トキワ荘ミュージアム鉄腕アトムテレビアニメ展
トキワ荘ミュージアムの鉄腕アトムアニメ展に行ってきました。日本初のテレビアニメ鉄腕アトムを取り上げていてセル画や絵コンテ、当時の映像などが展示してありました。リアルタイム視聴の子供が70歳ぐらいになってるので、結構年配のお客さんが多かったです。
注目すべきはやはり絵コンテ
富野由悠季氏(初代ガンダム、ダンバイン)、出崎統氏(あしたのジョー、エースをねらえ)杉井ギサブロー氏(タッチ、銀河鉄道の夜)、山本暎一氏(宇宙戦艦ヤマト)など有名な監督の若手の頃の絵コンテが展示しており。出崎絵コンテは空中でのバトルを俯瞰のカメラで撮るという当時としては画期的なカット割り(今でいうドラゴンボールっぽい。)富野絵コンテは富野作品独特の複雑なカメラワーク指示が描かれていました。当時から実験的なことをやっていたと感心。りんたろう氏(劇場版銀河鉄道999)の企画指示書もありました。当時スタートしたばかりの虫プロダクションに才能が終結。人がいなかったので若手でも演出できたようです。
1秒間24コマ描かないといけないところを7コマに省略する、いわゆる3コマ打ち作画を分かりやすく展示してありました。ジブリなどの映画作品は1秒間12コマの2コマ打ち作画、鬼滅の刃のテレビシリーズは未だに3コマ打ち作画です。枚数が増えるほどヌルヌル動くのでわかりやすいと思います。
一コマ打ち作画ディズニーのピノキオ
二コマ打ち作画 風の谷のナウシカ(巨神兵など一部一コマ打ち)
三コマ打ち作画 鬼滅の刃
鉄腕アトム(昭和カラー版)も三コマ打ち作画
ピノキオと鉄腕アトムと鬼滅の刃を並べてみましたw
ボタンを押すと絵がパラパラ動く自動パラパラ漫画装置も置いてありありました。映像は当時の制作風景でアフレコで若き頃の清水マリや勝田久の姿が拝めました。原画をセルに焼き付けるのではなくペントレースの時代なので興味深かったです(今はスキャナーで原画をコンピューターに取り込み、デジタル彩色する)。セル画メインの展示で当時の制作現場の写真ももっと欲しかったかな・・・富野監督や出崎監督の発言集も欲しかった。ただ一般客が多いので難しいところです。確か富野監督が自分のアトムの新作話を手塚先生に売り込んだり、出崎監督が手塚先生に「もうちょっとエンタテイメントが欲しい」とダメ出し受けたり、スタッフが疲れて床で寝てたら、隣で手塚先生も寝ててビビったとかw結構ネタはあるんですがね。
こちらで当時の虫プロのトークが読めます。
杉井ギサブロー監督、りんたろう監督、出崎統監督、高橋良輔監督、富野由悠季監督
五大監督かく語りき……「私が手塚治虫から学んだこと」
トキワ荘お休み処にその後行ったら
シャッター商店街に新しいショップをオープンしたいと言う人はいるけどシャッターが閉まった閉鎖店の上にまだ人が住んでいて借りれないと言っていました。昔はそのスタイルが多かったですからねなかなか難しい問題です。せっかく町おこしでトキワ荘を復刻したのに新規の店が開けないとはこれいかに・・・。
あと赤塚不二夫先生が亡くなった時、娘さんがショックで塞ぎ込んでたので
盟友の藤子不二雄A先生が葬儀を仕切ったという裏話も聞けました。