【考察】振り子の法則
少し休むと筆(キーボード)が重くなりますね。継続は力なり。だが、飽きっぽい性格は治らない。すぐに更新の間隔が広がってしまいます。
さて、本記事は、世の中の事象やプロダクトの進化は、振り子のように、行ったり来たり、複雑系になったりシンプルになったりする、という話。
電話機の進化
タイトル画像は、ここわずか30年における、電話機の進化を振り子のイメージに重ね合わせたものです。
1990年代終わり頃、PHSの登場をきっかけに、当時、端末代金も回線契約料金も飛んでもなく高額だった携帯電話の料金が急激に下がり、庶民でも手が届くようになって、2000年代に入り一気に携帯電話の普及率が上がりました。
①今の若者はご存じないかもしれませんが、それまでの電話機と言えば、自宅にある黒電話か、街中にある緑色の公衆電話、そしてお店にあるピンクの電話でした。(左上)
②その後、FOMAの登場、auブランドの登場によって携帯電話戦争が激しくなり、端末メーカーは20社以上。それらのメーカーが差別化を図るため、様々なボタンの追加、折り畳み式やスライド開閉方式の携帯電話のヒット、複雑なヒンジ(折り畳み方式)の開発などが進みました。気付けば携帯電話はボタンだらけ、複雑な装置となりました。(右上)
③そこに登場したのがスティーブジョブズが考案した(本当はシャープのPDAにインスピレーションを受けた)、iPhone。ボタンは当時一つだけ(今はゼロ)。全面液晶ディスプレイの携帯電話は衝撃的でした。
それまで、のらくらくフォンとかキッズケータイとか出ていましたが、iPhoneは究極の”シンプル電話”。その後Android Phoneも登場し、現在、世界のほぼ全てのモバイル携帯電話はスマートフォン、というカテゴリで呼ばれる形状となりました。(左下)
④しかし!App Store, Play Storeを通じて現在までにリリースされたアプリケーションの種類は800万とも言われています。毎日洪水のようにリリースされるスマホアプリ。あらゆるカテゴリ、無料、月額課金、都度課金・・、何をインストールすればいいのか、シニア層にはさっぱり。
またまた複雑な装置になってしまいました。
このアプリの氾濫を止めようと、Alipay、Wechat、Gojek、LINEなどがスーパーアプリの普及を図っています。が、本音はユーザ囲い込みのため。自社アプリの普及に努めています。
今後、”電話機”はどのように進化するのでしょうか・・?
コミュニケーション手段
似たような話ですが、もう少し長いスパンの話。人が人に何か伝えたいことを伝達する時のコミュニケーション方法について。
①手紙
明治時代に入る前、対面以外のコミュニケーション手段は、手紙、張り紙、ビラ、しかありませんでした。
②電話機
文明開化の波と共に、日本では1号電話機が登場しました。1878年、明治11年のことだそうです。これにより、遠方の親子、親戚、取引先の、感情が伝わる生の声を聞き、伝えることができるようになりました。
③メール
それから120年後、Windows95(だから1995年)の登場によりパソコンとインターネットが普及し、e-mailが一般的になり、携帯電話においては、1999年、imodeによるメールの送受信が可能となりました。電話だとお互いの時間を拘束することになるけれど、メールだと、都合のいいときに読めば良い。一斉同報送信により多数の人に知らせることができるというメリットがあり、商用の利用で一気に普及しました。
④Zoom・Youtube
でもやっぱり、文字よりも、生の声を聞きたい、という欲求は一定以上あります。特に対面で人に会えなくなったコロナ渦でのリモートワーク中に、Zoom等のビデオ会話形式によるコミュニケーションがまた一気に普及しました。同時に、仕事外では、プロアマ問わずYoutuberが増え、一斉同報メールに相当するYoutube配信も盛んになりました。電話とメールのメリットのいいとこどりです。
今後、コミュニケーション手段はどのように進化するのでしょうか・・?
調べもの
続いて、モノではなく、人の行動。
①百科事典で調べる
もう何年もの間、広辞苑やブリタニカ百科事典を開いたことがありませんね・・。GenZeeは、子供の頃、小学館の図鑑が大好きでした。学校の教科書よりもよく読んで、イラストを眺めていた気がします。
②物知り博士に聞く
でも、辞書を引くのも、百科事典を読むのも、結構一苦労。一つの言葉を調べている最中に、その中にまた分からない言葉があり、また別の本で調べる・・。あ~、面倒くさい!と思うと、つい、親や先生や物知りの友達に聞いてしまいました。最近で言えばサンドウィッチマン&芦田さんの番組、博士ちゃんですかね。分からないことがあれば自分で調べなさい、とよく注意されたものです。
③ググる
90年代終わり、Googleの登場により、子供も大人も調べものが格段に楽になりました。子供にとって、百科事典での調べものは大変だったけど、Google検索なら簡単。キーワードを一つではなく、二つ、三つと複数入れて、狙った答え(ウェブサイト)に辿り着く。
検索リテラシーが高ければ、何でも見つけられるようになりました。
④ChatGPTに頼む
Google検索により見つけれるのは、あくまでも最適なウェブサイト。そのため、何かの課題を与えられてレポートを書く際、Googleは便利であるものの、辿り着いた複数のウェブサイトに記載されている情報を読み込んで、理解して、まとめる必要がありました。このように、Wikiに掲載されているような、言葉を調べるだけならGoogleで済んだけれども、課題に対して何と答えたらいいか、上司から指示を受けた報告書をどう書いたらいいか、そんな悩みには応えてくれなかった。そこで登場したのが、ChatGPT。
村の長老や博士ちゃんの如く、どんな質問、要望、リクエストにも、答えを文章で示してくれます。
しかし!人類はChatGPT(AI)の答えを鵜呑みにしていいのでしょうか?最新の情報に関しては甘く、その答えには誤情報が含まれるケースが多々あります。また、その答えに至った根拠が不明のため、言質が取れないことがあります。調べる人の基礎知識やセンスも問われます。気を付けねば・・。
今後、調べものの行動はどのように変異するのでしょうか・・?
インバウンド
長くなるので、以下シンプルに。
①遠い国日本
世界的には、世界地図はイギリスを中心に描かれています。そんな地図上では日本は"far east Japan"遥かに遠い東方の島国。そのため、日本旅行人気はあくまでも中国、韓国など、アジア各国のことであり、ヨーロッパや米国東海岸の人々にとっては、あまり身近ではありませんでした。
②インバウンド増
東日本大震災以後、2013年に世界遺産登録された”日本食ブーム”であったり、政府の施策などが効いて、訪日外国人の数は2018-2019年には3千人を超えました。
③コロナ鎖国
しかし!コロナにより、出入国の制限がかかり、一気にインバウンド訪日者数は減り、鎖国状態となりました。
④爆増
コロナ中、旅行業界ではたびたびアンケートを取っていましたが、「コロナが明けたら一番行きたい旅行先は?」の質問で常に日本が一番でした。
その声の通り、コロナが明けて以来、物凄い数の旅行者が押し寄せてきています。これはとても素晴らしいこと。
今後もこの傾向が続いて、加速して欲しいものです。その後、悪い天災地変が無ければいいですが・・。
その他考察
このように、振り子のような揺り戻し現象は、様々なプロダクト、事象、行動、習慣に見られると思うのです。他にも、
スタンドアロンコンピューティング→クラサバモデル→ネットワークコンピューティング→クラウドコンピューティング
とか、
リアル→バーチャル→リアル回帰
とか、
物理学系流行り→経済系文系流行り→工学系流行り→超自然科学
・・とかとか、あるんじゃないかな、と思うのですが。なんだかんだ、ダラダラ書いてしまいましたが、考察を続けます。。
以上、ここまでお読みいただきありがとうございました。
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