お疲れさまでした!

○○:よし、今日はあれやるかな…

京子:小林先輩!今日も残るんですか?

○○:斎藤さんか。うん、もう少しやっていく。

京子:なにか手伝いましょうか?

○○:悪いよ。遅くなっちゃうし…

京子:選手のサポートがマネージャーの務めです!
   それに遅くなっても帰り道は先輩と一緒なんで
   安心です!

○○:わかったよ…うーん、あっ!じゃあ、
   俺が合図したら俺の少し前にボールを
   投げてくれないかな?場所はばらついてもいい。

京子:投げるんですか?

○○:そう。練習の時に選手同士でパス出すと
   ある程度一定になっちゃう。
   だから、齊藤さんみたいに経験してない人に
   出してもらう方が実践に近い練習ができる。

京子:なるほど!わかりました。

○○:OK!じゃよろしく!

そういって○○先輩は離れていった。

○○:よし!投げて!

京子:はいっ!

私は○○先輩の5メートルくらい前にボールを投げた。

○○:ふんっ!

○○先輩はダイレクトでゴールの少し前の四角に
置いてあったカラーコーンのとこに蹴った。

○○:よし!もう一本!

京子:はいっ!

私はひたすらに投げた。

――

真佑:○○くんまたやってる。

理佐:あっ、京子ちゃん。

真佑:ふふっ笑一歩前進ですね。

理佐:ふふっ笑そうだね。あっ、ゆいぽんに写真送ろっ。

――

一時間後…

○○:ふーっ、こんなもんかな。

京子:ぜーはっ、ぜーはっ…

○○:斎藤さん、ありがとね!

京子:いえっ…大丈夫です…

○○:帰ろっか。

京子:はい!

私達は着替えて帰った。

――

京子:いつも居残りの時あの練習してるんですか?

○○:まぁ、いつもはボール置いてやってるけどね。
   だから今日はいつもより効果的だったよ。

京子:お役に立ててよかったです!

○○:あっ、ちょっとまってて!

そういうと○○先輩はコンビニに走って行った。
数分後…

○○:お待たせ!

京子:いえ…

○○:はい!これ!

○○先輩が飲み物を差し出してきた

京子:これは…?

○○:今日のお礼!

京子:そんな…大丈夫ですよ!

○○:いいから!はいっ!

○○先輩は私の手を掴んで飲み物を握らせた。

京子:えっ、あっありがとうございます!

そんなことより、手!手!繋いじゃってる!

○○:どういたしまして!

そういって、先輩は手を離した。

京子:あっ…

○○:ん?

京子:い、いえ!てかなんでいちごミルク何ですか?

○○:疲れたときは甘いものでしょ?
   姉貴もよく飲んでるし。

京子:由依先輩がですか?なんか意外…

その後、○○先輩と話していると…

京子:じゃ、私こっちなんで!

いつも通り別れようとすると… 

○○:今日は家まで送るよ。暗くなってきたし。

京子:えっ、そんないいですよ!

○○:いいから!
   斎藤さん可愛いから何かあるかもしれないし。

京子:えっ!?

○○:うわっ、どうかした?

京子:いえ、何もありません!

○○:そっか。じゃいこっか。


今可愛いって言った?

○○先輩が私のこと可愛いって言った?

嘘…聞き間違いじゃないよね!?

その後の会話の内容は覚えてない。



○○:そろそろ斎藤さんの家着くかな?

京子:あ、ここです!

○○:じゃ、また明日!おやすみ!

京子:はい!おやすみなさい!

○○先輩は私が家に入るまで見送ってくれていた。

私はそのまま自分の部屋に入った。

京子:可愛いって言われた…。
   これって期待していいのかな?

その時に飲んだ○○先輩からもらったいちごミルクは
いつもより甘酸っぱく感じた。

Next Scene…


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?