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グアテマラ/マタケスクイントラの事件の詳細、その背景について【経過追記】
こんにちは、ROUTEMAP COFFEE ROASTERS です。
今回は、以前投稿したグアテマラ/マタケスクイントラのエスコバル鉱山を巡る、カナダの鉱山企業とマタケスクイントラ先住民との闘争の経過報告についての記事となります。
この抗争の背景については過去に掲載した記事参照となりますので、よろしければ下記リンクの記事もそれぞれご覧ください。
1)Semilla Coffeeについて
今回の内容は「Semilla Coffee」(2019年設立。カナダとアメリカに生豆を保有する小規模グリーンインポーター)がインスタグラムのストーリー投稿にて、マタケスクイントラ闘争の経過情報を発信していました。
※今回記事作成にあたり、Semilla Coffee FounderのBrendanとコンタクトを取り、日本語に訳し発信させていただいております。I appreciate your support, thank you very much Brendan!
Semilla Coffeeは設立以降コーヒー生産者への支援と権利擁護の原則を元に活動をし続け、今回のマタケスクイントラ先住民とカナダの鉱山会社との闘争も、逐一情報を発信し続けておりました。
ちなみに、こちらで投稿した闘争の詳細、情報源もSemillaCoffeeをはじめ、カナダ・アメリカの各国のコーヒーサプライヤーたちが発信していた情報をもとに日本語訳に置き換え、RMCのnoteでも発信しています。
Semilla Coffee については下記リンクから、企業理念などをご覧いただけます。
About Semilla:日本語訳(※一部抜粋)
Semilla was founded by Brendan Adams in 2019 on the principles of support and advocacy — to represent specific groups, for better or worse, in finding a market for their coffee.
Through many years of working as a green buyer and coffee roaster, gaps in specialty buying became increasingly clear.
Semillaは2019年にBrendan Adamsによってサポートと権利擁護の原則に基づいて設立されました。長年、グリーンバイヤーやコーヒーロースターとして働く中で、スペシャルティバイイングのギャップが次第に明らかになってきました。
For Semilla, coffee is more than the seed of a tropical fruit that can be transformed into a delicious beverage with proper care along all stages. It's a material that connects history, society, politics, culture, international policy, philosophy, and more. It contains years and year of hard work, and it directly affects the livelihoods of millions the world over.
Semillaにとって、コーヒーは単なる熱帯果実の種ではなく、すべての段階で適切なケアを受ければ、おいしい飲み物に生まれ変わることができます。それは、歴史、社会、政治、文化、国際政策、哲学などをつなぐ素材です。何年も何年もかけて作られた素材であり、世界中の何百万人もの人々の生活に直接影響を与えています。
In our small part, we can commit to specific communities who have the energy and passion to connect to the specialty market and we can broaden and deepen our commitment to them rather than buying only the top lots. We can speak about coffees as the product of people rather than only for its sensory attributes.
私たちができることは、スペシャルティ市場につながるエネルギーと情熱を持った特定のコミュニティにコミットし、トップロットだけを購入するのではなく、そのコミュニティへのコミットメントを広げ、深めることです。私たちは、コーヒーを感覚的な特性だけでなく、人々の産物として語ることができます。
2)Meanwhile in Guatemala
以下、Semilla Coffee の投稿文と、その翻訳になります。
文章ごとに補足も加えておきますので、過去の記事と照らし合わせながらご覧ください。
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Meanwhile in Guatemala
The consultation process for the Escobar mine’s potential re-opening begins tomorrow.59members of the Xinka parliament will be present, with the Minister of Energy and Natural Resources, where a debate will be held on whether or not the new owners, Pan American Silver, have the right to operate the mine on traditional Xinka Territory.
In 2017, Escobal’s license was suspended by the Guatemala Constitutional Court in a histroic decision. Never before had Indigenous cultural and land rights been ratified by the court in this way.
Changes within the Constitutional Court since the election of Giammattei in early 2020 have shown this once independent court may now have been infiltrated by corruption.A consultation process that should take 2-3 years to complete is now expected to be rushed through by illegal means. The struggle of our friends has been wrought with violence and intimidation in the lead up to this consultation process.
We will be thinking of them and doing our best to share updates about this process here.Remember that Pan American Silver is a registered Canadian company, without any oversight or accountability for its actions.Tax dollars from this project support the Canadian government, and by extension, the Canadian people.
Another reminder from our friends and long time #mataquescuintla supporters, drumroaster.
“Pan American Silver stock is owned by the pension fund operated for every government worker in BC.”
As under 10% of our following sees our stories, we can only assume that the content is being suppressed or shadow banned.
Will pin this thread in our highlights and add in the coming weeks.
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(日本語訳)
現在のグアテマラについて。
エスコバル鉱山の再開に向けた協議が明日から始まる。Xinka族(マタケスクイントラ地域の先住民)59名と、エネルギー・天然資源担当大臣が協議に出席し、新たな所有者であるPan American Silver社がXinka族の伝統的な領土で鉱山を操業する権利があるかどうかについての議論が行われる。
2017年、グアテマラ憲法裁判所の由緒ある判決により、エスコバルの(鉱山発掘のための)ライセンスが停止されました。先住民の文化的・土地的権利が、このような形で裁判所に批准されたことはかつてなかった。
2020年初頭にジャンマッテイがグアテマラ大統領に選出されてから、かつては独立していたはずの憲法裁判所内は今や汚職に侵されている可能性を示している。2〜3年かかるはずの協議プロセスが、今では違法な手段で急いで行われることが予想されます。私たちの友人たちの闘いは、この協議プロセスに至るまで、暴力と脅迫で荒らされてきました。
私たちは、彼らのことを思い、このプロセスに関する最新情報をこのサイトで共有するために最善を尽くします。パン・アメリカン・シルバーはカナダで登記された会社であり、その行動に対する監視や説明責任はないことを忘れてはならない。このプロジェクトからの税金は、カナダ政府、ひいてはカナダ国民を支えているのです。
私たちとマタケスクイントラのサポートを長年勤めるdrumroasterからの助言…"パン・アメリカン・シルバーの株式は、BC州のすべての政府職員が運営する年金基金が所有しています”
私たちの記事を見ているのはフォロワーの10%以下なので、コンテンツが抑制されているか影で禁止されているとしか思えません。
このスレッドをハイライトに固定し、今後数週間で追加していきます。
3)内容まとめ、情報を共有することの必要性
この投稿からの内容をまとめると、
◎2017年以降鉱業活動を停止している鉱山の再開について、地域先住民とカナダ鉱山会社で、現在協議が行われている。
◎本来2〜3年かけて行われるはずの協議だが、2020年に新たに大統領が選出され、憲法裁判所が汚職に侵され、先住民側が不利な立場に陥っている状態にある
◎不当な協議結果に陥らないよう、このプロセスに関する情報を共有するよう努めたいが、コンテンツ抑制が発動し最新情報の発信に制限がかけられている…?
というように、グアテマラ政府側とカナダ企業側が、双方にしか利点がない違法な取引を優先しコーヒー生産者たち中心の先住民側に不利を働きはじめている状態にあると読み取ることができます。
他にも、情報を発信しているインポーターやロースターのアカウントを見てみると、スペシャルティコーヒーがグアテマラでも生産されるようになってからも、グアテマラ政府は資金を獲得するために先進国企業の進出を受け入れ、それに都合の悪い部分を排除し続ける。マタケスクイントラ地域をはじめグアテマラのコーヒー市場、そして生産者たちの生活が今後脅かされていく可能性もある状況だ、と警告を鳴らしています。
コーヒーを生産する国のほとんどが発展途上国であり、コーヒー生産者に、良くも悪くも大きな影響を与えられるのは、圧倒的な資本力を持つ先進国です。
情報を共有する力が先進国になければ、意図せず生産者に悪影響を及ぼしてしまう可能性もあり、そしてそれはとても今後のスペシャルティコーヒー業界において危険であります。
SemillaCoffeeのように、今起きていることを積極的に発信することは非常に重要な取り組みであり、スペシャルティコーヒーに携わる以上意識しなければならないなと、僕自身常に意識しています。
コーヒー生産者の生活を守るため、そしてコーヒー先進国で焙煎業を営んでいる立場として、日本のコーヒー業界に向けて引き続き情報を共有していきたいと思います。
ROUTEMAP COFFEE ROASTERS/Keisuke