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僕らが生きる世界で

はじめに

はじめまして、夫婦でボカロPをしています55号線です。

今年のボカコレ2022秋では「僕らが生きる世界で」という曲で参加し、今まで以上にたくさん人に聴いていただき、コメントをいただきました。

本当に参加して良かったです。

しかしながら、数えきれないボカロ曲の中でリピートされる曲はほんの一握り。
そこで「せっかく作った曲を、聴かれなくなったまま、ただ残しておくのも哀しいな」と思い、備忘録も兼ねてこの曲について語っていこうと思いました。

作詞作曲者

まずはこの曲を誰が作ったのかということ。

「いやいや、55号線あんただろ」
と思うでしょう。

しかし、動画の備考欄等では作詞作曲55号線と統一してはいますが、前述の通り夫婦で作曲をしているため、実は曲によって作詞作曲者が違うのです。
「僕らが生きる世界で」は作詞作曲共に今この記事を書いている夫がメインで作り、妻と2人で編曲をしております。

曲の始まり

この曲、ボカコレ参加曲として動画を投稿しましたが、本来はマジカルミライ楽曲コンテストに応募していた曲です。
なので作り始めはだいぶ早く、2021年11月頃に「マジミラ応募曲を作ろう」と意気込んで作り始めました。

コンセプト

この曲のコンセプトは
「爽やかで疾走感のある曲」
です。

そのため最初のデモ音源のタイトルはシンプルに「疾走感」となっており、初期の段階でピアノとギターメインのボカロックにしたいと考えていました。

曲に込めた想い、作詞について

作ろうと思ったときは「疾走感」のイメージがあるだけで、まだどんな歌詞にしようかまでは考えていませんでした。
そして最初にサビの掛け声と始まりのメロディが思い浮かび、その時点で「〇〇の為に出したこの音が〜」の歌詞もほぼ決まりました。
そこから「この曲は誰の為の唄なのか」「その〇〇の為に出した音がどうなりたいのか」と少しずつメロと歌詞を広げていきました。

これは夫が作詞する時のあるあるです。
最初に思いついた歌詞メロから話を広げていき、最終的にこの曲で何が言いたいのかはその流れで自問自答しながら決めます。

その結果
・どんなに曲を作っても、気づかれないし世界は変わらない
・それでもいつか音楽をやめてしまった友人達にも届いてほしい
・それでも自分がやりたいのは音楽だし、続けたい
といった自分のその時思っていた事が詰め込めたと思います。

ちなみに個人的に特に気に入ってるフレーズは
「歩き出せば見つかるかな
無くした価値も
殺した声も
生きてるだけの僕らも」
です。
音楽を始める前の自分は、不登校で、自分の意見も言えない、何をやるにも中途半端な人間だったので。
逆に音楽を辞めてしまえばそこに戻ってしまうのではないかと、そんな気持ちも込めています。

作曲について

この曲を作った時のおおまかな流れは
①サビメロ、サビ歌詞一部作成
②イントロ作成
③ABメロコード作成
④ABメロディ作成
⑤各パートアレンジ
⑥間奏作成
⑦歌詞作成、メロ修正
⑧ミックス、完成
このような順番で曲作りを進めていきました。

イントロ

先程サビが最初に思い浮かんだと話しましたが、何故か一番最初デモ音源を作る際はイントロだけ録音してサビは録音してませんでした…!危険すぎる、サビ忘れたらどうすんだ…ちなみにその時の音源がこちら

この時点でピアノのフレーズはほぼ完成形になってますね。
ここからギターのフェードインを追加したり、リードギターと、ベースを追加するのですが、フレーズの掛け合いのような重なり方が気に入っていて、わりと初期段階のイメージどおりに完成したと思います。

Aメロ

Aメロはコードから作成しました。
イントロが先にできていたので、その流れでAメロはこんな感じかな?とコードを決め、ピアノとドラムの打ち込みから始めました。
その最初のデモ音源がこちら

これまたピアノのフレーズはほぼ完成形ですね。
ピアノはとりあえず仮でコードだけ打ち込む場合もありますが、最初からフレーズを考えて打ち込むときは、気に入ってそのまま完成までいく事が多いかもしれません。

このデモ音源のあとはメロディ、ギター、ベースの順番で入れていき、歌詞が決まったのは最後だったと思います。
歌詞については1番2番共に、前述した想いがだいぶ込められたと思っております。

Bメロ

BメロもAメロ同様コードから作成しました。
Aメロとサビが決まっていたので、どうやってサビの掛け声に向けて盛り上げるかを意識しました。
最初に思いついたメロディは2番のB'のメロディで、なかなか歌詞が思い浮かばず、新たに1番用のBメロを作成してます。

歌詞については、夫が作詞する上で気をつけている事がなのですが
「あまり難しい言葉を使わない」
という事です。

けして藍染惣右介の有名なセリフに影響されている訳ではありません。

ボカロ曲では普段使わない、書いたこともないようなインパクトのある言葉を使う事が多い気がします。
私自身そのような曲を聴くことももちろんあるしかっこいいと思うのですが、自分が作るのであれば、なるべくストレートに誰もがわかる言葉で伝えたいと考えながら作詞をするようにしています。
1番Bメロの歌詞はそんな事が込められてます。

サビ

サビは曲の中で1番疾走感を出せるように考えました。
リードギターは同じリズムを繰り返すようなオクターブ奏法のみ
ベースは基本ルートで少し遊ぶ
ピアノは基本コードのたまに高音を入れる
ドラムはシンプルに8ビート
といった感じですかね。

ただ、ベースが曲を通してシンプルなフレーズにしていたので、落ちサビでは1番おいしいフレーズで目立ってもらいました。
結構良いという声をいただけて嬉しいです。

夫がサビの歌詞を作る場合よく意識してやる事ですが、似た言い回しを繰り返して少しずつ物語を進めていくようにしました。

僕の為の音から、君の為になり、それが唄になって、それすらも自分の為の唄なんだと。

そして1番Aメロの「生きてるだけの僕ら」があることによって、落ちサビ最後のタイトルに繋がる「僕らが生きる世界で」が活きてくれればいいなとも考えていました。

1番とラストで繰り返す
「凍りつく世界に灯火を
瑠璃色の空に一つの欠片を」
は世界を暖めるような、星を浮かべるような綺麗な良いイメージというより
灯火1つじゃ世界は暖められないし、星を1つ浮かべたところで星が多すぎて誰にも気付かれない。
そんなネガティブイメージで作ってました。

それでも続けたいんだという意志を強く持って。

間奏

ここは自分にとっては初の試みで、間奏のみの転調です。
曲構成がシンプルだったので、どこかでガツンとインパクトが欲しく、とりあえず転調してみようと考えてみたら結構すぐコード進行とギターソロが出来上がりました。
この間奏も個人的にお気に入りポイントの1つです。(もちろん1曲通して全部好きですが)

まとめ

いかがだったでしょうか?
曲について語るのは初めてだったので、うまく伝えられたかよくわかりませんが、少しでもこの曲について知っていただけたら嬉しいです。
本人が曲の解説をするのは野暮かもしれませんが、プロのアーティストと違い、テレビで告知できるわけでもないし、雑誌がインタビューしてくれるわけでもありません。

これを読んで私達の事を知っていただけたら嬉しいです!

これからも気が向いたら私達の曲について語っていこうと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございました。
















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