【考察用 エルデンリング史書】狭間の地における生命の循環『壺人』
『騎士ベルナール』がいた『嵐丘のボロ家』より北へ向かい、『聖人橋』を渡る手前で遠くから誰かを呼ぶ声が聞こえる。
見ると巨大な壺が穴に嵌っており、褪せ人に助けを求めているようだ。
見た目は壺ではあるが、手や足も生えており人の言葉を話す。
狭間の地では『壺人』と呼ばれ、壺の中身は死体の肉片を集めたものが詰められていると噂されている。
彼を助けることで得られる『勇者の肉塊』がその証拠だろう……いや、冗談だ。
壺人の性格は温厚な者が多く、褪せ人に対しても敵意が無い。
特に『湖のリエーニエ』の街道端にある『壺村』では、多くの壺人が生活する異様な光景を目にするが、どの者と会話しても襲い掛かって来ることは無く、狭間の地では珍しい一族だと言える。
先にも述べた通り、壺の中身は人肉が詰められているため、壺人の性格は入れられた者の性格をそのまま受け継ぐことになり、アレキサンダーもその傾向が表れている。
また、壺人の能力は中に詰める人物に影響されるので、優れた戦士の肉塊であれば戦闘力もそれに合わせて向上するのが特徴的である。
強くなりたければ、より強い者を求めてその死体を壺の中に詰め込む……アレキサンダーもこれを繰り返して成長の糧にしたのだと考えられる。
……これは誰かに似ていないだろうか?
他者を犠牲にして己の成長の糧とするのは、「人肉」が「ルーン」に取って代わっただけの褪せ人と同じではないのか。
また、壺人の禁呪は外界の地で発祥したと噂されており、その地では壺の中に罪人が詰められたと聞いている。
もし真実であれば力を得た壺人は暴徒と化すため、それぞれの壺には純粋な乙女の肉塊を詰められ、『巫女』としての役割を与えられたと言われている……罪人と巫女の肉塊が混ざることで、善良な壺人に生まれ変わるのだと信じられていたのだ。
狭間の地ではそんな悪習が絶たれ、善良な壺人が多く見受けられるのは、神である『永遠の女王マリカ』の沙汰であるのかもしれない。
尤も、我がレアルカリアは壺人の禁呪を利用し、学院内で護衛の任を与えているため、その凶悪な呪いは今もなお続いているのが現状である。
褪せ人よ、お前は「善人」でありたいか?
ルーンによる成長は巫女を通して行われるため、お前にも慈悲の心が芽生えている筈であるが、力に溺れれば「悪人」として世を支配することも可能であろう。
お前の根底には殺戮者としての素質が過去より受け継がれている……私には巫女の頭を踏み付ける貴様の未来が見えるわ。
<参考資料>