7/4 vsコンサドーレ札幌(ホーム・明治安田生命J1リーグ)
まさかまさかの昨シーズン末~開幕戦よりも間が空くことになった第2節。ホーム初戦は残念ながらリモート開催だけれども、魂は三ツ沢に飛んでいるので問題ないのです!本当は身体も飛んでいきたかったけど!
そんなわけで再開初戦はコンサドーレ札幌です。J2時代にボコられたけれど、イバ様が活躍を始めた時の相手ですね
試合の感想
大幅に変わると思う、という事前の報道通り、開幕戦からスタメンが半分入れ替わり、布陣も3-4-2-1に。ケガ人の状況がわからないので何とも言えない部分もあるけれど、開幕戦で大活躍だった松尾もベンチ外というかなり意外な顔ぶれだった。何よりも嬉しいのは謙介のスタメン入り。この日をどれほど待ち望んでいたことか……
一方のコンサドーレ札幌はお馴染みの顔ぶれ、というフットボールの世界ではかえって珍しいのでは?感あるスタメン。J2で戦ってきた相手とは次元の違う3トップを防ぎきれるかどうかが勝負の分かれ目だろう。正直、難しいだろうなと思いながらキックオフを迎えた。
前半
開始早々からWBからボランチまで積極的な攻撃参加を見せる横浜FC。早速チャレンジの成果を、と思いきや、前線でのボールロストからカウンターを食らい鈴木武蔵にあっさり先制点を奪われてしまった。小林がついて、一度はシュートブロックしたのだが跳ね返りをしっかり枠に流し込まれてしまった。ボールがあそこをすり抜けてこられるとキーパーには厳しい。その後もロングボールを拾われてはゴール前に迫られるというシーンが何度か続いた。
ただ、それで怖気づくことなく、後方からのビルドアップと前線での連携攻撃を続け、早々にリードを奪ったことでコンサドーレのプレスが少し緩かったこともあって徐々に良い形が作れるようになっていった。開始直後は守備面でのデメリットが目立っていた左サイドで押し込めるようになり、中央で瀬古と謙介が余裕をもってボールを捌けるようになってきていた。
そして15分過ぎ、謙介が通した縦パスを一美がスルー気味にターンして一気にディフェンダー2人の間を破ってPA内に侵入。キーパーの菅野をフェイントで転がしてから冷静に流し込んで同点に追いついた。
その後も積極的な攻撃で完全に流れを手にした横浜FC。一美や光毅、瀬古に惜しいシーンが生まれたものの、決めきれずに同点のまま前半を終えた。
後半
HTでミシャに雷を落とされたのか、全体的に動きのキレが良くなったコンサドーレ。前半途中から空気と化していたジェイが少し低めの位置でボールを受けるようになり、チャナティップも前後に動いて捕まえづらい状態に。そうして後半の序盤もやや押し込まれ気味の展開になった。それを盛り返そうと改めてボールを繋ぎ攻めに出たところでボールを失い、チャナティップ→鈴木武蔵と繋がれて、勝ち越しゴールを許してしまった。その後、選手交代もしながらゴールを目指したものの、エリア付近までは持ち込めてもなかなかシュートには持ち込めず、終盤にはダメ押し点を食らいそうになった。疲労もあったと思うが、交代後のほうがボールの繋がりが悪かったのは今後の改善点だろう。
最後のコーナーキックは蹴らせてほしかったなぁ……
全体的に
中断期間中に仕込んだことを発揮できた試合ではあったと思う。後方からの組み立てや、前線でのコンビネーションもハマり、あとは点さえ取れていればという内容ではあった。ただ、これは降格がないから思い切って攻められるという点に、悪い意味で守備構築に定評のあるミシャのチームが相手だったからという要素が重なった結果でもあると思う。組織としてはシステムもメンバーも丸1年変わらないコンサドーレ札幌と同等以上のものを見せてくれたと思うが、局面ごとのクオリティ(特に前線3人)ではやはりコンサドーレの方が上だった。ジェイの強さには正直歯が立たなかったし、チャナティップに持たれるとほぼボールを奪えない。武蔵にも肝心な場面で寄せきれなかった。
攻撃時のクオリティと比べると、ネガティブトランジションと、その後の守備ブロック形成のクオリティも低い印象を受けた。5人交代できるから、というのはあるにせよ、ちょっと走力頼みになってる部分が大きいような。個と組織両方でレベルアップが必要だろう。いくら降格しないって言ったって、「本来なら降格」って順位はやはり嫌なものだしね。
選手への雑感
GK:六反勇治
11人目のフィールドプレイヤーとして安定したプレーを見せてくれたし、終盤にはビッグセーブもあった。1失点目は、あの隙間をボールが抜けてきたら反応しきれないだろう。2失点目は、止めてくれるとチームとしてはありがたいけれど、止められないことを責められるような状況でもなし。しゃーない。今後も安定したプレーを期待してます。
DF:星キョーワァン
再開試合で大抜擢。右CBに入り、ビルドアップをしっかりこなしながら攻めあがるマギーニョの後ろで広大なスペースをカバーしつつジェイとチャナティップと対峙して、上がってくる菅にも気を付けるという新人イビリかな?的タスクを負わされていた。実際チャナティップにはかなり苦戦していたが、必死に食らいつき、セットプレー時には攻守で存在感をアピールしつつ、後半途中からは田代に代わって空中戦Jリーグ最強のジェイにエアバトルを挑みに行くなど奮闘していた。結果的に試合には負けてしまったし、最初の失点は股抜きゴールだったので悔しかったとは思うけれど、充分アピールできたと思う。頼もしいルーキーCBが入ってくれてうれしいぜ。
DF: 田代真一
3CBの真ん中でキャプテンマークを巻いて登場。マイボール時には最終ラインのハブとして長短のパスで役割を果たしていた。が、守備面では少し物足りなさが相手が相手なので、というのもあるが、地上空中どちらでも相対するジェイには歯が立たず、最終ラインでカバーの役割を負いながら、鈴木武蔵には振り切られて逆転ゴールを決められてしまった。もちろん、失点はそこに至るまで色々あるので田代だけの責任ではないのだけれど、もうワンテンポ、読みで始動を早めないと今後も厳しい局面が続くと思う。ゲームキャプテン任されるくらい統率力があるのだから、そこも含めてもうひと伸びしてほしい。
DF:小林友希
契約の関係上神戸戦は出られなかったが再開初戦でスタメンに。序列はやはり高いのだろう。左足のボールさばきは安定しており、ボールロストはほとんどなかった。1回志知と意図が合わなかったときくらいかな?右サイドと比べると守備時にWBと連携が取れているので安定していたように思える。結果的に2失点とも左側からやられているけれども。1失点目は、まぁ、しゃーない。1本目はしっかり防いだし。日程を考えるとキャラと交互の起用だろうから、主力として今後も頑張ってほしい。
MF:瀬古樹
引き続きスタメン出場。ルーキーながらしっかり定位置を掴んだ感がある。攻撃時にはしっかりつなぎ役として顔を出しつつ、惜しいシュートを放つなど存在感をアピール。守備時も謙介と組んで奮闘していた。ただ、いわゆるミシャ式に少し後手に回っていた部分もあった。そこらへんは経験だと思ってるので、今後も頑張ってほしい。シュート意識高い子は好きだよ。
MF:佐藤謙介
サポーターが待ちわびたハマのバンディエラが遂にJ1のピッチに登場。いつものようにひょうひょうと、それでいて守備時は激しく、そして相手をあざ笑うかのようなパスで好機を演出し、解説の福田を唸らせていた。試合には負けてしまったけど、我らがバンディエラがJ1でも遜色なく通用するところを存分に見せつけてくれたと思う。
それはそれとして、一美のターンからゴールまでが物凄い見事だったのだけれど、謙介のアシストで点が入ったことが嬉しくて嬉しくて泣き始めちゃったんですよね、私。暇つぶしに見に行った試合で謙介のプレーを見てフリエサポになった私にとって、謙介がJ1の舞台でプレーし、アシストを決め実況解説からパスの出しどころを絶賛されて、本当に幸せな気持ちになれた。8年前に「こいつは追いかける価値のある選手だ!」と思った私を褒めてあげたい。そして何より、そんな私の勝手な期待に見事応えてJ1のピッチで躍動してくれた謙介に心からありがとうと言いたい。次の試合、は日程的にお休みかもしれないけれど、これからもJ1のピッチで思う存分活躍してください!
MF:マギーニョ
攻撃は最大の防御と言わんばかりに積極的な攻め上がりで右サイドを制圧していたが、守備ももうちょっと頑張ろうね?身体能力で何とかしてやるぜ!感出てるぞ。割と何とかしてくれるのだけれど、それでちょっと出足が遅れると手が出ちゃったりしているので、ファールもらう回数多そうでちょっと怖い。攻撃面では充分持ち味出せてるので、そういうものだと割り切って応援した方がいいかもしれない。遠からず数字で結果出してくれそうだし。
MF:志知孝明
マギーニョと比べると少し守備に重点を置いてはいたものの、攻撃時にも良さを見せていた。光毅や瀬古、一美とかとの連携も上々。今後も期待している。早く水戸サポにも喜んでほしいしね
MF:松浦拓弥
引き続きスタメン出場。マギーニョとの連携も良好で、良い場面も何度か見せてくれた。ただ、少し当たりに弱いのと、守備時の寄せに物足りなさを感じる時がある。無理に突っ込むよりスペース埋めているというのもあるので、そこらへんはどういう役割になってるんだろう?という感じ。日程的にもコンスタントに出場するだろうし、昨シーズン序盤のようにゴールネットを揺らす姿をまた見たい。J1での200試合出場おめでとう!
FW:一美和成
同点ゴールは圧巻。ベストゴールノミネートktkr!って感じだった。咄嗟にDFの動き感じ取ってボールごとすり抜けてキーパーまで躱すとは流石A代表候補だぜといったところか。2点目の決定機でふかしちゃったのが悔やまれる。あれも決めると大エース間違いなしなので、次は決めような!あと、もう完全移籍しよう?
FW:斉藤光毅
天才児もJ1初スタメン。最初の失点につながったトラップミスしたのは光毅っぽいので、そこは今後気を付けてもらうとして、その後は流石のドリブルテクニックでJ1クラブ相手に実力を見せつけてくれた。守備時もしっかりプレスをかけていたし、相変わらず小柄な割に当たり負けしないボディバランスを持っているので納めどころとしても機能していた。セットプレーのキッカーとしても良いボールを入れていたし、日程の都合上松尾と交互の起用になって出番はある程度確保されそうなので、日本中にその名を轟かせる日もそう遠くないだろう。でもって世界にその名を轟かせる際にはできる限り移籍金いっぱい置いていってほしい。
MF:武田英二郎
志知と交代で登場。無事にケガが治ったようで何より。志知とのプレースピードやスタイルの違いからか、ちょっと連携がうまくいってなかった感があった。まぁ、すぐ調整してくれる頼れる男なので、あまり心配もしてないです。
MF:松井大輔
ルーキー瀬古と交代で登場。高い位置でボールタッチし状況を変えるべく奮闘してくれた。当たり前だけれどテクニック的には全く問題ないし、フィジカルコンタクトも強いので、選手のローテーションと交代がカギを握る今シーズンは頼るシーンが多くなりそう。
MF:中山克広
マギーニョと交代でWBとして出場。守備を厭わない選手なので、馴染めば再ブレイク(って2年目で言うのもおかしいけど)しそう。ただ、今日はまだ松井や松浦のポジション取りにうまく適応していなかった印象がある。慣れてまた右サイドをぶっちぎってほしい。
MF:中村俊輔
松浦と交代で出場。流石に時間が短かった。最後のCK蹴らせてもらえてれば見せ場になったかもしれないが。交代枠も増えたし、後半ここぞという時に出番が増えそう。
FW:皆川佑介
一美と交代で出場も、あまりボールに関われなかった。ちょっと動きすぎだったかもなぁ、と。ある程度留まってボールを受けてくれた方が、たぶん周囲とのかみ合わせ的にも良かったと思う。守備時はしっかり追い回してくれるので、そこはありがたい。
終わりに
いやー、フットボールって、本当にいいものですね!と改めて思った週末。負けたのは悔しいけれど、試合がないよりはずっと良い。そう思ったサポは多かったのではなかろうか。
今シーズンは降格がないということもあって、思い切ったことができるので、攻撃に重きを置いた戦い方になったのかなと。ミスがなければ攻撃が最大の防御だし、シュートで終われれば守備陣形整えられるしね。ただ、おそらく今後同じやり方でやって全くハマらずにボコられる試合も出てくると思う。その時に「これでいいのだ」と信じられるかどうかで今後が変わりそうな予感もした。信じることが良いと言っているわけではない。「信じる者はすぐ割れる」って言うし。ただ、そこで意思統一(選手だけじゃなくてフロントとかサポとか)がどうなるかで体制に大きく影響が出そう。そういうところも今シーズンの見どころなんだと思う。
何はともあれ、謙介をJ1で見られて本当に良かった。今後もずっと見られるとなお良いので、そうなれるように精いっぱい応援しようと改めて思いました。