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THE COFFEE TIMES≪美味しいコーヒーの生まれた国~エチオピア≫1/2

About ETHIOPIA

・人口:1億4百万人(2017:世銀)
・首都:アディスアベバ
・言語:アムハラ語、英語
・主要産業:農業
・名目GDP:80.5億ドル(2017:世銀)
・経済成長率:10.1% (2017:世銀)
・失業率:16.5%(2013:IMF)

Coffee in ETHIOPIA

・生産量(2017/18):765万袋(各60kg袋)
・生産国ランキング(2017:第6位)
エチオピアはコーヒー発祥の地ということでよく知られています。古くから家庭でもコーヒーが親しまれ、客人をもてなすエチオピア流のコーヒーセレモニー(カリオモン)が存在していることなどは有名かと思います。
エチオピアのコーヒー生産量ランキングは、ブラジル、ベトナム、コロンビア、インドネシア、ホンジュラスに続く世界第6位の生産量(765万袋≒4億5900万kg, 2017/2018年)を誇り、アフリカ最大の生産国です。コーヒーや穀物を含めた農業の占めるシェアは対GDP比で約45%となっており、重要な産業といえます。コーヒーに限って言えば、輸出総額の約80%を占めており、重要な外貨獲得資源となっている一方で、生産量の約半分は自国消費がなされています。
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ちなみに、エチオピアでのコーヒー生産は、小規模農家が約95%を占めており、2ヘクタール(=20,000㎡=140m四方)以下の土地で生産をしています。そして残り5%が近代的な設備を要したコーヒー農園となっています。

エチオピアのコーヒー生産システム。基本的には4つに分けられます。(1)自然な野生木、(2)日当たりなどがある程度コントロールされたエリアでの自然栽培、(3)農家の敷地内でのガーデン栽培、(4)輸出を目的とされた農家や民間投資家によるプランテーションの4つです。

精製方法については、70-80%のコーヒーは非水洗式で精製され、20-30%が水洗式で精製されたものとなっており、特に日本では非水洗式が好まれ、アメリカを含むその他の消費国では水洗式コーヒーの輸入が多くなっています。
限られた生産者による疫病対策のための農薬使用を除き、エチオピアのコーヒー生産者は元来農薬を使用せずに自然栽培を行っているため、生産の実態としてはオーガニックな自然環境で栽培されています。

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続いてエチオピアの内政について少し触れてみたいと思います。

エチオピアの経済規模は世界第84位GDP475.3億ドル(2013年)で、1人当たりGDPでは505.0ドル(2013年)と決して豊かとは言い難い経済状況ですが、コーヒーの自国消費が盛んな事は、やはり自国の伝統・文化を大切にしていることの表れなのかもしれません。

エチオピアという国の現状及び諸問題(主にはデータのご紹介)について簡単に挙げてみたと思います。
まず、エチオピアの名目GDPは2014年で548億ドルです。と言うことは、96.5百万人の国民で単純平均すると1人当たりGDPは568ドルということになります。

実はこの水準、名目GDPはアフリカ諸国の中でも中位程度であるのですが、1人当たりGDPで見た場合、最貧国に含まれる水準になっています。ちなみに日本の場合、名目GDPは2014年で4.6兆ドルです。そして、国民一人当たりで単純平均すると1人当たり36,200ドルとなります。

次に国際貧困ライン(1日1.9ドル以内で生活を強いられる人口)を基準に考えた時の貧困率は1995年45.5%、1999年44.2%、2004年 38.9%、2010年29.6%、2015年23.5%と年々減少しています。World Bankのレポートによると、2017年度までの見込みでエチオピア経済は年率8%を超える成長が維持されるものと予想されていますので、貧困率についても、この減少傾向が続くのではないでしょうか。あとは、減少幅をどのように拡大していくかということかと思います。
平均寿命に関しては、年々上昇しており、2005年が56.6歳であったのに対して、2010年は61.5歳と約5歳上昇している。直近の2013年は63.6歳となり、平均寿命に関してはサブサハラ以南の平均を5歳以上上回っています。


続いて教育面について、 World Bankの統計によると2005年の人口に対する初等教育の就学率は、サブサハラ以南の平均が94.3%なのに対してエチオピアは79.2%となっています。その後、エチオピアの初等教育就学率は一気に上昇し、一方サブサハラ以南の平均は緩やか上昇を示し、2014年でやっとエチオピアサブサハラ以南諸国の平均を上回りました。その後、2015年でやっと100%を超え101.9%となっています。

なぜでしょう。小学校が不足しているのか、農業に依存した経済体質のため、労働力として児童が必要とされているのか、貧困による資金不足で学校に行けていないのか。現時点ではデータの羅列にはなってしまいましたが、このNews Letterをお読みいただいている方へは、数値をもとに『なぜ増えたか』『なぜ減ったか』『もう少し参考データが必要なので、この分野も調べてみよう』など、次のアクションにつなげていただければと思います。

まずはサラッとエチオピアに関する概況をお伝えしてみました。

次回は、エチオピアで進められてるソーシャルプロジェクトについてご紹介したいと思います。


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