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親孝行って難しい

昨日は母の日でしたね。皆さん日頃の感謝をお母さんに伝えられましたでしょうか。私のお母さんはとても凄まじい人です。お母さんはオーストラリアで私を産み、誰にも頼らず私と妹二人を一人で育てくれた。まじ強烈なお母さん。そんな大好きなお母さんに人生初めて「親孝行」ことをした時。

中学生2年の時にどうしてもお金が欲しかった。そのお金で私はどうしてもギターが買いたかった。中学生の時、私は日本JPOPが好きでしょうがなかった。Mステで見たバンドの演奏に感動した。たくさんの照明、ステージの上で歌う姿が画面越しにとても素敵に見えた。煌びやかに輝くミュージシャンのようになるためにはギターが必要だと私は思った。

だが、家はめちゃくちゃ貧乏。お母さんの口癖は「欲しいものがあるなら自分で手に入れなさい。」あの手やこの手を使っておねだりをしたりしてもダメだった。ギターを買うことを諦めていたその頃。放課後やたら急いで学校から帰宅する男の子がいた。「いつも急いでどこに行くの」と尋ねたら、「バイトをしている」とのこと。びっくり仰天!マジかよ!13歳から働くことは法律上禁止であるはず?え!どうして仕事ができるの?!」。どうやら親のつながりのお店が深刻な人手不足で困っており手伝いをしているのこと。

「お願いだからその仕事を紹介して欲しい!」とがむしゃらにお願いをした。脳内で「ギターが欲しい!お金が欲しい!!」の叫び声。彼は少し困った顔で「いいけど、女の子には厳しいと思うよ?」と言われたけど。そんなのどうでも良かった!! 

翌日、彼の職場で働くことに。ビタミン剤屋さんでのアルバイトだった。とても人気なビタミン剤屋さんでとにかく納品が多い。棚に商品を陳列し、納品された段ボールをバッグヤードに捨てる。その段ボールを処理する仕事。誰も見えないバックヤードだから未成年でも働ける。なるほどっ。軽い説明を受けて、出勤。 

ここは地獄なのか?!というぐらい過酷な環境だった。雨が降れば、屋根がないから段ボールは濡れてグチャグチャに。大量のゴキブリがいる。賞味期限がすぎたビタミンを食べて巨大化したネズミが走り回っている。まばらのサイズの糞(ネズミの糞なのか虫なのかもはや分からない!) レペゼン不衛生というくらい汚い環境。私はひたすら段ボールを潰して、段ボールを袋に詰めて、段ボールが詰めてある凄い重い袋を引きずり指定の場所に運ぶという作業。これがまた凄い辛い。お時給600円。辛すぎて何度も泣き出したくなった。ギターの為に、、、ギターの為に、、、沢山働いた。 

初めての給料日。現金でお金を頂いた。初めてお小遣い以外でお金をもらった。凄く嬉しかった。ひゃーほーい!!!!これでギターにまた一歩近づいたぞ!!!!!と喜んでいた。でも、ふと、お母さんを思い出した。いつも大変な思いをしているお母さん。初めての給料、このお金、、、お母さんを喜ばせる為に使いたい!と思った。

家に帰宅して「ねえ、お母さん。最近アルバイトしているって言ったじゃん。今日給料入ったからお母さんの好きなコーヒー飲みに行かない?みんなに美味しいもの奢りたいの」と。お母さんは毎朝、豆を挽き、コーヒーを飲むの姿を見て、私はお母さんに美味しいコーヒーをプレゼントしてあげたいと思った。そして翌日、家族みんなを連れて当時できたばかりのスターバックスへ。

初めてのスターバックス。コーヒーを飲んだことがない13歳。まずコーヒーがわからない上に、注文の仕方わからねーーーー。何故サイズ,ショート、トール、グランデなんだよ〜!!S,M,Lとかでいいじゃん!!!!!ソイにします?ソイ???え、ソイって何???フラ、フラプチーノ???ホット?え、え?!ハードル高すぎるってば〜!!!!!と困難を乗り越え、無事家族分を購入。 

初めてのスタバをお母さんにプレゼントし、お母さんはコーヒーを一口飲んだ。「美味しい?」と聞くと、お母さんは「自分で家作るコーヒーの方が美味しいかな〜」とあっけらかんとした答えた。ガーーーーン!!!!!!!!う、嘘だろう????よ、喜んでもらえると思ったのに、、、放課後毎日のような地獄はなんだったんだろう?!とてもショックを受けてしまった。帰りの電車の中で窓の外を見ながら、心の底から親孝行とはとても難しいと思った。 


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