パーツクリーナーがかかる部分をメッキ仕上げにしたい。
メッキカバーについて以下のご質問をいただきました。
「パーツクリーナーがかかる部分を鏡面仕上げにしたい。この部分にメッキカバーは使えますか?」
「残念ながら、メッキカバーはパーツクリーナーがかかる部分にはご使用いただけません。『メッキカバーは周りのめっきとともに徐々に光沢を失っていくように設計されている』ため、メッキカバーは強い塗膜ではありません。そのため、パーツクリーナーがかかると、塗膜は溶解してしまいます。
同じ仕上がり感にはなりませんが、耐溶剤性のあるエポローバルなら、磨いて光沢感を出す仕上げ方があります。」
メッキカバーでメッキ仕上げにできるか…
メッキカバーってどんな製品?
メッキカバーは溶融亜鉛めっきのやけ隠し、仕上がりの補修でよくご使用いただきます。溶融亜鉛めっきの見た目の悪いところを隠すことに使われます。さび止め効果は期待できません。
メッキカバーの仕上がり感はこのような感じになります。
メッキカバーはパーツクリーナーに溶解。
「百聞は一見に如かず」ということで、メッキカバー塗膜にパーツクリーナーを吹き付けてみます。
塗膜が溶けて、きれいに洗い流されております。メッキカバーには、パーツクリーナーに対する耐性はありません。
メッキカバーに上塗り塗装してみる。(上塗り塗装はお勧めしていません。)
メッキカバーへの上塗りはお勧めしておりませんが、保護できるかを見るために水性シャーシークリアースプレーを塗布してみます。
メッキカバーの塗膜がダメになると思いましたが、とりあえず塗ることはできました。(メッキカバーへの上塗り塗装はお勧めしていません。)仕上がり感も少々変わりました。
上に塗ったシャーシークリアー塗膜が保護してくれているので、メッキカバー塗膜だけの時の様には溶けませんでした。
パーツクリーナーを拭き取ろうと、ウエスを押し付けたらその跡が残ってしまいました。パーツクリーナーが吹き付けられた部分も白くなっています。
シャーシークリアーを塗ることで、保護する作用は働いていますが、不十分です。(元々メッキカバーへの上塗り塗装はお勧めしていません。メッキカバーの弱い塗膜の上に上塗りすると、メッキカバーが動いて上に不具合が出る恐れが大きいです。)
エポローバルを使って、メッキ仕上げに近づける!!
できないだけでは、あまりに寂しいので、代案を提案します。
エポローバルは艶消しグレー
エポローバルの塗膜は、艶消しグレーです。エポローバルは、耐ガソリン性があると以前にご紹介しています。ただメッキカバー塗膜色とは程遠いです。
エポローバルの艶消しグレーが輝く塗膜に変化。
しかし、艶消しのグレー仕上げのエポローバルを磨くと、光沢が出てきます。頑張って磨くと少々の鏡面感も出ます。以前よりご紹介しているこれ↓です。
スポンジ研磨材(#1200-1500)も使って頑張って磨いたので、鏡面っぽくなるところまで光沢が出てきました。
パーツクリーナーでも溶けません。
メッキカバーと同じようにパーツクリーナーを吹き付けてみます。
まとめ
エポローバルを使って、光沢感を出す。
パーツクリーナーがかかるところに、メッキカバーは使えません。代わりにエポローバルを塗って磨くというの手は如何でしょうか。
エポローバルを塗るときの欠点
磨くのが手間である。磨きムラも出てくるので、大きい面積だったり、部品数が多かったりする場合は、難しいかもしれません。また亜鉛は酸化していきます。この金属光沢も永続的に続くものではありません。
今回の実験結果は、ひとつの結果です。すべてのパーツクリーナーをかけても、問題が起きないことを保証するものではありません。最終的な判断は、ご自身の責任でお願いします。
(記事担当:RSK + MTMTH)
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以下、補足です。
耐溶剤がある水性ローバルも光沢が出ます。
水性ローバルも磨くと光沢が出ます。水性ローバルも同じようにパーツクリーナーをかけて実験してみました。パーツクリーナーでは溶けないものの、ウエスで拭くと塗膜に傷が入ってしまったという結果になりました。
水性ローバルは、アルコール系の溶剤とは相性があまり良くない傾向があります。今回の用途では、エポローバルの方が良さそうです。
実験に用いた他社製品。
今回の実験に使ったのは以下の製品です。
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