幼馴染
この間古くからの友人が私の住む関東に遊びにきた。その子(Nちゃんとする)とは小学生の頃からの仲で、中学、高校と部活動を同じくして生活してきた。私たちは一見仲の良い幼馴染かと思われるが、そんなことはないと私は思う。世間からは幼馴染自体が貴重な存在として羨ましがられるが、田舎で暮らしてきた身としては随分馴染み深く、それ以上に執念深いとも感じる。たまたま同じ学校が続いて、たまたま同じ部活動だったというだけの話で、お互いを思い合ってその気持ちに受動的になっているわけではない。そもそも進路も違ったし、性格も相性がいいとは言い難い。幼いころと今とでは違う人間で、今では関わる人の性質も違う。今回久しぶりにNちゃんと時間を過ごし、長い付き合いでなければ今ごろ連絡などとってはいないだろうと思った。つまり私はNちゃんに対して、幼馴染であるという事実と昔から積み上げてきた史実に拘束されている。寂しいが、人間は変わっていく。仕方のないことだと思った。
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