金ちゃんヌードル
金ちゃんヌードルですが、これ横浜だと中々売ってないんですよね。
さあさあ皆さんお待ちかね、カビた肺をハイタッチで取っちゃう手術の当日です、第5話なんです。
レア体験の締切が近いので今後は予定を変更してお送りします、しかしお送りされるのは火葬場ではありません、先に断っておきます。
相変わらず朝飯を病棟トップで食い終え、手術を立ち会うというので家族の到着を待ちました。
病院での面会は原則ダメでしたが命に関わる大手術になるせいか家族全員が立ち会いを許されたんです。
そんで下の階にある手術室の方まで運ばれたんですよ、普通に歩けるのに持って帰るのが面倒なのかベッドで運ばれたんですよ。
そしたら手術後に入るICU担当の看護師さんの挨拶があったんです。
我が目を疑いましたよ、看護師さんが上戸彩じゃないですか上戸彩。
病室担当の田中麗奈で満足していたらICUで上戸彩まで付いてきちゃった感じのソフトバンクモバイルです。
あ、ICUといっても国際基督教大学ではありません、手術後に入院からの転入をする訳でもありません、集中治療室という意味合いで使われます。
そして、いよいよ伊代はまだ57だからの手術室に入場ですよ、手術台に乗せられますよ、なんか嗅がされましたよ。
完全に意識が飛びました、初めての全身麻酔に世界仰天ニュースです。
初の全身麻酔ですから初体験ですよ、初めてが10代とか今の世の中は全くけしからんです、私なんか20代後半です。
そんな事は心底どうでも良いとして、次に目覚めたのは手術室じゃないんです、処置室みたいなんです、手術は既に終わってたんです。
手術中の実況を期待していた方々には申し訳ない気分で一杯ですが、断腸の思いで大門団長です西部警察です。
しかしですよ、麻酔で寝落ちしなくたって悲しくたって手術室の中では肋骨一本取ったら普通は気絶するじゃないですか、それ以前に脇腹を一直線に切られたら悶絶してそれどころじゃないじゃないですか。
なので手術中の出来事は残念ながら割愛とさせて頂きます、スプラッターファンの皆様には大変申し訳ありません。
そんで冷静になったら周りを見渡すじゃないですか。
そしたら家族が勢揃いしてるんです。
枕元に嫁様もいるんです。
これはもうアレじゃないですか、嫁様の手を握って「良い人生だった」と言うしかないじゃないですか、さだまさしの関白宣言をやりたいじゃないですか。
しかし身体を動かすと激痛が走るので断念しました、痛みで話す事すらほとんど出来ませんでした。
というか、それって死ぬ時のセリフじゃないですか!死んでませんから!生きてますから!!
そんなこんなでICUへとベッドごと運ばれていったのでございます。
【 次回予告 】
なぜ、どうしてナースコールを押す。
なぜベッドを向けあう。
ともに寝ている病室の底で、互いの心の中を覗く。
そこには、荒涼たる病棟の中、闇夜に缶コーヒーを求めて立ち尽くす、孤独な己の姿が在った。
次回「談話室」
退院が互いを分かつまで。