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塗る亜鉛 ローバルはJIS規格に該当しますか?
質問:「鉄がさびるのを防ぐローバルはJIS規格に該当しますか?」
よく頂戴する上の質問にお答えいたします。
回答:「ローバルが該当するJIS規格は存在しませんので、ローバルはJIS規格の製品ではありません。しかし、ローバルもJIS規格値を満たすさび止め性能を持っています。」
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ローバル製品が該当するJIS規格はない
亜鉛の入った塗料のJIS規格(日本産業規格)は、2つあります。
・JIS K 5552 ジンクリッチプライマー
・JIS K 5553 厚膜型ジンクリッチペイント
それぞれに1種 無機と2種 有機があります。
1種の無機ジンクリッチペイントは、アルキルシリケートを用いており、空気中の水分と反応して硬化が始まります。空気中の水分と反応するので、開封した時から硬化が始まります。
2種の有機ジンクリッチペイントは、主剤と硬化剤を混ぜる2液形のエポキシ樹脂を用いています。主剤と硬化剤と混ぜた時から硬化が始まります。
硬化が始まってしまった塗料は、使い切らないといけません。JIS規格があるのは、硬化タイプのジンクリッチペイントです。
またJIS規格のジンクリッチペイントは通常、その塗料だけで使用するものではありません。中塗りや上塗りの塗料を塗布し塗装系として、使用します。
一方、ローバル製品は沈殿した成分を均一にする混ぜる作業は必要ですが、撹拌するだけで使えます。ローバル製品のように撹拌するだけで使える一液型の亜鉛の入り塗料には、JIS規格はありません。
ローバルは下塗りや中塗り、上塗りを必要としない塗料です。この塗料だけで仕上げる塗料になります。
亜鉛の入った水性塗料には2022年現在、JIS規格は存在しません。
JIS規格のジンクリッチペイントとの比較
亜鉛の入ったこれらの製品が持つさび止め性能とローバルのさび止め性能を比べてみます。さび止め性能ということで、加熱残分中の金属亜鉛(%)、耐塩水噴霧性、屋外暴露耐候性の3つの項目を見てみます。
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ローバルは96%となっています。JISの規格値よりは大きくなっています。
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ローバルの耐塩水噴霧性もJIS規格の一番長い360時間以上でも塗膜は健全な状態です。
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ローバルも2年以上の屋外暴露試験でもさびは発生していません。
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JISの規格値は保証値なので、このデータだけでジンクリッチプライマーや厚膜型ジンクリッチペイントよりもローバルの方が優れているとは言えません。ただローバルもその規格値を満たす性能は持っていることは認識いただけると思います。
塗料の分類上、ローバルはJIS規格には該当しませんが、そのさび止め性能がJIS規格品に劣るということはありませんので、状況に合わせてローバルをお使いいただければと思います。
(記事担当:MTMTH)
正確な内容を知りたい方はJIS規格をご確認ください。
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