コンデジを手放した
SONY RX100M3を手放した。もう何度目だろうか。
スマホの台頭でコンデジ市場は壊滅寸前の状態だが、カメラ好きな人間としてはやはりコンデジを持つべきだろうと思っていた。
しかしそういった気持ちの昂りで購入するは良いものの、結局使わなくなってしまい何かを購入する足しにされてしまう。
毎度のことになってしまうが、改めてコンデジを手放した理由を考えていく。
なぜ手放したのか
コンデジであることの意義は「コンパクト」でかつ「高画質」であること。
基本的にこれは二律背反の概念であり、「高画質」を求めると筐体は必然、大きくなる。これは光学という物理の話なので致し方ない。
つまり、コンデジという製品には必ず妥協が含まれている。コンパクトさを最優先し、その代わり画質や機能を制限する。
それはそれで需要がある部分もあったが、コンパクトさを最優先するデバイスは他にある。スマホだ。
また、世の中では写真の大半がスマホ閲覧で終わっているということから、スマホに最適化されたスマホカメラはセンサーサイズ以上に評価されている。
スマホに比べ優位性を感じない
多少なりと思うところもあるものの、結果としてコンデジ市場は蹂躙されてしまっている。そうなると、コンデジに開発費用が降りてこなくなる。
現にRX100シリーズはRX100M7が最終となり、それ以降の開発は音沙汰なしである。(ZVシリーズが販売されているが、RXシリーズの後継機ではないと断じて言いたい)
ZEISSとの契約が切れてZEISS冠のレンズを搭載できないからとか色々噂はあるが、やはり開発コストを回収できないから、という判断だろう。
ちなみにRX100M6からはスマホとの差別化をはかるため、レンズの焦点距離を70mmから200mmに変更する英断を行った。
当時こそ優位性があったものの、今やトリプルレンズに30倍ズームのような性能がスマホでは当たり前になり、スマホ閲覧レベルでは全くストレスない写真が撮れてしまう。もはや優位性は無くなってきてしまってしまった。
ノイズの多さ
RX100M3は名機と言われているが、流石にもう9年前のカメラだ。
特に設計の古さが垣間見えるのが、暗所ノイズの多さ。夜のストリートスナップをこのカメラでする場合、明るいレンズを搭載しているとはいえ、ISOを多少上げるとノイズの多さが目立ってしまう。
潔くRAWのみを保存し、現像でノイズをカバーするという方法もあるが、それならば気軽に撮影する意味は薄れてしまうし、積極的に撮ろうという気は失せてしまう。
本体底面にミニ三脚を据えつけることで、スローシャッタースナップという手法もなくはないが、これも場所を選ぶしSDカードを取り出しにくいことからすぐにやめてしまった。
そもそも三脚でじっくり撮影する、という行為自体がスナップからは逸脱した行動と言わざるを得ない。こういった撮影をするならば、メイン機を持ち出して行うし、軽快なコンデジに求めることではなかった。
振り返って
結局、コンデジ論争はカメラ好きのマニア論争になってしまう。今やスマホのカメラ性能が高すぎて、コンデジに残された道はガラパゴス化しかないと思う。
現に今でも好調なコンデジといえば、GRシリーズとX100シリーズ。
GRはストリートスナップに特化させた速射性とあの筐体でAPS-Cを備えている。X100はオールドファッションで身に付ける所有欲まで満たしてくれる。
どちらも正当なカメラではなく、何かを尖らせたものだ。今や、そういったコンデジしか生き残れないのかもしれない。