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グレーチングを切断する。

グレーチング(溝蓋)の長さと溝の長さが違う場合は、溝の長さに合わせて、グレーチングを切断する必要があります。

工場の敷地内にグレーチングに隙間ができているところがあったので、グレーチングを買って隙間をなくしたいと思います。

新しく買ったグレーチングは溝より長い

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新しいグレーチングは長いので、サイズに合わせて切断します。

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グレーチングの切断面

このグレーチングは亜鉛めっきがしてあります。亜鉛めっきは鉄がさびないようするための表面処理ですが、切断すると中の鉄材がむき出しになり、そこだけ亜鉛めっきされていない状態になります。

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写真ではわかりにくいですが、切断面は鉄が露出しさび易く、それ以外のところは亜鉛めっきで守られています。

さび易くなった切断面に亜鉛を塗る

さび止めを目的とした亜鉛めっきも鉄が露出してしまった切断面ではその効果もなくなってしまいます。その切断面に亜鉛をもう一度付着させるという考え方でローバルを塗ります。

ローバルには細かい亜鉛粉末が含まれており、その働きで塗るだけで亜鉛めっきと同様のさび止め効果を発揮します。工業的な表現では常温で塗るだけなので「常温亜鉛めっき」と呼ばれます。

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亜鉛は鉄よりもさびやすく、鉄の代わりに腐食することで鉄をさびから守ります。犠牲になる亜鉛は多い方が強いさび止め効果が得られます。
ローバルを塗り伸ばさずに二回塗り、亜鉛をたっぷりつけることで、亜鉛めっきに匹敵するさび止め能力が得られます。一回だと塗れていないところもあったりしますので、ぜひ二回塗りましょう。

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塗った後はこんな感じです。切断面だけを塗るのは手間がかかるので、切断面ではない亜鉛めっき面にもローバルを塗っています。

完成

これを溝に入れて完成です。

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こんな感じで、溶融亜鉛めっき製品を加工する際に露出してしまった鉄面にローバルを塗れば、溶融亜鉛めっき製品と同じさび止め効果が得られます。

ローバルを塗らなかったら…?

半分に切って溝に入れないの方のグレーチングの切断面はローバルは塗っていないので鉄むき出しのままです。せっかくなので、溝に入れたグレーチングの横に置いて、実験してみます。

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1ヵ月ほど過ぎたら、切断面もこんな感じでさびてきました。

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一方、ローバルを塗った方はさびていません。

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ローバルを使う上での注意点

・鉄に直接塗る
ローバルは鉄に直接塗らないとさび止め効果が発揮しません。なので、さびが出てしまった上からローバルを塗るのもお勧めできません。さびは一度発生してしまいますと、鉄と一緒に削り落とすくらいのことをしなければ落ちませんので、切ったらすぐ塗りましょう。

・撹拌をしっかりと
ローバル塗料中の亜鉛は密度が大きいため、下に沈んでいることがあります。良く撹拌してから塗りましょう。

・塗り伸ばさない
亜鉛の量が多いほどさび止め効果も強くなります。薄く塗り伸ばさずに二回塗りましょう。

(記事担当:MTMTH)

今回、使った塗料はローバル。

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亜鉛によるさび止め効果は下の記事にて確認できます。

塗料缶を使う際の注意点は下の記事にて確認できます。

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