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【アラウコの叫び】〜南アメリカ近世の歴史〜

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「アラウコの叫び」という南米の歴史物語の連載を開始しました! 毎週月曜12:00更新 現地の友人の情報や様々な文献を元に史実に基づいて描かれている部分もあれば、フィクションも混…
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2024年5月の記事一覧

第2話「碧眼の人馬」

第2話「碧眼の人馬」

この時期に自然界に異変が起きた
実際に語り継がれている天変である
マプチェ達は異変を見て、危険を察知し
有事に備えることが出来たと言われている    

-8年前- 1536年海から再び災厄が押し寄せる。
が、蛇ではなく、人だった。      

-コルディジェラ・デ・ナウエルブタ山脈-

ある日鮮やかな緑色の鳥たちがざわめき出した。  

フタウエ「これは!?太陽が食われておる・・

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第3話「悲しき犠牲者」

第3話「悲しき犠牲者」

-戦の始まりの地-レイノウェレン  

アルバラド「あとは突撃だ。」  

おおおぉぉ!  

アラバラド軍が雄叫びを上げた。  

ピクンチュ兵「ミチマ様、新手の敵が突進してきます。」  

ミチマ「あれが例のやつか。」

  ピクンチュ兵団がアルバラドの騎馬部隊に次々と殲滅させられていく。  

カスティニャダ「始まったか、よし一気に押し返せ。」  

カスティニャダ兵「ハッ!」    

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第4話「背負いし者たち」

第4話「背負いし者たち」

静寂に包まれた世界には、パチパチという焚き火の音が響き渡っていた。  

そこには1人の男が座し、対面に丸太の山があった。  

男は山の頂にある一本の丸太を穏やかな目で見つめていた。  

まるで男はその一本の丸太の断面と顔合わせて、語り合っているかの様だった。  

やがて焚き火の音が途切れた・・  

刹那、男は近くにある斧を手に取り、完全な暗闇の中で丸太に切り掛かる。  

バリバリと木が

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第5話「伝説の鳥」

第5話「伝説の鳥」

南アメリカには多くの巨大な鳥が生息する  

最強、最大、伝説、様々な鳥がこの地では羽ばたいている  

  現代、最強の猛禽類と名高いオウギワシ
平均的な雌は全長1m
翼を広げれば2m、体重は7.5キロ  

この種は人を攫う事が出来るとも言われている  

だが、実際には自身の体重と同程度の物を運べる程度である    

では、過去も含めて史上最大の鳥は何か?  

飛ぶことができる種では

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第6話「置かれし立場」

第6話「置かれし立場」

1542年11月20日神聖ローマ皇帝カール5世(カルロス1世)によりインディアス新法が発布された。  

アメリカ大陸の植民地化に関する初めての人道的な法律ともされている。  

この法律はコンキスタドール達にとっては都合の悪い法律であり、
せっかく苦労して利権を手に入れてきた彼らの頭を悩ませる事になった。  

  -コパカバナ- キロガ「どうですか、任務の方は?」
風格のある貴族風の男が、騎

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第7話「巨人」

第7話「巨人」

15世紀以前のヨーロッパで作成された世界地図は、
一見あらゆる事を知ってるかの様に表現されていた。  

当時の世界地図には、詳細不明な地域は省略し、
時には空想上の怪物までもが描かれていた。  

コロンブスは新大陸を発見したにも関わらず、
彼の頭の中の知識通り、そこをインドと誤って解釈をしていた。  

世界への無知を認識していないコロンブスの時代までが、中世だったと言えるかもしれない。

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