【考察用 デス・ストランディングRPT】崩壊前のセントラル・ノットシティ
サムの目的はスマート・ドラッグを1ケース以上納品することだ。
道中はポーター専用の端末で『血液ゲージ』と『スタミナゲージ』として体力や持久力を視覚的に管理し、安全に配達ができるよう万全のシステム体制を整えている。
フラジャイルがサムに勧めた『クリプトビオシス』だが、岩に生えた植物に生息しており、食べると血液（体力）を回復させる利点がある……まあ幼虫の見た目で拒否反応を示す者も多いが、そんな余裕をカマす奴がいたらこの世界では早々に命を落とすだろう。
また、左肩に搭載するセンサー『オドラデク』を起動すると、目の前の地形をスキャンすることができ、その地形の危険度を色分けで判別してくれる。
……流れる川が浅瀬に見えても、急に深くなっている場所もあるからな。
ポーターは「転倒しないこと」が基本だ、足を取られて転倒すれば荷物に衝撃が加わり商品価値も下がる。
このセンサーは優秀で、遠くの落ちている荷物も検知してくれるから、積極的にスキャンしながら進めば集配の効率も上がるだろう。
「スキャンし荷物を確認しました、ありがとうございます」
案内の音声が聞こえたため、どうやらサムはセントラル・ノットシティへ到着したようだ。
配送端末の起動音が聞こえると、サムは背中に背負っていた荷物をリフトに納品する。
遅かったじゃないの
『伝説の配達人』らしくないわよ
サム「バイクを失い 雨宿りしてた」
それは大変だったわね
うちへの納品は完璧よ
まあ 納品遅延はあるけど
荷物は希望数以上 届けてくれた
ありがとう またお願いするわね
クライアントと思われる女性との会話が終わると、サムは次の仕事の現場へ向かう様子だったが、こちらへ近付くトラックのモーター音が聞こえた。
トラックはサムの目の前で止まり、中から男が一人姿を現すと「ブリッジズ死体処理班のイゴールだ」と自己紹介する。
サム・ポーターだな
（おそらく握手を求め 手を差し出したと考えられる）
そうか 接触恐怖症だったな
おまえの資料に書いてあったよ
サム「ブリッジズの死体処理班？ 何があった？」
ああ 時間がないんだ
ついてきてくれ
「死体処理班」と聞いて良いイメージが浮かぶ者はいない。
この世界で死体は『対消滅（ヴォイドアウト）』を引き起こす核爆弾に近い性質を持っている。
表情は見れないが、サムの眉間に皺が寄ったのは容易に想像できた。