王道な恋って叶いますか? Scene9
王道な恋って叶いますか? Scene9 <キックオフ>
私が○○先輩の居残り練習の手伝いを始めてから1週間…
インターハイ予選の初戦の日。
私達坂道学院はシードの為、
予選トーナメントの2回戦から始まる。
設楽:今日から予選だ!お前らの目標は全国制覇…
わかってるな?
一同:はい!
設楽:そのために辛い練習を重ねてきた!そうだろ!
一同:はい!
設楽:勝つのは誰だ?
一同:俺たちだ!!
設楽:よしっ!いくぞ!
一同:オーーー!!
――
京子:始まるんですね…
理佐:なんで京子ちゃんまで緊張してるのよ…
京子:いや…そのっ…
真佑:○○くんと夜まで一緒だったもんね!
京子:真佑先輩、言い方に語弊があります。
私達マネージャーは観客席で試合を見ていた。
優佳:初戦の相手は茂原実業ね。
一回戦を3-2で勝った、攻撃力のあるチームね。
京子:でも、うちも攻撃力が売りのチームだよね?
優佳:確かにうちとタイプは似てる。
でも守備の面ではうちの方が何枚も上、
たぶん1点取られるかどうかじゃない?
京子:そうなの?
真佑:そうだよ!愛しの○○くんを信用しな!
京子:もう!真佑先輩!
理佐:ほらっ!試合はじまるよ!
グラウンドを見ると、選手達が整列していた。
京子:(○○先輩…頑張って!)
ピー
試合が始まった。
試合展開は優佳の予想通りに坂道学院のペースだった。
○○:拓馬っ!
拓馬:OK!
○○先輩のパスを秋山先輩が決める。
そのパターンで前半で2-0となった。
茂選:くそっ!全然ボールがとれないっ!
茂選:これが日本代表候補か…
___
設楽:よし、後半からはもっと攻める!小西!
駿介:はい!
設楽:後半あたまから行くぞ!
駿介:はい!
___
理佐:初戦とはいえ、さすがね。
真佑:ほとんどこっちのボールですもんね。
京子:(やっぱり、すごい!○○先輩!)
優佳:後半が始まる!
後半は秋山先輩と小西くんのツートップか…
理佐:小西くん、このままいけばレギュラーかもね。
___
駿介:ふぅー…
○○:緊張してんのか?
駿介:あっ、小林先輩!実はちょっと…
○○:まぁ公式戦は初めてだもんな。
でも、心配すんな。
必ずお前の足元にボールを送る。
あとはそいつをゴールに叩き込め。
駿介:はい!
後半が始まると坂道学院の猛攻が止まらない。
○○:駿介!
駿介:はい!
○○先輩のパスを小西くんはダイレクトでシュートした。
カーン
駿介:くっ…!
小西くんのシュートはポストに当たった。
拓馬:まだまだ!
そのこぼれ球を拓馬先輩がゴールした。
拓馬:よっしゃ!
___
真佑:すごいね!ハットトリックだよ。
理佐:調子いいね!○○くんのパスもよく通ってる。
___
駿介:くそっ…!
○○:あせんな。チャンスはいくらでも作ってやる。
駿介:はいっ!
その後も何度か小西くんにパスが通るが、
決め切れていなかった。
駿介:それっ!
小西くんのシュートは相手DFに弾かれた。
○○:いっけぇー!
相手DFが弾いた方向にいた○○先輩が
ミドルシュートを決めた。
○○:よしっ!
ピッピー
試合は4-0で坂道学院の圧勝だった。
一同:ありがとうございましたっ!
ロッカールーム…
駿介:小林先輩、すいません外してばっかで…
○○:気にすんな。勝ったんだし。
駿介:でも…
○○:じゃ、今日外した原因はなんだと思う?
駿介:絶対決めなきゃいけないって思って、
ぎりぎり狙いすぎてました…
○○:わかっていれば上出来だ。
駿介:え?
○○:強くなれる奴は自分の弱いところや
悪いところをしっかり分析して受け入れることが
できる奴だ。
お前は才能がある。頑張れよ。
駿介:はい!ありがとうございます!
___
試合が終わって私は真佑先輩と理佐先輩そして、
○○先輩と帰っていた。
京子:理佐先輩今日はこっちなんですか?
理佐:ゆいぽんに用事があってね。
○○:ほんと、姉貴と仲いいですよね。
理佐:○○くん、お姉ちゃんって呼んであげなよ~
○○:いつも俺にあたり強いんですよ?
今さらお姉ちゃんなんて呼んだら
口きいてくんないっすよ?
理佐:たぶん喜ぶよ!
○○:気が向いたらそうします。
真佑:京子ちゃん!今日の試合どうだった?
京子:すごかったです!
真佑:○○くんにまた惚れちゃった?笑
京子:えっ?
○○:ん?呼んだ?
真佑:ひ・み・つ!
○○:あっそ。あっ斎藤さん!
京子:はい!
○○:ありがとね!
京子:へ?
○○:ここ一週間、居残りに付き合ってくれたでしょ?
あれで今日何度かいいボールを出せた。
齊藤さんのおかげ!ほんとにありがと!
京子:い、いえ!お役に立ててよかったです。
真佑:○○くん?練習熱心なのはいいけど、
こんな可愛い子あんまり遅くまで
連れまわしちゃダメでしょ?
○○:練習してるだけだし、
帰りはちゃんと家まで送ってるよ。
理佐:なにっ!遅くまで女の子といて家にまで
行ってるのか!?
これはゆいぽんに報告…
○○:理佐さん!それだけは勘弁を!
絶対めんどくさいことになるんで!
理佐:でも真剣な話、やりすぎはダメだよ?
○○:わかってますって…
理佐:京子ちゃんもたまには止めな?
京子:はい…
真佑:そうだ!この4人のトークグループつくりましょ!
京子:え?
○○:なんで?
真佑:○○くんのオーバーワーク防止の為!
グループにすればそれぞれで監視できるでしょ?
理佐:確かにマネージャーとして当然だよね?😊
○○:理佐さん、笑顔が怖い…
理佐:さて、ゆいぽんに女たぶらかしてるということを
報告…
○○:あーもう!わかりました!
そういって私たちはトークグループをつくった。
真佑:それじゃ京子ちゃん?
これからは居残り練習した時間を報告してね!
京子:はい!
真佑:じゃ、私はこっちなので!
京子:私もこっちなので!
理佐:じゃ~ね~
○○:お疲れ~
___
家に着くと真佑先輩からメッセージが来た。
京子:なんだろ?
真佑:“これで○○くんの連絡先ゲットできるね♡”
京子:真佑先輩…
真佑:“がんば!”
京子:“ありがとうございます!”
連絡先手に入っちゃった…何送ろう…
送る内容を考えてから一時間…
京子:“お疲れ様です!斎藤です!
今日の試合すごかったです!
居残りの件なんですけど、
私にできることがあれば、なんでもしますので!
よろしくお願いします!”
京子:送信…っと…
送ってから5分…
京子:返信きた!
○○:“お疲れ様!さっきも言ったけど
斎藤さんのおかげでパスの精度が上がったよ!
これからもよろしくね!”
○○:“あんまり遅くならないようにするけど笑”
私のおかげ…
その言葉が聞けて私はすごい嬉しい!
京子:“はい!がんばります!”
よーし!これからもがんばるぞー!
Next Scene…
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