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CCUSの近況と、広げた風呂敷は意地でもたたまない国のこと⑤ リライトしました

キレてすみませんでした。8/23リライトしました。

くどいのは好みでは無いのですが、もう毎回繰り返しますよ。CCUSの第一目的は建設作業者の年収アップ・処遇改善です。今回は7.公共工事労務費調査等におけるCCUS登録技能者の賃金実態の分析…  からですが、いきなり本省が名前ミスってることにガッカリ。公共事業労務費調査ね。どうりで中身もガッカリなわけだよ。これでも良いとこ探ししてるんですよ。もとはといえばこの分析とやらを見て都合のいい解釈にもほどがあるしデータ様に失礼と思ったのがこの一連の資料を疑ってかかるきっかけになったし、この企画につながったので良いとこかもしれん。

7.公共工事労務費調査等におけるCCUS登録技能者の賃金実態の分析・CCUS登録技能者と全建設技能者の賃金比較・CCUS登録技能者と未登録者の賃上げに関する調査

まず国交省のいう分析の前提条件から見てみましょう。

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あれ?全建設技能者とはなに? 公共事業労務費調査(令和2年10月調査)等 の「等」ってなんだ?手掛かりなし! 予想もつかない! 

もし公共事業労務費調査のことだとすると有効標本数:n=85,228人

「CCUS登録技能者やレベル判定を受けた技能者数が少ない条件の下で行われたものである」➡n:つまり調査対象人数不明、先の有効標本数に対してCCUS加入者の総数は相当少ないと思われるんだけど、わざわざこんなこと書くから余計に不釣り合いなのがばれる。

正直ここまで酷いとは思わなかったです。

私としては、『いっぱい手の込んだグラフ作ったね。 大変だったでしょ。 で、これなにか意味あんの?』って感想です。

解説しようと思ったけどやめます。意味のないデータを解説しても意味がないし、捏造と言っていいレベル。

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嫌だったんですが、説明しますね。

賃金上昇率2%の実現に向けた取組について 国土交通省 令和3年6月


統計調査の大前提として、条件別の母集団が何件、有効な集計対象が何件あったかは必ず明示するのです。なぜなら比較することに意味のある性質か、何件のデータで結果を得たのかをはっきりさせる必要があるからです。

例えば、ある地点の年間降水日数と同じ地域の工場の稼働日数を比較しました。これに意味があると思いますか?年間降水日数は年によって変化することが予想されますが、屋根で覆われた工場の稼働に降雨日は全く関係がありません。雨の日でも工場は稼働するからです。唯一意味を持つとすればどちらも365日が最大値だということです。これ以上の値をとることはありません。

同様に今回のデータについて考えてみましょう。

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職種別のCCUS加入の技術者のうちレベル1~3のグループとレベル4(数字が大きくなるほど技能が高い)のグループで労務費に差があるか、比較の参考に設計労務単価を用いて比較しようという企画のようです。

CCUS技能者ではない設計労務単価の元になったデータ数は52職種で有効標本数:n=85,228人でした。職種別の人数は示されていません。

CCUS技能者は有効標本数すら示されていません。CCUS技能者は35職種に区分されます。ここでは「レベル判定を受けた技能者数が少ない」としか示されていません。CCUS技能者は、登録後レベル判定の手続きが必要でおカネと登録まで長い時間がかかります。そもそもレベル判定が終了している方はCCUS技能者は登録者数よりかなり少ないと予想されます。

ざっくりとした計算ですが、特定技能外国人は出鼻をくじかれたので建設業分野は多くて4,000人程度。もとから国内にいた技能実習生、その他のかたが8.3万人くらいなので合わせておおよそ10万人としましょうか。そのうち調査対象となり有効となった方を推定します。母集団である国内の建設労働者が500万人、有効標本となった人数が85,228ですから1.7%です。国内の建設系外国人労働者は必ずCCUSの加入を義務付けられますので、外国人労働者に当てはめると1,700人です。このうち有効標本となるのはもっと少なくなります。特定技能は間違いなく労基法順守企業に配属されますが、技能実習生は必ずしもそうではありませんので調査棄却が十分想定され、1,000人だとしましょう。

85,228:1,000

85分の1です

ここから、比較に用いたという17工種、4技能レベルに分けるには68区分必要です(全35工種だと140区分)。
実際は偏りがあったでしょうが、単純計算では1区分15人です。

いかがでしょう。レベル1~3の最大値45人とレベル4の最大値15人は常識的に比較になる数でしょうか。どちらも1人の可能性が十二分にあることをお忘れなく。同じ会社のかたも多いと思われますので尚更全体の傾向を表せるような標本数ではないといえます。

で、こんな棒グラフが延々と続きます。

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以上を踏まえ、もう一度最初の表を見てみます。レベル4とは各職種の最高ランクで、ゴールドカードと呼ばれています。最も経験年数が長く資格もあり技術も高い、おそらく平均年齢も高いかたです。レベル1~3のかたの賃金より低いわけがありません。そんな比較に何の意味があるのか私には全くわからないのです。しかもレベル判定システムの内容もブラックボックスです。

加重平均でレベル1~3のかたとの差はプラス10%。仮に総支給額30万円のかたに対してゴールドカード所持者は33万円です。

現実の生活を考えると7割り増しくらいでもいいのではないでしょうか。


CCUS技能者と全建設技能者での比較においては僅か4%です。CCUS全職種35すら満たしていない18職種での集計です。この資料をよく堂々と出せますね。

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しかもCCUS技術者グループが100を切る職種すらあります。

同じ理由でこの比較にも意味を全く感じません。

これらであたかもCCUS技能者の賃金のほうが高いかのように、エセ統計を用いて数字やグラフの嘘を堂々と事務方が使い、🦀大学教授等の識者だけでなく当時の局長、国交大臣が承認した。

このことがわたしが怒った理由です。

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(6月27日2:00に再読み込みをしたところ、404

https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/content/001409376.pdf

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6月16日開催の他の資料は開けます。単なるサーバの問題で回復するかもしれませんが、妙な感じです。

追記:その後データは回復しました。内容に変更は無さそうです。その代わりURLの末尾9桁が001409953.pdf  となりました(疑いは晴れません)。

私の結論は変わりませんので内容はこのまま。謎の風呂敷ですね。

次回は一人親方対策(対策ってなに?偽装一人親方に使う言葉では?)について解説する予定です。


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戸室  信一
ありがとうございます