ローバルで紫外線劣化防止!?
都市伝説って信じますか??
ローバルでも実は一部のユーザーさまの中でささやかれている都市伝説がございます。それは、、、
【ローバルを塗ったらプラスチックの紫外線劣化が防止できる】
というものです。
探してみると、ブログや過去に紫外線劣化について問い合わせをいただいていることが判明しました。
ということで、、、
ローバルでプラスチックの紫外線劣化防止が出来るか検証してみた!!!!
<検証方法>
①とりあえず目につくプラスチックを仕入れる
②ローバルを塗装する
③屋外に雨ざらしにする
④経過観察
①とりあえず目につくプラスチックを仕入れる
エントリーNo.1 紫外線劣化といえばこれ! 洗濯ばさみ!!
エントリーNo.2 いやいやこれでしょう! プラバケツ&ふた!!
エントリーNo.3 バケツといえば~ ひしゃく!!
エントリーNo.4 雨どいとかに使うやつ VU管の継手!!
エントリーNo.5 塗って誰が履くんだ・・・ スリッパ!!
エントリーNo.6 会社に転がっていた プラダンの板!!
エントリーNo.7 謎のモノたち 謎のモノ!!
身近にあったプラスチック製品を用意してみました。
では、これらに塗装していきます。
②ローバルを塗装する
塗装するのはこちら。亜鉛含有率92%のローバルアルファです。
どーせならキラキラ仕上げにしたい!亜鉛もたくさん入っているので十分に効果を発揮してくれることでしょう!!
そして、塗装したものがこちらです。
プラスチック製品は、違いを観察するためにローバルアルファを塗ったものと塗っていないものを用意しました。
※シルバー色の方が、ローバルアルファを塗装したものです
③屋外に雨ざらしにする
モノの準備は出来ました!早速、屋外に設置します!!
波板に穴をかけて結束バンドで固定して・・・
良い感じに配置して・・・
フェンスに固定して・・・
出来ました!!!
観察開始は9月の中旬、観察期間は「顕著な変化が現れるまで」とします。
④経過観察
■1か月経過:ほぼ変化なし
■3か月経過:まだまだ大きな変化は無い
■5か月経過:依然大きな変化は見られない
ここまで大きな変化が見られなかったので、観察間隔を空けていきます。
■11か月経過:少し変化してきた
無塗装のプラスチック製品が、白っぽくくすんできました。
プラダンの板は、紫外線劣化なのか分からないですが、無塗装の板だけ反り返っています。
少しずつ変化が出てきたので、継続して観察を続けていきます!
■1年1か月経過:事件発生
お気づきでしょうか・・・
なんということでしょう。
ひしゃくのすくう部分は折れ、バケツは底が割れています。
そして、プラダンの板は無くなりました。
実は前日に強い風が吹いていて、固定していた結束バンドが切れ、波板が風であおられていたようです。
ただ、同じ環境下で同じ風にあおられているにも関わらず、ローバルアルファを塗った方に破損は見られません。逆に考えると、無塗装の方は紫外線劣化によって壊れやすい状況になっていたのではないかと予想されます。
つまり、ローバルアルファを塗ることでプラスチックの紫外線劣化が抑制された可能性あるということです!!!
外部検査機関で検証
外部の検査機関にお願いして試験を行い、ローバル各製品塗膜が紫外線を通すか否かの「紫外線透過率」を確認しました。
試験塗料:
ローバル・ローバルシルバー・ローバルアルファ
水性ローバル・厚膜ローバル
試験結果:紫外線透過率0%(全製品)
この結果より、ローバル各製品は紫外線を通さないため、紫外線劣化防止(又は抑制)性能がある!!という結論に至りました!!
なんで紫外線劣化を防止できるのか
少しマニアックな話ですが、ローバルに含まれる金属亜鉛は反応物として「酸化亜鉛」を形成します。
この酸化亜鉛は【紫外線散乱剤】と呼ばれ、大手製薬会社の日焼け止めにも使用されているくらい、紫外線に対しては有効な物質です。
また金属亜鉛を多く含む塗膜のため、物理的な遮蔽効果が有効に働いている可能性もあります。
この紫外線防止性能はローバル塗膜でも大活躍で、以下の記事のようにローバルに含まれる樹脂成分の劣化を防いでくれるので、経年によるチョーキング(白亜化)を抑制します。
紫外線劣化防止剤としての転用
紫外線劣化で困るのはプラスチックだけではありません!
身近なところでも紫外線による影響を受けているものはたくさんあります。
現在、屋上防水シート、FRPタンクに試験施工を行っており、その有効性について調査中です!またいい結果が得られれば記事にてご報告します!
最後に
プラスチック等に塗装するときに注意していただきたいのが、ローバルや今回使ったローバルアルファは有機溶剤(シンナー)を使用しており、場合によってはプラスチックを溶かし、強度劣化などが起こる可能性があります。
そのため、実際に適用される際は以下をお勧めします。
■溶かす力の弱い製品:ローバルエコタイプ、ローバルシルバーエコタイプ
■溶かさない水性製品:水性ローバル
今回の実験では約1年程度の長期検証のため、内容が長くなってしまいました。またアクシデントもありましたが、いい結果が得られてよかったと思います。
心残りなのは、プラダンの板はどこに行ったのか。これだけは謎のままです。
↓↓ 亜鉛の特性についてはこちら ↓↓
↓↓ この他のプラスチックへの適用事例はこちら ↓↓
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(記事担当:FKD)