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【アラウコの叫び】〜南アメリカ近世の歴史〜

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「アラウコの叫び」という南米の歴史物語の連載を開始しました! 毎週月曜12:00更新 現地の友人の情報や様々な文献を元に史実に基づいて描かれている部分もあれば、フィクションも混…
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#南米

第1話「予兆」

第1話「予兆」

今から約500年前、世は大航海時代の只中にあった。

地中海の利権にもありつけなかったヨーロッパ西端の小国は、外へ利を求め世界で隆盛を極める強国となった。  

彼の国の者達は、強い欲望や野心を携え、世界各地を征服していった。

その最中、征服が難航した地域がある。そこは「アラウコ」と呼ばれた。  

諸説あるが、激突は300年の長きに渡り、世界史上最長の戦争と捉えられている。  

この物語は、

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第12話「傑物の交錯」

第12話「傑物の交錯」

ラウタロが生まれた約100年程前にヨーロッパで生を受け世を震撼させた人物がいた。  

名をヴラド3世といい、
現代ではドラキュラ、串刺し公、ヴラド・ツェペシュという名で知られている。

強国オスマン帝国との抗争に敗れ、
彼の父ヴラド2世は従属する事になった。  

その際、ヴラド2世は13歳の若さでオスマン帝国の人質となった。  

そして一説にはオスマン帝国が将来ワラキア公国(ルーマニア)を操

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第13話「暗殺者」

第13話「暗殺者」

-コパカバナ-
緑の布を羽織る者がチカたちの今へ現れた。
「チャンカノただいま戻りました。」

 オトナ「戻ったか。
して、タワティンスーユの様子はどうであった?」
 
チャンカノ「マンコ様は宗教儀式に見せかけてクスコを脱出し、
ビルカバンバを拠点としました。」  

チカ「臆病なマンコにしては、よくやっておる。」  

チャンカノ「一方で、
それを機にアルマグロが後ろ盾となり、
クス

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